
掲載日: 2005年1月31日
ディザスタリカバリーとは、ディザスタ(disaster)とリカバリー(recovery)を組み合わせた言葉で、ディザスタ(disaster)は、天災・災厄・災害を、リカバリー(recovery)は、復旧・修復を意味しています。つまり、ディザスタリカバリーとは、災害などによって生じたシステム障害を復旧させるという意味で使われています。
各企業が独自に保有している情報は、一度失われたら代替不可能であるという点でその他の資産(ハードウェア・ソフトウェアなど) と質的に異なります。データが失われればビジネスの継続性が妨げられるばかりか、企業の信頼も失墜しかねません。企業活動を守り、維持していくには万全のディザスタリカバリーが欠かせないのです。
企業における地震、火災、水害、テロ等での情報システムの停止による損失を最小限にするために、遠隔バックアップサイト構築などの運用ニーズが近年高まってきています。しかし、実際には遠隔地間の転送遅延により、十分な性能を確保する事が難しい上に、実用上必須となる運用管理、監視においても遠隔地間で連携した運用が必要になるため、システムの構築にはコストがかかる上に多くの困難が伴いました。
富士通ではこうした問題点をクリアするために、ETERNUS3000、ETERNUS6000ディスクアレイがサポートする遠隔装置間コピー機能「エクステンデッド・リモート・アドバンスト・コピー」 と連携し、IPネットワーク、WDMを利用したディザスタリカバリー・ソリューションを提供していました。今回、そのディザスタリカバリーのもうひとつの選択肢として、SONET[注1]ネットワークを利用した高信頼なディザスタリカバリー・ソリューションをご紹介します。
[注1] SONET: Synchronous Optical Network:光同期通信網
光ファイバー伝送路に効率よく収容し、経済的なデジタル・ネットワークを形成できるようにするため、ANSI(米国規格協会)が標準化したインターフェースの規格。
この度、富士通とKDDI株式会社(以下、KDDI)は共同でディザスタリカバリーシステムの実証実験に成功しました。KDDIのSONETネットワークにFC over SONET技術[注2] を使用した広域SAN環境を構築し、富士通のETERNUSストレージシステム、ミドルウェア群とデータベース(Oracle 10g)を使用した実環境と同等の環境を構築し、ディザスタリカバリーシステムの実証実験を行いました。その結果、両社のストレージシステム、ミドルウェアおよびネットワークの組合せにより、運用管理、監視を含め実用に耐えうる高信頼かつ高性能なディザスタリカバリーシステムが構築できることが確認されました。
[注2] FC over SONET:
SONETにFCフレームを直接マッピングして広域SANを実現する技術。(技術解説:FC over SONETを使用したエクステンデッド・リモート・アドバンスト・コピー)
今回の実験においては、KDDI社のSONETネットワークを東京-大阪間で使用し、ETERNUSディスクアレイがサポートするエクステンデッド・リモート・アドバンスト・コピー機能によって、遠隔筐体間でデータベース(Oracle 10g)のミラーリングによるディザスタリカバリーシステムの検証を行いました。
同期・非同期モード[注3]のエクステンデッド・リモート・アドバンスト・コピーを使用し、同期モードでは被災時にデータロストが発生しないことを確認し、非同期モードではミラーリング運用時でもわずしか性能が低下しない上に、転送遅延が大きくなってもほとんど劣化しないことを確認しました。
また、クラスタリングソフトウェアのPRIMECLUSTERを利用して遠隔地サーバ間で運用・待機型の広域クラスタシステムを構築することで、フェイルオーバー処理も数分程度で完了する事を確認しました。

[注3] |
同期モード: コピー元の更新を即座にコピー先へ反映する。 |
また、富士通では、そのほかにも遠隔地での災害対策ソリューションを提供しておりますので、「ソリューション:災害対策」のページもご覧下さい。