Extreme Cache設定

概要

Extreme Cache に関し、以下の設定を行う場合に使用します。

  • Extreme Cacheの有効/無効

  • Extreme Cache容量

  • チューニングパラメーター

Extreme Cache を使用する場合は、CE に搭載する PFM (PCIe Flash Module) が必要です。

装置にPFMを増設したら、本機能を使用して Extreme Cache容量を設定してください。

Extreme Cache には、PFMを搭載したCE内のCMが担当するRAIDグループのデータが格納されます。

注意
  • PFMを搭載できるモデルは、ETERNUS DX500 S5/DX600 S5/DX900 S5およびETERNUS DX8900 S4 です。

  • 以下の場合、Extreme Cache を有効にできません。

    • PINデータが存在する

    • PFMを搭載しているCEに「Normal」以外のCMが存在する

    • Normal」または「Warning」以外のPFMが存在する

    • 以下のすべての条件を満たしている。
      • 装置がETERNUS DX8900 S4 である

      • 装置に「GS接続機構ライセンス」が登録されている (*1)

      • 使用可能なメモリ容量が 16GB/CE である(装置に「メモリ拡張ライセンス」が登録されていない (*1))

        *1  :  「GS接続機構ライセンス」の登録状態およびCEあたりのシステムメモリ容量については、[ システム ] 画面で確認できます。詳細は、「システム」を参照してください。
  • Extreme Cache は、制御情報の格納にキャッシュメモリを使用します。

    キャッシュメモリは、Extreme Cacheのほか、RECバッファー、コピーテーブル、シン・プロビジョニング機能 (*1)、Storage Cluster機能 (*1)、および無停止ストレージマイグレーション機能で使用されています。そのため、以下によっては Extreme Cacheを有効にできなかったり、Extreme Cache容量を設定できなかったりする場合があります。

    • 装置に搭載したメモリ容量

    • RECバッファーのサイズ

    • コピーテーブルのサイズ

    • 最大プール容量

    • TFOVの最大総容量 (*2)

    • 無停止ストレージマイグレーション機能のライセンス登録

    *1  :  最大プール容量を「1.5 PB」以上に拡張している場合、キャッシュメモリの共用領域を使用します。

    モデルごとのデフォルト容量は、「システム」の「Storage Cluster」の説明を参照してください。

    *2  :  Storage Cluster機能で使用するボリュームの装置あたりの最大総容量のことです。
  • 装置にExtreme Cache が存在する場合、Extreme Cache を無効にできません。本機能で「現在の容量」が、すべて「0.0 TB」であることを確認してください。詳細は、「Extreme Cache解放」を参照してください。

備考
  • 業務運用中であっても、Extreme Cacheの有効/無効、キャッシュ容量、およびチューニングパラメーターの変更は可能です。

  • 装置の Extreme Cacheのモード(有効/無効)とボリュームごとの Extreme Cache の設定状態は連動しません。装置の Extreme Cacheのモードにかかわらず、ボリュームごとの Extreme Cache の初期値は「有効」です。

  • 外部ボリュームは、ボリュームごとの Extreme Cache の有効状態にかかわらず、Extreme Cache を使用しません。

  • ボリュームごとの Extreme Cache のキャッシュヒット率は、[ 性能情報 ] 画面で確認できます。詳細は、「性能情報(ホストI/O)」または「性能情報(アドバンスト・コピー)」を参照してください。

  • 各CEに同じ枚数のPFMを搭載する必要はありません。[ 設定 ]ボタンをクリックすると、各CEに搭載したPFMの容量が Extreme Cache として使用可能な容量になります。

  • 性能情報取得を開始している場合、PFMの現在の使用率を確認できます。詳細は、「性能情報(PCIe Flash Module)」を参照してください。

  • ボリュームごとの Extreme Cacheの有効/無効を変更できます。詳細は、「キャッシュパラメーター設定」を参照してください。

  • 装置の Extreme Cacheおよびボリュームの Extreme Cacheの両方が有効のとき、該当ボリュームで Extreme Cache を使用できます。

  • 特定のCEで Extreme Cacheの使用を中止する場合、該当CEの Extreme Cache を解放します。詳細は、「Extreme Cache解放」を参照してください。

ユーザー権限

デフォルトロールにおける実行可否

デフォルトロール 実行可否
Monitor  
Admin
StorageAdmin  
AccountAdmin  
SecurityAdmin  
Maintainer

権限とロールについては、「役割および権限」を参照してください。

設定内容(Extreme Cache 設定)

Extreme Cache設定

項目 説明 設定値

モード

装置で Extreme Cache を有効にするか、無効にするかを選択します。

Extreme Cache の設定については、Extreme Cache を有効/無効設定手順を参照してください。

有効

無効(初期値)

用途

Extreme Cacheの用途(Read-Only Cache)が表示されます。

モードが「無効」の場合、「-」(ハイフン)が表示されます。

Extreme Cache を有効/無効設定手順

  • Extreme Cache を使用する場合(モード: 無効 → 有効)
    1. CE に PFM を活性増設する。

    2. 本機能を使用し、Extreme Cacheを有効にする。

      → Extreme Cache容量が設定される。

  • 特定の CE で Extreme Cache 容量を増やす場合(モード: 有効 → 有効)
    1. 該当CE に PFM を活性増設する。

    2. 本機能で [ 設定 ] ボタンをクリックする。

      → Extreme Cache容量が再設定される。

  • 特定の CE で Extreme Cacheの使用を中止する場合(モード: 有効 → 有効)
    1. 該当CEの Extreme Cache を解放する。詳細は、「Extreme Cache解放」を参照してください。

      → 該当CEのExtreme Cache容量が「0.0 TB」に設定される。

    2. 該当CEの PFM を活性減設する。

  • すべての CE で Extreme Cacheの使用を中止する場合(モード: 有効 → 無効)
    1. すべてのCEの Extreme Cache を解放する。詳細は、「Extreme Cache解放」を参照してください。

      → すべての CE で Extreme Cache容量が「0.0 TB」に設定される。

    2. 本機能を使用し、Extreme Cacheを無効にする。

    3. すべてのCE に搭載された PFM を活性減設する。

表示内容

注意
  • PFM活性増設後にExtreme Cache容量を設定していない場合、該当CE(*1)の「現在の容量」(Extreme Cache容量)は更新されません。「現在の容量」と「設定後の容量」が異なる場合、本機能を使用してExtreme Cache容量を設定してください。

    *1  :  ETERNUS DX500 S5/DX600 S5の場合、「該当CE」は、CE#0 のことです。

Extreme Cache 容量情報

項目 説明

Owner

装置に搭載したすべてのCEが表示されます。

本項目は、ETERNUS DX900 S5またはETERNUS DX8900 S4の場合に表示されます。

CE#x

x:CE番号

現在の容量

該当CEに搭載したPFMで Extreme Cache として使用できる総容量が表示されます。

PFM搭載後、Extreme Cache容量を設定していない場合、「0.0 TB」が表示されます。

設定後の容量

該当CEに搭載したPFMで Extreme Cache として使用できる総容量と新規に追加する容量の合計が表示されます。

設定内容(チューニングパラメーター設定)

チューニングパラメーター設定

項目 説明 設定値

初期段階でのキャッシュ回数

Extreme Cache にデータを格納する頻度に関わる閾値を指定します。

この値を大きくすると、Extreme Cache にデータを格納する頻度が低くなります。この値を小さくすると、Extreme Cache にデータを格納する頻度が高くなります。

設定値を超えた場合、該当データは読み出し頻度が高いと判断され、Extreme Cache に格納されます。

本項目は、Extreme Cache を有効にしてからフル状態になるまでの閾値です。

注意
  • 本項目は、性能をチューニングする際に使用するパラメーターです。通常は、初期値(「1」)を変更する必要はありません。

1(初期値)~ 16

キャッシュ回数

「初期段階でのキャッシュ回数」と同様に、Extreme Cache にデータを格納する頻度に関わる閾値を指定します。

設定値を超えた場合、該当データは読み出し頻度が高いと判断され、Extreme Cache に格納されます。

本項目は、Extreme Cache がフル状態以降の閾値です。

注意
  • 本項目は、性能をチューニングする際に使用するパラメーターです。通常は、初期値(「5」)を変更する必要はありません。

  • 「キャッシュデータを再配置しない」チェックボックスをオフにした(再配置する)場合だけ、本項目を設定できます。

1 ~ 16

5(初期値)

キャッシュデータ再配置選択チェックボックス

キャッシュデータを再配置するかどうかを選択します。

「キャッシュデータを再配置しない」のチェックボックスをオンにした場合、Extreme Cache がフル状態以降は新しいデータを格納(再配置)しません。

オフにした場合、Extreme Cache から格納時期が古いデータを削除し、新しいデータを格納(再配置)します。

再配置しない場合:オン

再配置する場合:オフ(初期値)

キャッシュ速度

Extreme Cache にデータを格納するステージング処理の多重度を指定します。

この値を大きくすると、Extreme Cache にデータを格納する多重度が増加します。この値を小さくすると、Extreme Cache にデータを格納する多重度が減少します。

注意
  • 本項目は、性能をチューニングする際に使用するパラメーターです。通常は、初期値(「10(最高速)」)を変更する必要はありません。

10(最高速)(初期値)

9

8

7

6

5

4

3

2

1

監視I/O

Extreme Cache にデータを格納するIOの種類を選択します。

Read(初期値)

Read / Write

操作手順

  1. [ アクション ] から「Extreme Cache設定」をクリックします。

  2. 必要時、各項目を設定してから、[ 設定 ] ボタンをクリックします。

    → 確認画面が表示されます。

    備考
    • 「現在の容量」と「設定後の容量」が異なるとき(ETERNUS DX900 S5またはETERNUS DX8900 S4の場合はCEごと)、Extreme Cache容量の設定が必要です。[ 設定 ] ボタンをクリックして本機能が正常に完了すると、「現在の容量」が「設定後の容量」と同じ容量に自動設定されます。
    • Extreme Cache容量を変更する場合、そのほかの項目を変更する必要はありません。モードが「有効」であっても、[ 設定 ] ボタンをクリックできます。

  3. [ OK ] ボタンをクリックします。

    → Extreme Cache設定が開始されます。

  4. [ 完了 ] ボタンをクリックして、[ Extreme Cache ] 画面に戻ります。