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Fujitsu

Japan

NetApp Innovation 2015 Tokyo
~Unbound Cloud(解放されたクラウド)

総合仮想インフラの課題を可視化し最適な改善をご提案 垂直統合型商品/ストレージアセスメントサービス

掲載日:2015年2月19日

1月28日、都内にて「NetApp Innovation 2015 Tokyo」が開催されました。「自由、そして自在へ」をテーマに、ベンダー各社が最新テクノロジーを披露する中、富士通がこれまで培ってきた技術力・構築ノウハウを示したイベントとなりました。
本稿では、富士通の講演「統合仮想インフラの課題を解決する、富士通の『Cloud Ready Blocks』」の内容とともに、展示ブースで紹介された垂直統合型仮想化・クラウド基盤「FUJITSU Integrated System Cloud Ready Blocks」、仮想化導入を支援する「アセスメントサービス」、ストレージの効率的な運用を可能とする「ETERNUS NR1000F series」などについてご紹介します。

統合仮想インフラの課題を解決する、富士通の「Cloud Ready Blocks」
- NetApp Innovation 2015

ユニファイド・ストレージ・ベンダーのNetAppは1月28日、都内においてプライベートイベント「NetApp Innovation 2015 Tokyo」を開催した。「自由、そして自在へ」というテーマが掲げられた今回は、14のパートナー企業が製品/ソリューションを展示。NetAppが提唱する「Unbound Cloud(解放されたクラウド)」のもとに、オンプレミスからハイブリッドクラウドへどのように展開していくか、最新のソリューションと革新的なテクノロジーが一堂に会して紹介された。

本稿では、パートナー・ベンダーによるテクニカル・セッションの中から、「クラウド基盤と多彩なサービスにより効率的、効果的なクラウド環境を実現」をテーマに解説した、富士通のセッション内容を紹介しよう。

“良いとこ取り”が引き起こした仮想化基盤の“落とし穴”とは?


富士通のストレージシステム事業本部ストレージソリューション事業部NASシステム開発部でマネージャーを務める葛西邦彦氏

ICTインフラ活用によるコスト削減や業務効率化の観点から、仮想化やクラウド基盤を導入する企業は増加している。しかし、クラウド基盤の選定や、クラウド環境で運用する業務の選別には、留意すべきポイントが多々存在する。「コスト削減のみを重視してパブリッククラウドにした結果、カスタマイズに制限があり、期待したほどの効果が得られなかった」という苦い経験を持つ企業は少なくない。

「クラウドは“パブリック”、“プライベート”、“ハイブリッド”に大別され、それぞれメリット / デメリットがあります。パブリッククラウドは、自社内に設備を持つ必要がなく、従量制の料金体系でコスト削減が期待できるものの、複数ユーザーによる共同利用へのセキュリティ上の不安や、個別運用案件への対応が限定的といった側面があります。一方、プライベートクラウドは、初期導入/運用コストは考慮しなければなりませんが、顧客専用のシステムとなるため、強固なセキュリティ確保と柔軟なカスタマイズ、個別要件への対応が可能です。業務に応じて、環境を選定するなど個別要件への対応が可能です」

こう説明するのは、富士通のストレージシステム事業本部ストレージソリューション事業部NASシステム開発部でマネージャーを務める葛西邦彦氏である。同氏は、プライベートクラウド導入のキーワードは、「効果の最大化」「仮想化環境を実現するインフラ」「最適な仮想化環境の構築」だと説く。

「これまでのICTシステム導入は、個別最適化に重点を置いていました。その結果、既存システムの大規模化/複雑化が進み、維持運用に膨大なコストがかかっています。クラウド導入では、こうした環境から脱却し、ICTシステム全体の最適化を目指すことが重要です。そのためには、業務のサービスレベルに応じたクラウド基盤を選定し、迅速かつ確実で、導入後もすぐに運用できる環境が求められているのです」(葛西氏)

業務が要求するサービスレベルは、「リカバリポイント」「サービス提供時間」「サービス稼働率」「ハードウェア復旧時間」などを判断の軸とする。そして、最適なレベルを見極めたうえで、最適な仮想化基盤を選定するのが「正しいステップ」であるという。


稼働する業務が要求するサービスレベルを判断の軸とすることで、
クラウドに乗せる業務が選別できる

では、どのような仮想化基盤を選択すべきなのか。葛西氏は、「プライベートクラウド基盤として効果を最大化する1つの方法として、垂直統合型基盤を活用することが考えられます。その活用により、仮想化・プライベートクラウド基盤を実現する際におこる様々な課題を解決できます」と指摘する。

その課題とは、「オープンシステム採用による、運用費用の高止まりと管理の複雑性」だ。各分野のナンバーワン製品を選択し、“良いとこ取り”をしようとしたものの、実際にはハイパーバイザー層や物理/仮想環境の連携がとれていなかったり、異なる管理画面で管理が煩雑になったりしているケースは多い。また、トラブル発生時の障害の切り分けに時間がかかったり、増設作業に手間がかかったりすることも多く、結果的に運用管理工数 / コストが増大することもしばしばだ。

しかし、垂直統合型基盤であれば、ストレージ、サーバ、スイッチ(ネットワーク)、OS、ハイパーバイザー、運用管理ソフトなど、仮想化 / プライベートクラウドに必要な要素をすべて備えた“単一の製品”となるため、こうた問題から解放される。葛西氏は、「富士通ではシステムの設計から保守まで、垂直統合による最適化を実現するシステムを提供しています。それが『FUJITSU Integrated System Cloud Ready Blocks(以降、Cloud Ready Blocks)』です」と紹介し、同システムについて解説した。


システムの設計から保守までを垂直統合型基盤にすれば、
運用管理の煩雑さから解放される

垂直統合型基盤の活用で、低コストと運用効率の効率化の両立を実現

コストと運用管理の効率化にコミットする「Cloud Ready Blocks」

「Cloud Ready Blocks」は、仮想・クラウド環境に必要なハードウェアとソフトウェアを、1つのシステムとして構築し、基本設計・構築・設定までを済ませた状態で納入される、垂直統合型 仮想化・クラウド基盤である。ユーザー企業は検証済みのシステムバリエーションの中から、自社の環境に最適なモデルや構成を選択するだけでよい。これにより企業は、設計や動作検証、運用マニュアルの作成などの作業に要する時間を大幅に短縮できる。また、富士通が長年培ってきたクラウド運用のノウハウを、ベストプラクティスとして提供される点も特筆すべきポイントの1つだろう。


「Cloud Ready Blocks」は富士通のベストプラクティスを凝縮した、
仮想化・プライベート環境に最適なIaaS基盤だ

葛西氏によると、従来の構築手法と比較し、初期導入コストを約40%削減した事例もあるとするほか、Cloud Ready Blocksを導入することで、80台のサーバを25台に集約し、わずか5カ月で基幹システムの構築を完了させた例もあるという。この場合、従来であれば、調達も含めれば数カ月かかっていたサーバ構築を、たった2日間に圧縮できたとのことだ。

Cloud Ready Blocksは仮想サーバの申請・自動配備に必要な運用プロセスを搭載しており、すぐにプライベートクラウドを運用できるようになっている。葛西氏は、「手作業で仮想マシン作成するには、各部門からのリクエストを受け付けてから要件確認し、リソースの空き状況などを確認したうえで仮想マシンの作成/確認し、返答していた。しかし、Cloud Ready Blocksにはセルフサービスポータルで利用申請する機能が備わっている。状来であれば48時間を要していた仮想マシン配備が、わずか30分で完了したという事例もある」と強調する。

Cloud Ready Blocksは、小規模な仮想化集約から大規模なプライベートクラウド構築までを網羅した、4モデルがリリースされている。

葛西邦彦氏 近影

Enterpriseモデルには、NetAppのOEM製品として提供しているネットワークディスクアレイ「ETERNUS NR1000F」を適用することも可能だ。なお、展示会場ではETERNUS NR1000Fを搭載したCloud Ready Blocksも披露された。その詳細については、後日改めてレポートしよう。

また、富士通では、仮想化導入を支援するサービスとして「仮想化アセスメントサービス」と「ストレージアセスメントサービス」を提供している。前者は顧客の稼働情報を調査して状況を把握し、情報を分析したうえで、効率的な仮想化統合に向けたプランの作成を支援するものだ。報告書では、調査、分析結果に加え、仮想化統合モデルや具体的な機器構成例や、費用も含む統合効果なども提示される。後者は、顧客のインフラ環境の構成情報と性能情報を、「問診表」や「専用ツール」で収集し、診断/分析するサービスである。

葛西氏は、「システムが複雑化すると、ストレージに起因する問題の把握は困難になります。ストレージアセスメントサービスは、ストレージに関する課題を可視化して棚卸しし、改善策を提案するものです。実際、お客様が気づかないところで、管理ミドルウェア用のディスクで負荷が集中し、パフォーマンスが低下していた例もありました。そうした際には、余裕のあるリソースを活用し、管理ミドルウェア用のディスクの負荷分散を提案しています」と説明する。

最後に葛西氏は、「富士通はクラウドの効果を最大化するため、システム構築からアセスメントまで、多角的に支援しています。これからクラウド環境への移行を考えている企業はもちろん、現在のクラウド運用に課題を抱えている企業も、ぜひお問い合わせいただきたい」と語り、セッションを締めくくった。

>> ブースレポート


「株式会社 マイナビ」2015年2月9日 掲載記事より転載。
本ページで掲載されている内容は、掲載日時点のものです。

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システムの課題を明確化し最適な改善策を提案 - 富士通の「垂直統合型商品 / ストレージアセスメントサービス」

管理者の運用負担を軽減する富士通の垂直統合型商品「Cloud Ready Blocks」

1月28日、都内において開催されたNetAppのプライベートイベント「NetApp Innovation 2015 Tokyo - Unbound Cloud」。同イベントには14のパートナー企業が集結し、NetAppが提唱する「Unbound Cloud(解放されたクラウド)」のもとに、オンプレミスからハイブリッドクラウドへどのように展開していくか、最新のソリューションと革新的なテクノロジーが一堂に会して紹介された。

中でも特徴的だったのは、複数のベンダーが垂直統合型商品のシステムを展示していたことである。あるベンダーは、「スピードとコストを重視するお客様は、垂直統合型商品への関心が高い」と語る。

その中でも目を引いたのが、富士通の垂直統合型 仮想化・クラウド基盤である「FUJITSU Integrated System Cloud Ready Blocks(以降、Cloud Ready Blocks)」だ。仮想化・プライベートクラウド環境の構築に必要なハードウェア / ソフトウェアなどの要素をパッケージ化しシステムとして提供する「Cloud Ready Blocks」の最大の特徴は、運用管理者の負荷軽減や利用者の利便性向上に向けて、富士通がこれまで培ってきたノウハウが製品に組み込まれていることである。

ユーザーは、そうしたノウハウを踏まえた検証済みのシステムバリエーションの中から自社にとって最適な構成を選択し、自社固有のパラメータや設定値などを記入した「パラメータヒアリングシート」を富士通側に提出するだけで、基本設計・構築・基本設定済みのシステムが納入される。システム構成に悩む必要がなく、個別設計や検証などに要する時間を大幅に短縮することが可能だ。

Cloud Ready Blocksのラインアップは、180VM程度までの小中規模のシステムの統合基盤に最適な「Expressモデル」から、データセンタークラスなど、大規模なプライベートクラウド構築まで適用可能な「Enterpriseモデル」までと幅広い。なお、Enterpriseモデルでは、ラックサーバタイプとブレードサーバタイプが選択できる。ちなみに、今回の展示では、そのEnterpriseモデルのラックサーバタイプに新たにラインアップされた、ストレージにNetAppのOEM製品として提供しているネットワークディスクアレイ「ETERNUS NR1000F」を搭載したモデルが紹介されていた。


「NetApp Innovation 2015 Tokyo」の富士通ブース。
左の黒い筐体が「Cloud Ready Blocks」

各サーバの状態やリソースの利用状況が、一画面で確認できる (出典:富士通Webサイト)


富士通 統合商品戦略本部 統合商品ビジネス推進統括部 統合商品企画部の田代一道氏

富士通統合商品戦略本部統合商品ビジネス推進統括部統合商品企画部の田代一道氏は、「Cloud Ready Blocksは、システム管理者の運用負荷を大幅に軽減するとともに、利用者の利便性も向上する製品です。例えば、仮想サーバの申請 / 自動配備に必要な標準的な運用プロセスも備わっているので、導入後すぐにプライベートクラウドの運用が可能です。今回『ETERNUS NR1000F』搭載モデルがラインアップに加わったことで、さらに幅広くお客様のニーズの対応できるようになると考えています」と説明する。

Cloud Ready Blocksは、システム管理者の運用負荷を軽減する様々な機能があらかじめ製品に組み込まれていることも大きなアドバンテージの1つである。例えば、ラックへの搭載状況を直観的にわかりやすい画面で表示したり、機器の状態やCPU / メモリ / ストレージなどの使用率 / イベントログなどを、一画面で表示したりすることが可能であるなど、従来であれば各機器にアクセスし、異なるUIで確認する必要があった情報が、一元的に管理できるというわけだ。

仮想化やプライベートクラウドを導入したものの、想定以上に運用管理が煩雑になり、運用管理工数 / コストが増大したというケースは少なくない。しかし、この垂直統合型 仮想化・クラウド基盤である「Cloud Ready Blocks」なら、そのような課題を抱えることはないだろう。

アセスメントサービスの活用で効率的な仮想化統合のプランを作成

アセスメントサービスで既存環境の課題を可視化

多くの企業にとって仮想化環境の導入は、一大プロジェクトとなる。現在のインフラ環境を棚卸しし、自社にとって最適なシステム構成を決定しなければならない。しかし、「何が自社にとって適切なのか」を見極めるのは難しい。そうした課題を解決するのが、富士通の仮想化導入支援サービスである「仮想化アセスメントサービス」と「ストレージアセスメントサービス」である。


仮想化アセスメントサービスの概要図

仮想化アセスメントサービスは、仮想化導入を検討している企業のITインフラを調査し、精度の高いアセスメントを実施するものだ。現在稼働しているインフラ環境のサービスレベルや課題を整理し、稼働サーバの構成と性能情報を収集したうえで、現状を可視化する。そして、その収集した情報を分析し、企業にとって効率的な仮想化統合のサイジングプランを作成するサービスである。

情報収集には、ヒアリングシートを基にサーバ情報などをヒアリングし、 簡易サイジングツールを利用する方式と、顧客のシステムに情報採取ツールを設置して情報収集/分析を行う方式がある。


富士通 プラットフォーム技術本部 プロダクトソリューション技術統括部の堀越恵太氏

また、ストレージアセスメントサービスは、仮想化アセスメントサービスと同様に顧客のシステム環境や要件をヒアリング / 調査し、既存環境の問題点を整理したうえで、最適なストレージの導入プランを提案するサービスである。富士通プラットフォーム技術本部プロダクトソリューション技術統括部の堀越恵太氏は、「ストレージはインフラ全体の半分以上のコストを占める場合もあります。利用しないような大容量のストレージを導入しても無駄になるだけです。ストレージアセスメントサービスでは、既存のシステム環境を可視化し、潜在的な課題を詳らかにして分析することで、結果報告とともに最適な改善提案をします」と説明する。

実際、同サービスを利用した顧客の中には、割り当て済みディスクのうち、約50%が非稼働だったことが判明したケースもあったという。「一番の課題は、お客様がその事実に気付かれていなかったことです。このケースではストレージ自動階層制御機能を使い、頻繁にアクセスしないデータを自動的に安価なディスクへ再配置するようにしました。その結果、全ディスクの50%を安価なディスクで構成し、大幅なコスト削減に成功したのです」(堀越氏)

コスト削減および運用の効率化を実現するストレージとして注目されているのが、「ETERNUS NR1000F」である。今回のイベント主催者であるNetAppの製品OEMとしても提供されており、多くの利用者から高い支持を得ている製品だ。ETERNUS NR1000Fは、導入する際にサーバ側に新たなソフトウェアやドライバは不要で、汎用サーバと比較し、インストール時間を大幅に短縮できる。また、動的に容量増減可能なフレックスボリューム機能も備わっており、未使用領域を一元化することで、ストレージの効率的な運用が可能。厳密なストレージ容量の設計が不要になるので、ストレージ運用の観点からも効率化が期待できる。

ストレージの効率的な運用を可能とする「ETERNUS NR1000F」

複数のベンダー製品で構成された仮想化環境の運用管理は、一度問題が発生すると、その切り分けが難しい。企業によっては運用管理者の人事異動などで申し送りが十分でなく、どのような構成になっているか把握していない場合も多い。そうした課題を抱える企業にとってこうしたアセスメントサービスは、運用効率化を実現する第一歩となるはずだ。

「最適なストレージ環境を知り、運用コストを見極めるには、現状のシステムの棚卸しをすることから始まります。同サービスは、富士通製のストレージ以外でも診断します。『仮想環境を構築したものの、想定よりもパフォーマンスが上がらない』と悩んでいる管理者の方は、ぜひ相談して頂きたい」(堀越氏)。

<< 講演レポート


「株式会社 マイナビ」2015年2月12日 掲載記事より転載。
本ページで掲載されている内容は、掲載日時点のものです。

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