ONTAP 9.13

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ミラーリングされたローカル階層(アグリゲート)とミラーリングされていないローカル階層

ONTAPの SyncMirror と呼ばれるオプションの機能を使用すると、別々のRAIDグループに格納されているコピー(プレックス)内のローカル階層(アグリゲート)のデータを同期的にミラーリングできます。プレックスを使用すると、RAIDタイプで保護されるドライブ数よりも多くのドライブで障害が発生した場合や、RAIDグループのドライブに対する接続が切断された場合に、データ損失を防ぐことができます。

ONTAP System ManagerまたはCLIを使用してローカル階層を作成するときに、ローカル階層をミラーリングするかどうかを指定できます。

ミラーリングされていないローカル階層(アグリゲート)の仕組み

ローカル階層のミラーリングを指定しないと、ミラーリングされていないローカル階層(アグリゲート)が作成されます。ミラーリングされていないローカル階層には プレックス(データ コピー)が1つだけ含まれ、そのプレックスにローカル階層に属するすべてのRAIDグループが配置されます。

次の図は、複数のドライブで構成されるミラーリングされていないローカル階層と、そのプレックスを示しています。このローカル階層には4つのRAIDグループ(rg0、rg1、rg2、rg3)があります。各RAIDグループには6本のデータ ドライブ、1本のパリティ ドライブ、1本のdparity(ダブルパリティ)ドライブがあります。ローカル階層で使用されるドライブはすべて同じプール(「pool0」)から割り当てられます。

The diagram is described by the preceding text.

次の図は、複数のRAIDグループを使用するミラーリングされていないローカル階層と、そのプレックスを示しています。このアグリゲートには2つのRAIDグループ(rg0とrg1)があります。ローカル階層で使用されるRAIDグループはすべて同じプール(「pool0」)から割り当てられます。

The diagram is described by the preceding text.

ミラーリングされたローカル階層(アグリゲート)の仕組み

ミラーリングされたアグリゲートには2つの プレックス(データ コピー)が含まれます。これらのプレックスはSyncMirror機能を使用してデータを複製し、冗長性を提供します。

ローカル階層を作成するときに、ミラーリングを指定することができます。 また、ミラーリングされていない既存のローカル階層に2つ目のプレックスを追加して、ミラーリングされた階層にすることもできます。SyncMirror機能を使用して、元のプレックス(plex0)のデータが新しいプレックス(plex1)にコピーされます。プレックスは物理的に分離されていて(各プレックスには独自のRAIDグループおよび独自のプールがあり)、同時に更新されます。

この構成により、アグリゲートのRAIDレベルで保護されるよりも多くのドライブで障害が発生した場合や接続が解除された場合に、影響を受けないプレックスでデータ サービスを継続しながら障害の原因を修正できるため、データ損失を防止できます。問題のあるプレックスが修正されたら、2つのプレックスが再同期化され、ミラー関係が再確立されます。

システム上のドライブとRAIDグループは2つのプール(「pool0」と「pool1」)に分割されます。plex0はpool0からストレージを取得し、plex1はpool1からストレージを取得します。

次の図は、SyncMirror機能を有効にして実装したドライブで構成されるローカル階層を示しています。ローカル階層の「plex1」用に2つ目のプレックスが作成されています。plex1のデータはplex0のデータの複製であり、RAIDグループも同じです。32本のスペア ドライブがpool0またはpool1に割り当てられます(各プールに16本使用)。

The diagram is described by the preceding text.

次の図は、SyncMirror機能を有効にして実装したアレイLUNで構成されるローカル階層を示しています。ローカル階層の「plex1」用に2つ目のプレックスが作成されています。plex1はplex0の複製であり、RAIDグループも同じです。

This diagram is described by the preceding text.
ストレージのパフォーマンスと可用性を最適化するために、ミラーアグリゲートでは少なくとも20%の空きスペースを確保することを推奨します。ミラーされていないアグリゲートでは10%が推奨されますが、追加の10%のスペースはファイルシステムで増分変更に対応するために使用できます。増分変更を行うと、ONTAPのcopy-on-write Snapshotベースのアーキテクチャーにより、ミラーされたアグリゲートのスペース使用率が向上します。これらのベストプラクティスに従わないと、パフォーマンスに悪影響を及ぼす可能性があります。
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