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Fujitsu

Japan

仮想デスクトップ環境でログイン時間を大幅に短縮し学生サービスを向上 vGPUやキャンパスクラウドの導入など教育研究システムは進化し続ける

学校法人東京電機大学様 導入事例


2015年4月、東京電機大学は教育用仮想デスクトップ環境のパフォーマンス向上を目的に、共有ストレージに仮想化環境専用ストレージ「ETERNUS TR series」を導入。フラッシュヒット率99%以上、自動QoSにより3D CADアプリケーションなども常に安定したパフォーマンスを実現。仮想マシン単位での状況の可視化によりデータに基づく評価やレポートも可能に。またリソースの最適化を図るキャンパスクラウドも導入し、2015年後期からvGPUの本格運用もスタート。快適な操作性と利用シーンの拡大により学生の能動的学習を支えていきます。

[ 2015年9月14日掲載 ]

導入事例 学校法人東京電機大学様 (848 KB)(A4・2ページ)


【導入事例概要】
国名 日本
業種 文教
ハードウェア FUJITSU Storage ETERNUS TR series 仮想化環境専用ストレージ
Brocade VDX コンバージドスイッチ
ソフトウェア 大学向けクラウドソリューション UnifIDone キャンパスクラウド 仮想化ソフトVMware Horizon 6(vGPU環境含む)

「従来システムの機能及び性能を踏襲しつつ、仮想デスクトップの性能改善を図るために評価環境を構築し、従来システムの計測データを基に比較検証を実施しました。ストレージの性能評価項目は一斉起動、一斉ログイン、一斉リフレッシュ(修復)などです。また授業で使う3D CAD、ゲームプログラミング、動画など負荷の高いアプリケーションは実際のサンプルデータを基に性能評価を行いました」

【課題と効果】
導入前の課題 導入による効果
  • 3D CADアプリケーションを利用できる教育用仮想デスクトップ環境のパフォーマンスを向上したい
  • 「ETERNUS TR series」を導入しフラッシュヒット率99%以上のパフォーマンスでI/O性能を強化。VMwareでのvGPU活用で仮想デスクトップのグラフィック性能を高速化、合わせてコンバージドスイッチ Brocade VDXにより10Gbps化を実現。起動時間の大幅短縮、パフォーマンスの向上を図る
  • 仮想デスクトップを活用した教育研究システムの稼働データに基づき評価し次のステップにつなげたい
  • 「ETERNUS TR series」により仮想マシン単位でパフォーマンスの可視化を行い、データに基づいた評価や数値に裏付けられた成果の報告が可能に
  • 教育用仮想デスクトップ環境においてリソースの最適化を図りたい
  • UnifIDone キャンパスクラウドの導入により使用していないリソースを必要なところに配分させ利用シーンの拡大を図る

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導入の背景

教育用仮想デスクトップ環境のパフォーマンス向上が課題

資源の少ない日本が大きく成長する推進力となってきたものづくり。1907(明治40)年の創立以来、東京電機大学は日本の近代化を支え、科学技術立国を担う人材を育成し社会の発展に貢献してきました。同大学の卒業生は20万人を超え、産業界をはじめ幅広い分野で活躍しています。現在、未来科学部、工学部、工学第二部、理工学部、情報環境学部の5学部、大学院を有し、東京千住キャンパスを中核に埼玉鳩山キャンパス、千葉ニュータウンキャンパスの3つのキャンパスで約10,000人の学生が学んでいます。理工系私立大学のトップランナーを目指し挑戦を続ける同大学の根底に流れているのは、建学の精神「実学尊重」と教育理念「技術は人なり」です。

同大学の実学尊重教育を支えているのが教育研究システムです。2012年4月、創立100周年記念事業の東京千住キャンパスの誕生に合わせ、富士通データセンターにプライベートクラウドを構築し仮想デスクトップ環境を活用した教育研究システムがスタートしました。

学校法人東京電機大学 高橋陽子氏の写真
高橋 陽子氏
学校法人東京電機大学
総合メディアセンター
企画・推進担当/運用(千住)担当
インスティテューショナル リサーチ センター
課長

「学生はパソコン教室以外でも、いつでもどこでも自身のパソコンを使って教育研究システムにアクセスして学習できます。本稼働後、安定稼働を続けていますが、本学は3D CADなど負荷の高いアプリケーションを使う授業が多いことから、物理パソコンと比べ、仮想デスクトップはパフォーマンス面で課題がありました。ストレスを感じない操作性を求める声が先生や学生から寄せられていました」と、総合メディアセンター/インスティテューショナル リサーチ センター 課長 高橋陽子氏は話します。

導入のポイント

I/O性能を強化するために仮想化環境専用ストレージ「ETERNUS TR series」を導入

学校法人東京電機大学 木村勉氏の写真
木村 勉 氏
学校法人東京電機大学
総合メディアセンター
運用(鳩山)担当
主事

同大学では学生が4年間の在学中に最新のシステムを利用できるように教育研究システムの更新を3年サイクルとしています。2015年4月のリニューアルにおける改善点について「現在、物理端末800台、学生が自身の端末で利用できるリモート端末が200台の合計1,000台で仮想デスクトップサービスを利用しています。運用していく中で富士通とは逐次話し合っており、仮想デスクトップ環境のパフォーマンス向上のためにストレージのI/O性能がボトルネックになっているという認識を共有していました。またシステム導入に際してICTの最新技術を必ず取り入れるということが総合メディアセンターの事業戦略の柱の一つとなっています」と総合メディアセンター 主事 木村勉氏は話します。

ストレージのI/O性能を強化するべく富士通は共有ストレージに仮想化環境専用ストレージ「ETERNUS TR series」を提案。「ETERNUS TR series」はSSDとHDDのハイブリッド構成でコストを抑制しながら、フラッシュヒット率99%以上を実現しておりI/O 負荷の高いアプリケーションの起動時間の短縮やレスポンスの向上を図ります。

2014年3月、同大学は富士通のサポートのもとテスト環境を構築し通常の運用形態に沿った性能評価を実施。「各キャンパスにおける50%の台数となる200台での一斉同時ログインでは、個々のPCログイン完了時間のバラツキが少なく、最後のPCログイン完了までの時間が従来システムより40秒ほど短縮できました。また授業で使う3D CAD系アプリケーションの一斉起動時間や、個々のPCの電源ONからログイン完了までの時間も短縮されるなど、従来システムの性能を凌駕しています」(木村氏)。

同大学は「ETERNUS TR series」により仮想マシン単位でホスト、ネットワーク、ストレージレベルのパフォーマンスを可視化できることも高く評価しました。「仮想デスクトップを活用した教育研究システムを評価し次のステップに進むために、また数値に裏付けられた成果報告のためにも仮想マシン単位での可視化はとても重要です」(高橋氏)。

システムの特徴

ネットワークの仮想化、vGPUの導入、キャンパスクラウドなど先進技術を活用

今回、ストレージに加え、ネットワークの強化も図っています。「データセンターを活用しVMware View5の画面転送プロトコルであるPCoIPを通じてアプリケーションを利用しているため、ネットワークのパフォーマンス改善も重要なポイントとなりました」と、総合メディアセンター 小山仁氏は話します。

新システムでは複数スイッチを仮想的な1台の論理スイッチとして利用できるBrocade VDXを採用。10Gbps化を図り帯域を確保するとともに、設定パラメータを意識せずとも簡単にネットワークの冗長化が実現でき、ストレージ・トラフィックとも相性のよいイーサネット・ファブリック構成により、運用管理がしやすいシンプルなネットワーク環境を実現しています。

また仮想デスクトップの処理能力を強化するために仮想GPU(Graphics Processing Unit)を実現するvGPUを導入。「vGPUによりグラフィックス処理において仮想デスクトップからもGPUを利用し演算が可能となります。これまで処理能力がネックとなり仮想デスクトップ環境で使うことを断念していた、より負荷の高いアプリケーションも利用できます。ゲーム開発などで互換性が広がるメリットも大きいですね。vGPUの本格運用は2015年の後期からスタートします」(小山氏)。

学校法人東京電機大学 小山仁氏の写真
小山 仁 氏
学校法人東京電機大学
総合メディアセンター
運用(千住)担当

さらに富士通の大学向けクラウドソリューションUnifIDoneキャンパスクラウドの導入により、リソースを最適化し使っていないリソースを必要なところに配分することで利用シーンの拡大が図れます。

新教育研究システム(仮想デスクトップ)構成図

導入の効果と将来の展望

ログイン時間短縮で使いやすさが向上、キャンパスクラウドにより仮想教室も計画

仮想化の最新技術を活用しパワーアップした新教育研究システムは2015年4月に本稼働後、安定稼働を続けています。同大学の総合メディアセンターが教育研究システムでこだわってきたログイン時間も大幅な短縮を実現しています。「負荷の高いアプリケーションをたくさんのせているため物理環境の時代はログイン時間に4分を要しました。仮想デスクトップ環境の導入で2分弱となり、新システムでは運用の工夫とパフォーマンスの向上により1分10秒まで短縮できました」(木村氏)。

また「ETERNUS TR series」の導入により仮想マシンの稼働状況に合わせて性能割当を最適化する自動QoS(Quality of Service)で複雑なチューニングをすることなく、ピーク時にも常に安定したパフォーマンスを実現。さらにイメージ展開時間が従来と比べて28時間も短縮できるため、メンテナンスの迅速化を実現し学生サービスの向上が図れます。

今後の展望について「ノートパソコンやタブレットを所持する学生が多くなる中、パソコン教室のあり方が問われています。本学では、キャンパスクラウドを活用し夏休みに学生が所持するノートパソコンを使って仮想教室の実験運用を行う予定です。今回、操作性の向上や利用シーンの拡大など学生の能動的学習を支える教育研究システムを強化できました。今後も富士通にはサポートはもとより最新技術を使った先進的な提案を期待しています」と高橋氏は話します。

100年以上にわたり技術で社会に貢献できる人材育成に努めてきた東京電機大学。次の100年に向けた同大学の挑戦を富士通は先進技術と総合力で支援していきます。

集合写真

左より

富士通株式会社 新貝 裕則

学校法人東京電機大学 高橋 陽子 氏、小山 仁 氏、木村 勉 氏

富士通株式会社 越智 孝宏

ティントリジャパン合同会社 羽鳥 正明 氏

【学校法人東京電機大学様 概要】
創立 1907(明治40)年9月11日
理事長 加藤 康太郎
学生数 10,118人(2014年5月1日現在)
教職員数 614名(2014年5月1日現在)
概要 未来科学部、工学部、工学第二部、理工学部、情報環境学部の5学部、大学院(5研究科)
キャンパス 東京千住キャンパス、埼玉鳩山キャンパス、千葉ニュータウンキャンパス、東京小金井キャンパス(中学校、高等学校)
ホームページ 学校法人東京電機大学様ロゴ
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本事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞等は掲載日現在のものであり、このページの閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。なお、社名敬称は省略させていただいております。

製品情報

ETERNUS TR820 製品図

FUJITSU Storage ETERNUS TR series 仮想化環境専用ストレージ
大規模なサーバ仮想化環境や仮想デスクトップ環境で安定した高い処理性能とシンプルな運用を実現