このページの本文へ移動

ETERNUS NR1000C series FAQ
9. ICAP

本ページで紹介している情報は、2006年6月発表のものです。
本製品は、2006年12月に販売終息しました。ご了承ください。

Answer

  1. ICAPプロトコルについて教えてください。

    ICAP(Internet Content Adaptation Protocol)とは、URLフィルタリング、ウイルススキャン、言語翻訳、広告挿入などの、コンテンツ配信における付加価値サービスを提供する機能です。
    NR1000Cとサードパーティ製のICAPサーバが連携することにより、エンドユーザー側の変更なしにこれらのサービスを提供することが可能です。
    たとえば、トレンドマイクロ社のInterScan WebSecuritySuiteと連携することにより、ウイルススキャンサービスを、Websense社のWebsense Enterpriseと連携することにより、URLフィルタリングサービスを提供します。
    Vertex Link社のWebwasherは、ウイルススキャンサービス、URLフィルタリングサービスのどちらも提供可能です。

  2. ICAP制御機構(ライセンス)の入手方法について教えてください。

    ライセンスは、ICAPサーバ購入時に、購入元から無償で手に入ります。
    参考までに、InterScanの場合、InterScanのマニュアルにNetCache(NR1000C)のライセンスキーが記載されています。
    Websenseの場合は、Websenseのライセンス申請時にNetCache連携である旨を通知するとNetCacheのライセンスも一緒に送られてきます。

  3. NR1000Cで、ICAPのStatusを確認することができますか?

    できます。
    Appliance ManagerのDataタブ > ICAP1.0 > Statusを参照してください。
    StatusはACTIVEかINACTIVEを示します。

    各Statusについて説明します。
    ACTIVE:NR1000CとのConnectionがOpenの状態
    同一ファーム(ICAPサーバのサービス)内でICAPヘッダー:ISTagの内容に一貫性がある状態
    INACTIVE:NR1000CとのConnectionがCloseの状態
    同一ファーム(ICAPサーバのサービス)内でICAPヘッダー:ISTagの内容に一貫性がない状態

    ISTagには、例えばウイルススキャンサーバのパターンファイルの情報などが含まれます。

  4. ICAPサーバがダウンしていた場合、どのような動作をしますか?

    ICAPサーバのFarm毎に「Bypass on Failure」の設定ができます。
    「Bypass on Failure」がONの時はそのFarmをバイパスし、「Bypass on Failure」がOFFの時は、クライアントにHTTP 500 Server Errorを返します。

  5. ICAP連携時の性能について教えてください。

    目安として、ピーク性能より次の比率分ダウンした性能となります。

    フォワードキャッシュ(ACLなどを考慮) 15%
    フォワードキャッシュ+ICAP(ウイルススキャン) 20%
    フォワードキャッシュ+ICAP(URL フィルタリング) 20%
    フォワードキャッシュ+ICAP(URL フィルタリング)+ICAP(ウイルススキャン) 25%

  6. 複数の機能が異なるICAPサーバと連携することは可能ですか?
    例:アンチウイルスサーバおよびコンテンツフィルタリングサーバとICAP連携

    可能です。

    アンチウイルスICAPサーバのServiceFarm名とコンテンツフィルタリングICAP
    サーバのServiceFarm名は別名で設定します。
    HTTP ACL設定例:
    HTTP ACL:
    icap(Virus ServiceFarm) any
    icap(Content ServiceFarm)any

  7. 以下のICAP連携の構成は可能でしょうか?
    - ユーザーA(あるいはグループA)で認証が通過すると、アンチウイルスサーバのみと ICAP連携する
    - ユーザーB(あるいはグループB)で認証が通過するとアンチウイルスサーバおよびコンテンツフィルタサーバとICAP連携する
    - 認証に失敗するとエラーをクライアントに返す

    次のようなACLを記述することで実現可能です。
    HTTP ACL:
    auth any
    icap(Virus ServiceFarm) user A
    icap(Virus ServiceFarm, Content ServiceFarm) user B

    認証を使用する場合には”auth any”の記述が必要です。

  8. 複数台のNR1000Cで1台のICAPサーバを共有することはできますか?

    できます。ただし、ICAPサーバ側に複数のNR1000Cと連携可能か確認する必要があります。以下のICAPサーバにおいて共有した実績があります。

    ・Trend Micro社 InterScan Web Security Suite
    ・Websense社 Websense Enterprise

  9. NR1000Cでは、どのようにICAPサーバをロードバランスさせていますか?

    ロードバランス方法は以下の3つがあります。そのうちの1つを選択してください。

    1) Round robin

    2) IP address
    クライアントのIPアドレスによるハッシュ関数を使用して、サービスを受けるICAPサーバが決まります。これによりクライアントは同じICAPサーバにサービスを受け続けます。

    3) Least usage
    現在のコネクション数、サーバの処理能力などからICAPサーバを選択して、よりコネクション数の少なく、空いているサーバのサービスを受ける方法です。

  10. 複数のICAPサーバに対して、リクエストの分散比率を設定可能ですか?

    そのような設定はありません。

  11. 特定のURLを指定し、ICAPサーバと連携させないようにすることはできますか?

    できます。以下のようなACLを設定してください。

    icap not url-prefix http://www.abc
    icap not url matches abc
    icap not server-domain .abc.com

    (注1) NR1000Cはサイト上の各オブジェクト(.gif、.jpgなど)のURLでICAPの連携対象とするか判断(評価)しています。このため、次のような設定ではサイト上の各オブジェクトまでURLを含んでいませんので、.gif、.jpg等の各オブジェクトがICAPの連携対象と判断(評価)されません。

    icap not url http://www.abc.com

    (注2) ICAPサーバと連携させないようにするACLは1行にまとめてください。

    icap not client-ip 10.0.0.0/24 and not server-domain .abc.com and not server-domain .def

  12. FTPにおいて、ICAP連携は可能ですか?

    可能です。ただし、ICAPサーバ側でもFTP用のサービスが立ち上がっていることが前提です。