ONTAP 9.13

概要

ONTAP 9.8以降では、SnapMirror Business Continuity(SM-BC)を使用してLUNでアプリケーションを保護して、アプリケーションのフェイルオーバーを透過的に実行し、災害発生時にビジネス継続性を確保できます。SM-BCはETERNUS AXクラスタまたはオールSANアレイ(ASA)クラスタでサポートされ、ETERNUS AXまたはASAのどちらかをプライマリー クラスタとセカンダリー クラスタに設定できます。また、iSCSI LUNまたはFCP LUNを使用してアプリケーションを保護します。

メリット

SnapMirror Business Continuityには次のメリットがあります。

  • ビジネス クリティカルなアプリケーションの継続的可用性を実現する

  • 重要なアプリケーションをプライマリー サイトとセカンダリー サイトで交互にホストすることが可能

  • 整合性グループを使用して従属書き込み順序の整合性を維持し、シンプルなアプリケーション管理を実現する

  • アプリケーションごとにフェイルオーバーをテストできる

  • アプリケーションの可用性に影響を与えることなくミラー クローンを瞬時に作成できる

  • ONTAP 9.11.1以降では、SM-BCでSingle-File SnapRestoreがサポートされます。

標準的なユースケース

RTOゼロまたは透過的アプリケーション フェイルオーバーでのアプリケーション導入

透過的アプリケーション フェイルオーバーは、ホストのマルチパスI/O(MPIO)ソフトウェアベースのパス フェイルオーバーに基づいて、ストレージへのノンストップ アクセスを実現します。プライマリーとミラー(L1PとL1Sなど)の両方のLUNコピーに同じID(シリアル番号)が割り当てられ、両方が読み取り / 書き込み可能としてホストに報告されます。ただし、実際に読み取りと書き込みを処理するのはプライマリー ボリュームのみです。ミラー コピーへのI/Oはプライマリー コピーにプロキシされます。ホストからL1への優先パスはVS1:N1で、これは非対称論理ユニット アクセス(ALUA)のアクセス状態「アクティブ / 最適化済み」(A/O)に基づきます。主にプライマリーでストレージが停止した場合にフェイルオーバーを実行するため、Mediatorを使用することが推奨されます。

災害シナリオ

プライマリー クラスタをホストしているサイトで災害が発生すると、ホストのマルチパス ソフトウェアはそのクラスタを経由するすべてのパスを停止とマークし、セカンダリー クラスタからのパスを使用します。その結果、LUN L1のミラー コピーへ無停止でフェイルオーバーし、L1Sがミラー コピーからLUN L1のアクティブ コピーに変換されます。このフェイルオーバーは、外部のMediatorが設定されている場合は自動的に実行されます。ホストからL1への優先パスはVS2:N1になります。

アーキテクチャー

次の図は、SnapMirror Business Continuityの機能の概要を表しています。

SnapMirror Business Continuity workflow

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