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Fujitsu

Japan

電力会社および通信会社エリアの異なる2つのデータセンターの連携で、広域災害への対応を実現。顧客企業の事業継続のためのより付加価値の高いサービス提供を開始

株式会社BSNアイネット様  北陸コンピュータ・サービス株式会社様 導入事例


株式会社BSNアイネット様?北陸コンピュータ・サービス株式会社様 連携イメージ

VMware vCenter Site Recovery Manager と富士通 ETERNUS NR1000F seriesでリカバリーを自動化、復旧時間を短縮。

2012年7月13日掲載

導入事例 株式会社BSNアイネット様 北陸コンピュータ・サービス株式会社様 (805 KB)


【導入事例概要】
国名 日本
業種 ITサービス業
ハードウェア ストレージ:ETERNUS NR1000 F2240(NAS 製品)
ソフトウェア 仮想化ソフト:VMware vSphere
仮想化管理ソフト:VMware vCenter Site Recovery Manager

新潟市に本社を置くBSNアイネットと富山市に本社を置く北陸コンピュータ・サービスはそれぞれのデータセンターにETERNUS NR1000F seriesとVMware vSphereを軸に構築されたクラウド基盤の接続・利用による災害対策サービスを開始しました。このサービスでは、一方のセンターが災害等でサービスの提供が困難な場合においても、VMware vCenter SiteRecovery Managerでリカバリーを自動化、短時間でサービスを復旧させることができます。

導入前の課題   導入による効果
  • 異なるITサービス会社の連携による広域災害に備えた災害対策サービスの実現
  • ITサービス会社2社のクラウド連携による災害対策サービスの提供
  • 人手を介さない、自動化された迅速なリカバリー
  • 自動化されたシステムリカバリーによる復旧時間の短縮と、本番環境に影響を与えない復旧テストの実現
  • 低コストで、正確な高速のデータミラーリング
  • 重複排除による低コスト且つ高速のデータミラーリングの実現

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導入の背景

電力管轄が異なる2つのITサービス会社が相互連携した災害対策サービスを計画

廣井智雄氏 近影
株式会社BSNアイネット
事業推進部 マネジャー
廣井 智雄氏

BSNアイネットは1966年設立の新潟市に本社を置くITサービス企業です。新潟県におけるIT分野のリーディング企業として、公共、保健福祉、医療、民間企業、教育の各分野向けにITサービスを提供しています。同社は2002年に第1データセンターを設立、その後、2009年には第2データセンターを設立。その際、VMware vSphereをベースに仮想化基盤を構築、「iNET IMAGE BANK」として、バックアップサービスや仮想サーバホスティングを始めました。
そして、これらをクラウド基盤として、現在、IaaS、PaaS、SaaS、DaaSなどのサービスを提供しています。

一方、北陸コンピュータ・サービス(HCS)は1967年設立の富山市に本社を置くITサービス企業です。富山、石川、福井の北陸3県を事業エリアとして、地元密着型で、流通、建設、運輸、金融、医療介護、自治体などの分野に、コンサルティングから、設計、構築、アウトソーシングに至るトータルなITサービスを提供しています。同社は富山県と石川県の2カ所にデータセンターを設置して、仮想化基盤も利用したサービスを提供。60kmほどの距離がある両センター間を専用線で結んで、バックアップを行っています。

今回、両社はお互いのセンター内のクラウド基盤を接続・利用することで、一方のセンターが大規模災害等でサービスの提供が困難な場合においても、もう片方のデータセンターを利用して、短期間でサービスの復旧ができる災害対策(DR)サービスを開始しました。両社がサービスに取り組もうとしたのは、2011年3月11日の東日本大震災を受けて、顧客企業から津波や広域災害に対する備えを望む声があったことが背景にあります。それを受けて、両社の経営トップが合意、異なるITサービス企業を結んだ災害対策サービスを構築することにしました。
BSNアイネット 事業推進部 マネジャー 廣井 智雄氏は「両社のデータセンターは約200km離れているだけでなく、電力は北陸電力と東北電力、通信網がNTT西日本とNTT東日本とそれぞれ分かれています。広域災害が起きた時に、データセンターは無事でも、電力供給やネットワークが途絶えてしまえば、サービスを継続することができません。そこで、異なる電力会社や通信会社のエリアにあるクラウド基盤を連携することで、広域災害への対応が可能になり、顧客企業の事業継続のためのより付加価値の高いサービスを提供できます」と語ります。

導入のポイント

vCenter Site Recovery Manger (SRM) でリカバリーを自動化、vSphere, SRMと親和性の高いETERNUS NR1000F seriesを導入

坂田源彦氏 近影
株式会社BSNアイネット
先進サービス開発部 シニアチーフ
坂田 源彦氏

BSNアイネットと北陸コンピュータ・サービスは、共にVMware vSphereを軸にした仮想化基盤を構築し、VMware vSphere Distributed Resource Scheduler、Storage vMotion等の機能を活用し、質の高いクラウドサービスを提供しています。今回の災害対策サービスシステム構築においても、すでに多くの運用の実績とノウハウを所有しているvSphereの最新版の導入を決定しました。

サービスの導入を検討するにあたり、大きな課題になったのが、システム復旧の問題でした。従来、災害発生時のデータセンターの切り替えとシステムのリカバリーは、人手を介さなければならないプロセスが多くあり、手間がかかり、とても複雑になります。BSNアイネット先進サービス開発部シニアチーフ坂田源彦氏は「両社ともvSphereによる仮想化基盤があり、その運用は慣れているわけですから、vSphereによる仮想環境を構築し、そこにデータを転送して、自動的にリカバリーすれば、手間をかけずに済みます。そこで、リカバリープロセスを自動化するためのツールとして、VMwareのディザスタリカバリー製品『VMware vCenter Site Recovery Manager』を採用することにしました。
その上で、ストレージの選定に入り、できる限り速やかにサービスを始めるため、VMware製品による仮想環境と親和性が高く、柔軟な拡張が可能で、多くの導入実績がある富士通のNAS製品『ETERNUS NR1000 F2240』を導入することにしました。サーバは、既設のクラウドサービス基盤で実績あるPRIMERGYを採用しています。「NR1000F seriesは価格がリーズナブルであり、データの圧縮機能や重複排除機能で、転送データを最小限に抑えることができること、SnapMirror機能で両社のデータセンターに設置されたNR1000F series同士で、ネットワーク負荷を抑えながら、確実にデータのレプリケーションできることから選びました。そして、実際の導入にあたっては、ハンズオンへの参加なども含めて富士通の全面的なバックアップを受けました」(坂田氏)。

システム概要

両サイトとも同一構成で運用も統一、復旧プロセスの自動化により、人的ミスの排除と、復旧時間を短縮、テスト負荷も大幅に削減

古島正氏 近影
北陸コンピュータ・サービス株式会社 情報サービス本部
情報サービスセンター
上席マネージャー
古島 正氏

2012年3月、構築作業を終え、災害対策サービスが稼働を開始しました。本サービスは両社の新クラウド環境として構築し、より高い事業継続性を求められるお客様向けに提供されます。北陸コンピュータ・サービス情報サービス本部情報サービスセンター上席マネージャー古島正氏は「システムは左右対称で、それぞれのデータセンターにETERNUS NR1000 F2240が置かれ、データはSnap Mirrorで重複が排除されて、双方にミラーリングされます。データセンター間のネットワークは高速化され、膨大なミラーリングデータも効率よく、転送されます。そして、全体はVMware vSphere5上で仮想化され、SRM5を使って、センター間での復旧テスト、計画的移行、災害時のリカバリーが行えるようになっています」と説明します。

サービス概要図

鳥居武史氏 近影
北陸コンピュータ・サービス株式会社 情報サービス本部
情報サービスセンター
鳥居 武史氏

また運用にあたっては、両社の技術者がそれぞれのクラウド環境で動作している仮想マシンについて理解し、緊急時のリカバリーや顧客企業への連絡などもスムーズに行うことができるように、ドキュメントは統一され、パッチ適用なども連動して行っています。北陸コンピュータ・サービス情報サービス本部情報サービスセンター鳥居武史氏は「SRMは一度設定してしまえば操作は簡単で、とても扱いやすいです。リカバリー実行の判断は人がしますが、リカバリープロセスは人手に頼ることなく行われるので、人的ミスもありませんし、切り替え作業もスピーディーで、システム復旧までの時間を短くすることができます」と語ります。さらに、SRMはNR1000F seriesのバックアップにインパクトを与えることなく復旧テストができることも大きなメリットです。今までは、本番環境に影響を与える可能性があるため、顧客も含めた綿密な調整のうえテストを実施していましたが、SRMでは気軽に定期的なテストを行うことができるので、その点でも顧客に安心感を与え、さらに信頼度を高めることにも繋がっています。

今後の展望

RPO短縮や2拠点以上のデータセンター連携で、サービスを進化させる

細川雅弘氏 近影
北陸コンピュータ・サービス株式会社 情報サービス本部
情報サービス営業部
上席マネージャー
細川 雅弘氏

稼働を開始した災害対策サービスによって、利用企業は広域災害に備えた、より高度なBCP対策を実施することができるようになりました。

北陸コンピュータ・サービス情報サービス本部情報サービス営業部上席マネージャー細川雅弘氏は「自社でDRサイトを構築すると、大変なコストと時間がかかりますが、この災害対策サービスを使えば、コストも安く、確実かつ安全にDRサイトを実現することができます。富山県は日本で一番地震の発生回数が少ないという気象庁の統計データがあり、それを理由に、私たちのデータセンターにデータを預け、SaaSの形でサービスを提供している顧客もいます。しかし、東日本大震災の経験から、『絶対、安全』ということがいえなくなる中で、そうした顧客に安心して利用し続けてもらうためにも、より多くの企業がBCP対策に取り組むためにも、大きな意味を持つサービスだと考えています」と語ります。

今回の災害対策サービスレベルは、異なるITサービス企業のクラウド連携によるものとしては全国初の試みで、大きな反響を呼び、ユーザ企業に留まらず、他地方のデータセンター事業者やSIer、ベンダーなどからも問い合わせが相次いでいます。 BSNアイネットと北陸コンピュータ・サービスは今後、現在半日に1回のデータレプリケーションの間隔をさらに短くし、RPO(復旧時点目標)を短縮していくことを計画しています。さらに、2拠点以上のデータセンターを結んで、顧客企業がデータセンターのロケーションを意識せずに、利用できるようにすることを目指して、災害対策サービスを進化させていく考えです。

集合写真

【株式会社BSNアイネット様 概要】
所在地 新潟県新潟市中央区米山2-5-1
設立 1966年4月
資本金 2億円
従業員 552名(2011年7月31日現在)
事業内容 コンサルティング、システムインテグレーション、パッケージインテグレーション、アウトソーシングサービス、ネットワークソリューション、セキュリティマネジメントの提供。データセンターの運用。
URL http://www.bsnnet.co.jp/Open a new window
【北陸コンピュータ・サービス株式会社様 概要】
所在地 富山市婦中町島本郷47-4富山イノベーションパーク
設立 1967年10月
資本金 2億4000万円
従業員 556名(2011年6月1日現在)
事業内容 コンサルティング、サポート、アウトソーシングサービスの提供。ネットワーク設計・構築、ソフトウエア開発、ハードウエア/ソフトウエア販売。データセンターの運用。
URL http://www.hcs.co.jp/Open a new window

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