Multitenancy

Multitenancyとは、1台のストレージシステムを複数の組織で共有できるように、テナント単位でリソースを分割管理する機能です。専用のストレージを用意するシングルテナントと比較してコストを削減でき、ストレージを集約することにより維持管理の負荷が軽減できます。

図: Multitenancyの運用

Multitenancyを導入したシステムでは、ボリューム、TPP、ホストなどのリソースにテナント情報を付与することができます。

また、ユーザーアカウントに対してテナント情報を付与することもできます。テナント情報が付与されたユーザーアカウントを「テナントユーザー」と呼びます。テナントユーザーに対して以下を制限することによりMultitenancyを実現します。

  • テナントユーザーが作成するリソースは、すべて自テナントに属するリソースになります。

  • 自テナントに属するリソースは、他テナントのユーザーから参照できません。リソース情報の漏洩を防止します。

  • 自テナントに属するリソースは、他テナントのユーザーから操作できません。運用に影響を与えるような誤操作を抑止します。

テナントユーザーに対して、以下の機能はサポートしていません。

  • ETERNUS Web GUI(Normal View

    ETERNUS Web GUI(Easy Administration View)が使用可能です。

  • ETERNUS CLI

  • 「Monitor」または「StorageAdmin」以外のロールの割り当て

Multitenancyで作成するテナントについて以下に示します。

  • 1台のストレージシステムに作成できる最大テナント数は32です。

  • テナントごとにテナントID(0~31)およびテナント名を設定できます。

  • テナントに割り当て可能なリソースは、TPP、ボリューム(TPV)、およびホスト(WWN、iSCSI Host)です。物理リソース(ドライブ、CAポートなど)は割り当て対象外です。

  • テナントに割り当てるリソースにテナントごとの上限値はありません。すべてのテナントおよび共通で使用するリソースの合計が装置の最大値以内であれば、割り当てることができます。