投資コストと消費電力を削減する最適ストレージとは

金融危機発生後、半数以上の企業がIT投資を抑制する方向にあります。従来の資産を有効活用し、運用コストを削減すべく、さまざまな努力が続けられているのです。その一方で、実環境では非構造化・複製データなどが増加し、年を追うごとに大容量ディスクの需要が高まっています。それにともない、パフォーマンスへの不安、管理者やスキルの不足など、多くの課題も表面化してきています。また環境への配慮も必要になり、IT分野でのグリーンへの取り組みが不可欠になっています。
では、このような課題に対し、いま富士通では、どのような取り組みをしているのでしょうか? ストレージシステム事業部事業部長の有川保仁は「富士通フォーラム2009」にて開催のストレージ関連セミナー「投資を抑えるストレージの仮想化技術とグリーンへの取り組み」において、課題解決の方向性として、「ストレージ容量仮想化」「高速デバイスの活用」「省電力運用」という3つの手段をあげて解説しました。

ストレージ容量仮想化
企業資産の有効活用や最適投資、管理面での簡素化を実現するためには、ストレージ容量の仮想化が大きなポイントになります。富士通では「シン・プロビジョニング(Thin Provisioning)」と呼ばれるテクノロジーを利用することで、これらの問題を解決します。これは、サーバから見えるボリュームを仮想化し、物理ディスクの容量以上のボリューム容量を定義できる技術で、ストレージ需要が予測できないケースでも、あらかじめ論理的な容量を大きく確保しておくことで、将来のディスク容量の拡張に備えることが可能になります。

現時点で必要なディスクのみを使用するため、ディスク使用率を最大化し、ディスク投資の延伸が可能となります。もちろん、あとから状況に応じてディスクを追加できるため、初期コストも大幅に削減されます。使用領域が減るぶん消費電力も抑制でき、さらに将来のディスク増設時にサーバ環境の変更が不要で、運用を簡素化するメリットがあります。

またシン・プロビジョニングでは、必要容量の物理ディスクをプールで管理するため、システム運用中も継続的かつ効率的に物理ディスクを利用できます。従来はディスクの各ボリュームで使用率に差が出てしまい、未使用領域を有効に活用できませんでしたが、物理ディスクをプールで管理することで、未使用領域をプールに属する仮想ボリュームで共用できるため、効率的な物理ディスクの利用が可能になりました。

有川は、このシン・プロビジョニングの活用例として、ファイルサーバでの容量仮想化への適用や、サーバ仮想化との組み合わせについても紹介しました。

高速デバイスの活用
富士通ではディスク装置の高性能化と低消費電力への取り組みとして、新デバイスの導入にも力を入れています。たとえば最近では、ストレージにSSD(Solid State Drive)を適用することも多くなっています。記録メディアにフラッシュメモリを用い、ランダムアクセス性能を従来のHDDに対し約16倍に高めたドライブを実現します。可動部がなく、信頼性に優れ、消費電力もHDDの約半分ですみ、発熱・騒音も少なくなっています。SSDは寿命が短いという弱点がありましたが、これも克服しています。

SSDの高速性を生かす例として、アクセス頻度が高く、アクセス性能を最優先するオンラインストレージ階層での導入(Tier0)があげられます。SSDはメモリ容量は少ないのですが、特定領域を高速化すれば、システム全体の性能に寄与できます。特に業務系データベースにおいて、低データ量でアクセス回数が多い顧客・商品マスタなどのインデックスにアクセスする際に効果を発揮。メールシステムのユーザー認証でも効果が大きくなっています。情報のライフサイクルに合わせて、ストレージを選ぶ際に選択肢が広がりました。

省電力運用
富士通では、省電力という観点から「エコモード」による対応も実践しています。MAID(Massive Array of Idle Disks)技術の応用による省電力化がそれです。アクセスが無い時間帯は、ディスクの回転を停止し、消費電力を削減します。

またバックアップ時のみディスクを可動させる省電力運用や、階層ストレージでアクセス頻度の低いディスクに対する電力削減など、ディスクを極力回転させず、必要なときだけ駆動させる運用に徹底的にこだわっています。


さらに、電力消費に対する具体的な効果を確認するために、「ECOの見える化」を推進。消費電力と温度を監視し、業務ごとの統計情報を可視化する「ETERNUS SF Storage Cruiser」などもサポートしています。

最後に有川は、コスト削減や環境対応に対するニーズを満たす現実解として、富士通のストレージソリューション「ETERNUS」のラインアップについても触れました。

中核となるディスクアレイとして、2009年初頭に発売されたエンタープライズ向けの「ETERNUS8000」やミッドレンジ向けの「ETERNUS4000」、エントリー向けの「ETERNUS DX60」「ETERNUS DX80」などを紹介。このほかにも、ネットワークディスクアレイ、NASゲートアレイ、アーカイブストレージ、テープライブラリ、バーチャルテープ、ファイバチャネルスイッチ、各種ストレージ基盤ソフトウェアなど、世界トップクラスのストレージソリューションを幅広く取り揃えていることを強調して、セミナーを終えました。
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