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RAIDの高速リビルドとは

ディスクストレージシステムにおいて装置の信頼性や処理能力の向上を図るために、いまやRAID技術は欠かせません。しかし、近年、1台のハードディスクに格納可能なデータ量が急増する一方で、ディスク性能の向上は限定的であることから、ディスク故障時にRAIDにおけるリビルド状態の長期化が課題となっています。リビルド時間の短縮を図る解決策として注目を集めているのがRAIDの高速リビルドです。その適用においてはリビルドの速度とともにディスク容量効率が重要なポイントとなります。

データ量急増によりディスク故障時のリビルド状態が長期化

企業の重要なデータを守るディスクストレージシステム(Disk Array)は、ハードディスクを複数搭載しており、装置の信頼性や処理能力の向上を図るためにRAID(Redundant Arrays of Independent Disks)技術を採用しています。RAIDは、データを複数のハードディスク(磁気ディスク装置)に分散することで冗長性を向上させる技術であり、磁気ディスクへのデータの割り振り方やデータの冗長化の方法によって様々なRAIDレベルに分類定義されています。

近年、1台のハードディスクに格納可能なデータ量が急激に増大する一方で、ディスク性能向上が限定的であるため、ディスク故障発生時におけるリスクの拡大が課題となっています。ディスク故障が発生した場合、10年前では数十分から数時間でリビルド(データ復旧)が可能でしたが、現在ではリビルドに数時間から数日を要しているケースもあります。リビルド状態が続くことにより性能低下による業務への影響拡大や、保守作業の長期化に伴うメンテナンスコストの増大が生じます。こうした課題を解決するのがRAIDの高速リビルドです。

RAIDの高速リビルドは大きく2つのタイプ

ディスク故障発生時、従来のRAID構成ではRead(冗長データの読み出し)や、Write(ディスク故障時におけるホットスペア用ディスクへの復旧データの書き出し)を行う際、RAID構成ディスク数にかかわらず1つのディスクのスループット性能がボトルネックとなり、リビルドの長時間化が問題となっていました。

現在、RAIDの高速リビルドを実現する代表的なソリューションとして、RAID1でのミラーリングにより冗長化を図るものと、RAID6の利点を活かし2種のパリティを異なるディスクに配置するダブルパリティで冗長化を図るものと2つの方法があります。RAID1は2台のディスクに同時に書き込み、1つのディスクが故障してももう1つのディスクでデータを保護できます。一方、RAID6は2台のディスク故障時にもデータ損失を防ぐことが可能です。

リビルド時間の短縮とデータ容量の効率化を両立する富士通のFast Recovery

データの増大に伴い、ストレージのディスク容量効率の向上が求められる中、ミラーリングベースの高速リカバリはディスク容量効率が50%以下になってしまうという課題を抱えています。

一方、ダブルパリティを活用した高速リビルドは、リビルド時間の短縮とデータ容量の効率化の両立を可能にします。問題はリビルドの速度とデータ容量効率のどちらを優先するかが企業やシステムの重要度によって異なるという点です。これに応えるのが富士通のFast Recoveryです。
Fast Recoveryは、冗長データセットとホットスペアをRAID構成ディスクに分散配置し、ディスク故障時、分散した冗長データセットごとにリビルドを多重動作することで1ディスクの性能に依存せずにリビルド時間の短縮を図ります。これによりリビルド性能を従来比1.8倍以上に向上(当社比)でき、リビルド時間を50%から90%短縮が可能です。

RAID6ベースのFast Recoveryにおいてリビルド速度は冗長データセットの倍率に依存するため、冗長データセット数が多いほどリビルド速度は向上します。また、ディスク容量効率を55%から84%までを確保したRAID構成の中から高速リビルドタイプを選択できます。

リビルド概念図(RAID6とFast Recovery RAIDの場合)

まとめ

社会やビジネスの様々なシーンでICTの果たす役割が広がる中、ディスク故障時のリビルド時間の短縮は業務継続性の観点からますます重要となっています。しかしデータ量が増え続ける現在、データ容量効率の向上も不可欠です。リビルド時間の短縮とディスク容量の効率化の両立を図る富士通のFast Recoveryは、バックアップ用途での利用が多いニアラインストレージなどで期待が高まっています。

Fast RecoveryはETERNUS DX S3 series以降でサポート。今後も仮想化技術を活用し拡張性の向上を図るなどお客様のニーズに応えていきます。

掲載日:2014年9月29日

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