RECの全コピー経路閉塞時の動作

すべてのコピー経路が閉塞した場合、以下の動作が行われます。

  • 同期転送方式で等価性維持状態の場合

    あらかじめ「Splitモード(*1)」で指定しておいた処理が実施されます。コピー元のデータとコピー先のデータが等価性維持状態を維持できなくなった場合、後述の「同期転送方式で等価性維持状態ではない場合」の動作が行われます。

  • RECの非同期転送方式、または同期転送方式で等価性維持状態ではない場合

    筺体間のすべてのコピー経路が閉塞した場合、一時的に転送を中断し、その間のコピー元への更新データを記録します。閉塞の要因が取り除かれた後、コピー経路は自動的に復旧します。コピーはセッションごとにあらかじめ指定した「Recoveryモード(*2)」に従い動作します。各セッションは自動(Automatic Recovery)または手動(Manual Recovery)で復旧後、蓄積した更新データをコピー先に転送して等価性維持状態を回復します。

*1

Splitモードとは、すべてのコピー経路が切断されたときの動作を指定するモードです。「Automatic Split」と「Manual Split」のどちらか1つを選択します。

  • Automatic Split

    通信でエラーが発生したとき、RECセッションを自動的に切断してコピー元への更新処理を継続できるようにします。

  • Manual Split

    通信でエラーが発生したとき、RECのセッションの切断可否をオペレーターに任せます。すべてのコピー経路でセッションが切断された場合、サーバ側での更新処理を伴う業務は継続できません。

*2

Recoveryモードとは、REC通信エラー回復時のリカバリー方式を指定するモードです。「Automatic Recovery」と「Manual Recovery」のどちらか1つを選択します。

  • Automatic Recovery

    エラーで切断された通信回線が復旧したとき、RECセッションを自動的に復旧させます。

  • Manual Recovery

    エラーで切断された通信回線が復旧しても、RECセッションを自動的に復旧させません。手動での復旧が必要です。

図: 全コピー経路閉塞発生時のコピー動作

(1) 等価性維持状態

(2) 全パス閉塞発生

(3) 更新情報を蓄積

(4) パス開通時点で蓄積した更新分を転送

(5) 等価状態に復帰

等価性維持状態で全経路閉塞となる故障が発生した場合、全経路閉塞中のコピー先データは保証されます。しかし、経路が復旧してから更新データが転送され、再び等価性維持状態となるまでは、コピー先データは保証されません。災害対策でRECを使用する場合、これらの仕様を考慮して「Recoveryモード」を選択する必要があります。全経路閉塞からの復旧方法については、担当保守員に相談してください。