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ストレージ投資と新技術導入の進展

2013年度のストレージ市場は、サーバ仮想化 / デスクトップ仮想向けが2桁成長を遂げ、クラウドインフラ向けが本格的に立ち上がった1年であった。2014年度においては、引き続き仮想化やクラウド向けの投資が積極的に行われ、またストレージ新技術の導入も進展していることから、ストレージ投資全体も昨年と同水準で積極的に行われると見られている。

(注) 本連載ではIDCのレポートを基に、中小規模の企業=1~999人以下、大規模の企業=1,000人以上と定義している。

積極的な投資が続くストレージ

年間ストレージ予算の2013年度(実績)から2014年度(見込み)の伸び率はどうだろうか。 IDC調査の「年間ストレージ予算の前年度比増減、2014年度見込み(会計年)」によると、2014年度(見込み)の年間ストレージ予算は、2013年度よりも「増加」が34.5%、「横ばい」が51.4%、「減少」が8.6%、「分からない」が5.5%であり、増加および横ばいの合計が全体の8割を超えている。

年間ストレージ予算の前年度比増減、2014年度見込み(会計年)のグラフ

また、IDC調査の「ストレージ予算の増減に対する回答の傾向、2008年度~2014年度(見込み)」で、過去7年間の回答の傾向を確認する。このグラフは、各年度の「増加」の回答率から「減少」の回答率を引いた値(ポイント)を示している。リーマンショックの影響でマイナスになった2009年度以外はプラスの値になっているが、特に25ポイント以上になっているのは、2013年度と2014年度(見込み)のみであり、過去7年間で見てもここ2年間の積極的なストレージ投資が分かる。

ストレージ予算の増減に対する回答の傾向、2008年度~2014年度(見込み)のグラフ

重点分野はデータ量増大、バックアップ、セキュリティ

IDC調査の「ストレージ投資の重点分野、2014年度(会計年)」によると、2014年度のストレージ投資における重点分野の第1位は「データ量増大への対応」(47.7%)で、第2位「バックアップの効率化」(41.9%)、第3位「セキュリティの強化」(35.2%)、と続く。ストレージの資産としての価値が高まるなか、企業に置いては増え続けるデータの保管と保護、バックアップに対する投資の高さがうかがえる。

ストレージ投資の重点、2014年度(会計年)のグラフ

なお、従業員規模別に見ると、「1~99人」では、「バックアップの効率化」が第1位となっており、データ量増大への対応よりも課題となっていることが分かる。また、仮想化関連の「サーバ仮想化に伴うストレージ投資」と「デスクトップ仮想化に伴うストレージ投資」では、従業員規模が500人以上になると割合が高くなっており、規模が大きいほど仮想化環境の普及率が高いと見られる。

ストレージ新技術に対する高い導入意向

技術革新が著しいストレージにおいて、企業のストレージ新技術の導入はどの程度進行しているのだろうか。IDC調査の「ストレージ新技術の導入状況」によると、「導入済み」の企業が多い新技術は、「ストレージ仮想化」「フラッシュストレージ」「シン・プロビジョニング」の順で続くが、導入意向は、フラッシュストレージ、デ・デュプリケーション、ストレージ自動階層化の順に多い。またフラッシュストレージに関しては、IDC調査「従業員規模別 フラッシュストレージを導入しない理由」によると、「計画がない」企業がその理由として最も多く挙げているのは「価格が高い」であり、導入意向のある企業も価格が下がれば導入が一気に進む可能性はあるといえるだろう。

ストレージ新技術の導入状況のグラフ

さらに、IDC調査「ストレージ新技術の導入環境」を見ると、「導入済み」の企業が新技術を導入している環境としては、すべての技術において「サーバ仮想化環境」が最も多かった。サーバ仮想化環境の普及に伴うストレージ管理の課題を解決するために、こうした新技術を導入している企業が多いと考えられる。また、「導入済み」の企業における、新技術の満足度については、IDC調査「ストレージ新技術の導入後の満足度」から、期待以上および期待通りという回答の合計がいずれも80%を超えており、新技術が多くの企業に満足度を与えていると考えられる。

新技術の組み合わせがカギとなる第3のプラットフォームの時代

IDCでは、2013年および2014年水準のストレージ投資が2017年度まで続き、出荷容量も2013年の1,000PB強から5,000PBへ拡大すると予測している。その背景となっているのが、第3のプラットフォーム(クラウド、ビッグデータ、モビリティ、ソーシャル)の時代に入ったことがある。外付け型RAID(DAS)を中心とした第1のプラットフォーム、ネットワークストレージ(SAN / NAS)を中心とした第2のプラットフォームを経て、第3のプラットフォームの時代は、従来のような特定のテクノロジーのみによらず、複数の新技術を組み合わせることで、多様化・大容量化していくデータ、すなわち企業の「資産」を管理するフレームワークの構築が求められる。

富士通のストレージソリューション

富士通は、ストレージ投資の最適化、管理の効率化を図るために、さまざまな新技術をサポートするストレージ製品を提供しています。

新技術 概要 主な対応製品
ストレージ仮想化 大規模な仮想化環境における安定した高い処理性能と容易な導入・管理を実現
フラッシュストレージ データベースや仮想化環境、データの分析・解析等のI/Oボトルネックを解消し、迅速かつ安定した処理を実現
シン・プロビジョニング ストレージ・リソースを仮想化して割り当てる「シン・プロビジョニング」で、ストレージの物理容量を削減
動的に容量増減可能な「フレックスボリューム」
重複排除(デデュプリケーション、デデュープ) 重複排除技術の活用により、 効率的なバックアップ運用を実現
ドライブに書き込む前にコントローラー内で重複箇所を検出して排除・圧縮する「インライン方式」を搭載し、リアルタイムで総書き込み容量を削減
ストレージ自動階層化 異なる種類のドライブを混在搭載した環境において、データの配置先を制御し、パフォーマンスとコストの最適化を図る
ユニファイドストレージ 同一筐体内にSANストレージ領域(ブロックアクセス)とNAS領域(ファイルアクセス)を共存可能なため、効率的なリソース運用を実現

上記以外でもさまざまな角度からお客様のストレージにおける管理負荷軽減・コスト削減・性能最適化・バックアップ効率化・消費電力の削減などをサポートします。

更新日:2017年5月31日
掲載日:2014年9月11日

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