富士通

 

インターフェースまとめ

ストレージインターフェースのまとめとして、以下それぞれの変遷と概要を解説します。

(注)本コンテンツ内で説明している性能数値は規格上のものであり、必ずしも富士通製品が提供するものではありません。

インターフェースとは

ストレージのインターフェース

インターフェース(interface)とは、異なるものの境界面を表す言葉で、これがITの世界では機械や人の中間にあって、データのやり取りをするものあるいはそのための規約となっています。

「ハードウェアインターフェース」「ソフトウェアインターフェース」「ユーザーインターフェース」の3つに大別できます。ストレージの場合は「ハードウェアインターフェース」であり、コンピュータ本体とストレージを接続して通信する際の規約で、コネクターの形状や電気信号の形式などを定めているものです。

内蔵/外付けインターフェースとネットワークに特化したインターフェース

ストレージには、内蔵インターフェースと外付けインターフェースがあります。内蔵インターフェースとは、HDD内部のデータ転送に使われており、SCSI、SAS、IDE、ATA、SATAなどがあります。このインターフェースで直接コンピュータに接続することもありますし、外付けインターフェースとして標準的なUSBやIEEE 1394を介して接続することもあります。SCSIであれば、そのままコンピュータに接続できますし、SATAの場合はいったんUSBに変換して接続します。あるいは、eSATAというSATAの外付け用にしたインターフェースで接続することもあります。

また、外付けのインターフェースの中には、ネットワークに特化したインターフェースFC、iSCSIなどがあります。

種類 最大転送速度 特長 用途
内蔵/外付インターフェース SCSI 320Mbps(Ultra320SCSI) ストレージの代表的なインターフェース サーバが中心。信頼性が求められるシステムに適している。需要は次に説明するSASに移りつつある。
SAS 6Gbit/s 内蔵と外付けいずれにも対応する、高速転送が可能な高信頼性のインターフェース サーバが中心。高速転送・高信頼性が求められるシステムに適している。
IDE, ATA 1064Mbps(ATA) 対応ディスクが低価格であることが、最大のメリットのインターフェース パソコンが中心。エントリーサーバや低価格なアーカイブ用ストレージにも利用されている。需要は次に説明するSATAに移っている。
SATA 3Gbit/s 低価格ながら高速転送を実現した内蔵用インターフェース パソコンが中心。エントリーサーバや低価格なアーカイブ用ストレージに利用されている。
eSATA 2.4Gbit/s 外付けを可能とした高速・低価格なインターフェース パソコンで利用されるようになってきたニューフェイス。サーバでは低価格な外付けストレージやアーカイブ用ストレージに適している。
ネットワークに特化したインターフェース FC(Fibre Channel) 8Gbit/s ネットワークでの使用を前提に、光ファイバーによる高速転送を実現するインターフェース 大規模SAN。エンタープライズシステムやデータセンター向けに適している。
iSCSI 使用するネットワーク次第 IPネットワークを利用して低コストなSAN(IP-SAN)を実現するインターフェース 中・小規模SAN(ストレージの集約)。SCSIのケーブル延長用に適している。
FCoE 使用するネットワーク次第 FC-SAN環境とLAN環境を統合し、低コストでシンプルなネットワークを実現するインターフェース データセンターなど大規模統合ネットワーク向け。
NAS 使用するネットワーク次第 PCデータのバックアップの集約にも適している、ファイルサーバに特化した専用装置 ファイルサーバ向け。PCデータのバックアップの集約にも適している。

内蔵/外付けインターフェース

SCSI - ストレージの代表的なインターフェース

  • 用途:サーバが中心。信頼性が求められるシステムに適している。需要は次に説明するSASに移りつつある。
  • 最大転送速度:320Mbps(Urtra 320 SCSI)

Small Computer System Interfaceの略で、長年にわたりストレージの接続規格として利用されてきました。内蔵/外付けいずれにも対応し、高信頼性が特長のインターフェースです。

1986年にANSI(アメリカ規格協会)によってSCSI-1が承認され、その後の何回かの機能拡張により、現在のSCSI-3(Urtra 320 SCSI)に至っています。接続には、8本あるいは16本の銅線を並行に束ねたパラレルのSCSIケーブルを使用します。

SAS - SCSIをシリアルにして高速化

  • 用途:サーバが中心。高速転送・高信頼性が求められるシステムに適している。
  • 最大転送速度:6Gbit/s

内蔵と外付けいずれにも対応する、高速転送が可能な高信頼性のインターフェースです。

SCSIは、8本あるいは16本の銅線を並行に束ねて転送するパラレル転送のため、高速に転送しようとすると、電気信号が影響し合ったり、到着時間にばらつきが出るなどの課題がありました。そこで、パラレルの反対、つまり「シリアル」転送にすることで解決したSCSI、すなわち「Serial Attached SCSI」、略して「SAS」が誕生しました。現在、SCSIの最大転送速度が320Mbps(Urtra 320 SCSI)に対して、SASは最大6Gbit/sの転送が可能です。

IDEとATA - 低価格なパソコン用インターフェース

  • 用途:パソコンが中心。エントリーサーバや低価格なアーカイブ用ストレージにも利用されている。需要は次に説明するSATAに移っている。
  • 最大転送速度:1064Mbps(ATA)

対応ディスクが低価格であることが、最大のメリットのインターフェースです。

先だって登場したSCSIは高速で外付けにも対応する高品質のインターフェースでしたが、高価というデメリットがありました。これを解消したのがIDEです。IDEはSCSIと比較すると転送速度は劣り、内蔵インターフェースのため外付けできないなどの制約はあったものの、対応ディスクは低価格。これが受け、IDEインターフェース対応のディスクは各種製品化されていきます。

そこで、IDE規格の標準化を進め、ANSI(アメリカ規格協会)において正式にATA(Advanced Technology Attachment)インターフェース規格として制定。これが、1994年のことで、以降、パソコンの内蔵ハードディスクでは、ATAインターフェース対応ディスクが主流となっていきます。SCSI同様に、転送方式はパラレルです。

SATA - ATAをシリアルにして高速化

  • 用途:パソコンが中心。エントリーサーバや低価格なアーカイブ用ストレージに利用されている。
  • 最大転送速度:3Gbit/s

低価格ながら高速転送を実現した内蔵用インターフェースです。

ATAは、8本あるいは16本の銅線を並行に束ねて転送するパラレル転送のため、高速に転送しようとすると、電気信号が影響し合ったり、到着時間にばらつきが出るなどの課題がありました。これはSCSIと同じです。そこで考えられたのがパラレルの反対、「シリアル」転送のATA、すなわち「Serial Advanced Technology Attachment」です。

シリアル化の最大のメリットは高速転送にあります。現在、SATAは最大転送速度 3Gbit/sに対応しています(ATAは1064Mbps)。さらに、ケーブルが細く、扱いやすく、長さも最大1mに伸びました(ATAは最大45.7cm)。

eSATA - SATAの外付けインターフェース

  • 用途:パソコンで利用されるようになってきたニューフェイス。サーバでは低価格な外付けストレージやアーカイブ用ストレージに適している。
  • 最大転送速度:2.4Gbit/s

外付けを可能とした高速・低価格なインターフェースです。

ATAが当初から内蔵用ディスク専用のインターフェースだったため、外付けでは長くSCSIあるいはUSBが使われていました。そこで、外付けにも低価格で高速なSATAディスクを使用できるよう、拡張されたのがeSATA(External Serial ATA)です。

転送速度は2.4Gbit/s、ケーブル長は2mまでとなっています。現在身近に使われているUSB2.0が480Mbpsに対し、eSATAは最大2.4Gbit/sの極めて高速な転送速度を実現しています。

まとめ - 高信頼性ならSAS、価格重視ならSATA(eSATA)

ストレージのインターフェースはSCSIからSASへ、そしてATAからSATAへというように、パラレルからシリアルへという大きく進化してきました。SCSIは高信頼性、ATAは低価格というメリットはそのままに、共に高速転送を実現しています。現在DAS(サーバとストレージが直結しているシステム)においては、頻繁にアクセスし高い信頼性が求めるならSAS、SASほどアクセスが求められず価格を重視するのであればSATA(eSATA)を選択することになるでしょう。

ネットワークに特化したインターフェース

FC(Fibre Channel) - SANの代表的な高品質・高速インターフェース

  • 用途:大規模SAN。エンタープライズシステムやデータセンター向けに適している。
  • 最大転送速度:8Gbit/s

ネットワークでの使用を前提に、光ファイバーによる高速転送を実現するインターフェースです。

前述のSCSIインターフェースの伝送距離は、25m以内という制限があり、この制限を超えるために開発されたのがFibre Channel、略してFCです。接続には最大転送速度8Gbit/sの光ファイバーを使用し、最大伝送距離 100Km以上という、長距離・高速データ転送を実現します。

これにより、SAN(Storage Area Network)の構成が可能となり、それまで1:1だったサーバとストレージの関係を、n:1に(ストレージが1、あるいは1に近い数)が実現できるようになりました。

ストレージを1台(あるいは1台に近い数)にまとめることで、未使用分のストレージ容量を抑えることができ、コスト削減になります。管理する台数も減りますので、バックアップなどの運用も楽になります。

iSCSI - 低コストでSANを構築

  • 用途:中・小規模SAN(ストレージの集約)。SCSIのケーブル延長用に適している。
  • 最大転送速度:使用するネットワーク次第

IPネットワークを利用して低コストなSAN(IP-SAN)を実現するインターフェースです。

SAN(FC-SAN)は高速で大規模なネットワーク構築を可能にしましたが、高価というデメリットがありました。そこで、専用の機器やケーブルが不要にして、安価にSANを実現するのがiSCSIです。

前述のSCSIコマンドをTCP/IPパケットに包み込み、IPネットワークを経由して離れたストレージとコンピュータを接続します。幅広く利用されているIPネットワークを利用するため、ハブ、ルータ、スイッチ類は従来のものを用いることができ、低価格はもちろん、SAN構築の技術的なハードルも下げることができました。

FCoE - SANとLANをイーサネットで統合

  • 用途:データセンターなど大規模統合ネットワーク向け。
  • 最大転送速度:使用するネットワーク次第

FC-SAN環境とLAN環境を統合し、低コストでシンプルなネットワークを実現するインターフェースです。

FC-SANにより大規模なストレージ専用のネットワーク構築が可能になりましたが、社内にはLANも存在します。いくつもネットワークがあるようでは、システム構成が複雑になってしまっているいます。そこで考えられたのが、FC-SAN環境とLAN環境を統合するFCoE(Fibre Channel over Ethernet)です。FCoEには専用のインターフェースボードConverged Network Adapter(CNA)を使用し、この1枚(冗長化では2枚)で、LANとFC-SANを統合します。

インターフェースボードが削減されれば、ケーブル数も削減されます。消費電力や冷却の問題も解決されますし、ITコスト削減にも有効です。ネットワークがシンプルになれば、管理も効率化できますし、障害発生の危険性も減ります。多くのメリットを提供するものとして、現在策定が進められています。

NAS - ファイルサーバに特化した専用装置

  • 用途:ファイルサーバ向け。PCデータのバックアップの集約にも適している。
  • 最大転送速度:使用するネットワーク次第

インターフェースではありませんが、SANやiSCSIと同じようにストレージのネットワークを構成するものにNAS(Network Attached Storage)があります。NASは、ファイルサーバに特化した専用装置のことを示すようになっています。ネットワークを経由して個人のパソコンから自在にアクセスでき、情報共有に利用されています。

NASは既存IPネットワークを利用するので、安価です。ただし、既存ネットワークのため、転送速度はSANよりも落ち、高速転送が求められるアプリケーションには向きません。

まとめ - 規模に応じた技術の採用

現在規格が策定中のFCoEを除くと、ストレージのネットワークには大規模向けのFC-SANと小規模向け・低コストなiSCSIがあります。iSCSIも使用するルータ等の機器によっては十分な転送速度を実現しますので、選択の幅が広がってきているといえるでしょう。

また、情報共有が目的であればNASの採用も考えられます。目的と規模により、適材適所の選択が大切となります。

お問い合わせ


関連用語

関連情報

掲載日:2009年8月26日