RECバッファー設定

概要

ConsistencyモードRECを実行するため、RECバッファーを設定します。

RECバッファー仕様

全RECバッファーのサイズの総和

(CMあたり)

最大RECバッファー数 1つのRECバッファーの最大サイズ
8192 MB 8個 2048 MB
Caution
  • RECバッファーを設定するには、アドバンスト・コピー機能のライセンスの登録が必要です。

  • 本機能は、自装置(RECバッファーを設定する装置)がRECをサポートしている場合だけ実行できます。

  • RECのコピー元とコピー先の両装置でRECバッファーを設定してください。

  • RECバッファーを変更する場合は、対象のRECバッファーを使用しているセッションを Suspend してください。

  • RECバッファーを削除する場合は、対象のRECバッファーを使用しているセッションを Stop してください。

  • 接続先装置、およびコピー経路が設定されていない場合、本機能は実行できません。

  • キャッシュメモリは、RECバッファーのほか、コピーテーブル、シン・プロビジョニング機能 (*1)、Storage Cluster機能 (*1)、および無停止ストレージマイグレーション機能で使用されています。そのため、以下によってはモデルごとの最大容量まで設定できない場合があります。

    • 装置に搭載したメモリ容量

    • コピーテーブルのサイズ

    • 最大プール容量

    • TFOVの最大総容量 (*2)

    • 無停止ストレージマイグレーション機能のライセンス登録

    *1  :  以下の場合、キャッシュメモリの共用領域を使用します。
    • 最大プール容量が「1.5 PB」以上に拡張している

    • TFOVの最大総容量 (*2) をデフォルト容量から拡張している

      モデルごとのデフォルト容量は、「システム」の「Storage Cluster」の説明を参照してください。

    *2  :  Storage Cluster機能で使用するボリュームの装置あたりの最大総容量のことです。
  • RECバッファーはCM間で2重化するため、選択したREC バッファー容量の2倍のメモリ容量を消費します。

Note
  • RECの反転を考慮し、コピー元装置とコピー先装置でRECバッファーの設定内容(「転送間隔」、「監視時間」、「HALT待機タイマー」、「I/O優先モード」、「即時HALTモード」、および「高帯域転送モード」)を同じにしてください。

  • 双方向のデータ転送を行う場合は、装置内に「送信用」、「受信用」それぞれに設定が必要です。

  • すでにRECディスクバッファーが割り当てられているRECバッファーの用途を「未使用」に変更すると、RECディスクバッファーの割り当てが解除されます(RECディスクバッファー自体は削除されません)。

設定内容

装置から取得したRECバッファーの管理グループごとに、「用途」、「接続先Box ID」、「サイズ」、「転送間隔」、「監視時間」、および「HALT待機タイマー」を設定します。

RECバッファー設定一覧

項目 説明 設定値

グループ

RECバッファーの管理グループ番号が表示されます。

0 ~ 7

用途

RECバッファーの用途を選択します。

送信用に設定する場合は「送信用」、受信用に設定する場合は「受信用」を選択します。RECバッファーを削除する場合は、「未使用」を選択します。

未使用

送信用

受信用

接続先Box ID

接続先装置のBox IDを選択します。

RECバッファー作成後に、コピー経路情報を削除した場合、「???」が表示されます。「???」が表示されたRECバッファーは使用できません。RECバッファーを削除してください。

用途に「未使用」を選択した場合、「-」(ハイフン)が表示されます。

接続先装置のBox ID

「-」(ハイフン)

サイズ

RECバッファーのサイズを選択します。

用途に「未使用」を選択した場合、「-」(ハイフン)が表示されます。

RECバッファーは、装置に搭載したメモリ容量および使用可能なキャッシュメモリ容量(コピーテーブルへの割り当て量など、現在使用されている容量を差し引いた容量)から計算された最大サイズまでしか設定できません。

128 MB(初期値)

256 MB

512 MB

1024 MB

2048 MB

「-」(ハイフン)

転送間隔

データの転送間隔を選択します。

用途に「未使用」を選択した場合、「-」(ハイフン)が表示されます。

1 秒(初期値)

2 秒

4 秒

8 秒

15 秒

30 秒

45 秒

60 秒

75 秒

90 秒

105 秒

120 秒

「-」(ハイフン)

監視時間

RECバッファーが不足した場合に、コピーセッションのステータスが「Halt」になるまでの監視時間を指定します。

RECバッファーの高負荷状態が指定した時間継続した場合、コピーセッションは自動的に「Halt」になります。「0分」を指定した場合は監視しません。

用途に「未使用」を選択した場合、「-」(ハイフン)が表示されます。

0 分

1 分

2 分

3 分

4 分

5 分(初期値)

6 分

7 分

8 分

9 分

10分

11 分

12 分

13 分

14 分

15 分

「-」(ハイフン)

HALT待機タイマー

高負荷時(RECバッファーの使用率が100%の状態)、RECバッファーからのデータ転送を優先して実行するために、ホストI/Oに対する応答を停止する場合の最大無応答時間を指定します。

無応答時間が指定した時間を超えた場合、ホストI/O への応答を再開しますが、データ転送は停止します。コピーセッションは「Halt」の状態になります。ホストがVMwareなど、ホストI/Oへの応答遅延を許容できない場合は、「0 秒」を指定してください。

用途に「未使用」を選択した場合、「-」(ハイフン)が表示されます。

0 秒

5 秒

10 秒

15 秒(初期値)

「-」(ハイフン)

高度な設定

RECバッファーごとにコピー動作とホストI/Oの性能チューニングを行う場合だけ「I/O優先モード」、「即時HALTモード」、および「高帯域転送モード」を設定します。

項目 説明 設定値

グループ

RECバッファーの管理グループ番号が表示されます。

0 ~ 7

I/O優先モード

RECバッファーのI/O優先モードを「有効にする」か「無効にする」かを選択します。

通常は、初期値(「有効にする」)を変更する必要はありません。

用途に「未使用」を選択した場合、「-」(ハイフン)が表示されます。

「I/O優先モード」とは、コピー起動時、再開時、および復旧時の初期コピーがホストI/Oに与える影響を抑えるモードです。

Caution
  • 本モードは、REC実行中であってもホストI/Oの性能をできるだけ保持したいユーザーだけ有効にしてください。

  • 「有効にする」を選択した場合、高負荷のホストI/Oが継続するとデータが等価状態になるまでに非常に時間がかかる場合があります。初期コピー中は、RECの回線帯域を超えないように、できるだけスループットを減らすようにしてください。

有効にする

無効にする

「-」(ハイフン)

即時HALTモード

RECバッファーの即時HALTモードを「有効にする」か「無効にする」かを選択します。

通常は、初期値(「有効にする」)を変更する必要はありません。

用途に「未使用」を選択した場合、「-」(ハイフン)が表示されます。

「即時HALTモード」とは、HALT待機タイマーが「0秒」の場合、RECバッファーの枯渇がホストI/Oに与える影響を抑えるモードです。HALT待機タイマーを「0秒」に設定してもホストI/Oへのレスポンスが低下するなど影響がある場合は、本モードを有効にしてください。

Caution
  • 本モードは、REC実行中であってもホストI/Oの性能をできるだけ保持したいユーザーだけ有効にしてください。

  • 本モードは、HALT待機タイマーに「0秒」が設定されている場合だけ、設定状態が適用されます。

  • 「有効にする」を選択した場合、RECバッファーが枯渇すると、直ちに該当RECバッファーを使用しているセッションを「Halt」に遷移させます。そのため、「Halt」からの復旧のたびに初期コピーが動作し、データ転送の順序性が保証されない期間が長くなる場合があります。

有効にする

無効にする

「-」(ハイフン)

高帯域転送モード

RECバッファーの高帯域転送モードを「有効にする」か「無効にする」かを選択します。

通常は、初期値(「有効にする」)を変更する必要はありません。

用途に「未使用」を選択した場合、「-」(ハイフン)が表示されます。

「高帯域転送モード」とは、バッファー転送に必要な制御情報をできるだけまとめて転送することで通信回数を減らし、長距離通信における転送速度を改善するモードです。

有効にする

無効にする

「-」(ハイフン)

操作手順

RECバッファーを追加または変更する場合

  1. 追加または変更するRECバッファーを選択し(複数選択可)、[ アクション ] から「RECバッファー設定」をクリックします。

  2. RECバッファーの設定を変更し、[ 設定 ] ボタンをクリックします。

    → 確認画面が表示されます。

    Caution
    • 以下の場合、エラー画面が表示されます。
      • RECバッファーのサイズの総和が、モデルごとの最大値を超えている

      • 同一の接続先Box IDに対して、用途に「送信用」または「受信用」を重複して選択している

      • 用途が「送信用」または「受信用」に設定されているRECバッファーで、接続先Box IDへの経路が削除されている

      • すでに経路が削除された(接続先Box IDに「???」が表示されている)RECバッファーが残っている

      • すでにRECディスクバッファーが割り当てられているRECバッファーの用途を「受信用」に変更した

      • RECバッファーの設定内容が変更されていない

    Note
    • 接続先Box ID を変更する場合、最初に該当グループを削除します。そのあと、再度「RECバッファー設定」をクリックし、該当グループに新しい接続先Box ID とそのほかの情報を設定してください。

    • 「I/O優先モード」、「即時HALTモード」、または「高帯域転送モード」を変更する場合は、「高度な設定」をクリックしてください。

  3. [ OK ] ボタンをクリックします。

    → RECバッファー設定が開始されます。

  4. [ 完了 ] ボタンをクリックして、[ RECバッファー ] 画面に戻ります。

RECバッファーを削除する場合

  1. 削除するRECバッファーを選択し(複数選択可)、[ アクション ] から「RECバッファー設定」をクリックします。

  2. RECバッファーの用途に「未使用」を選択し、[ 設定 ] ボタンをクリックします。

    → 確認画面が表示されます。

  3. [ OK ] ボタンをクリックします。

    → RECバッファーの削除が開始されます。

  4. [ 完了 ] ボタンをクリックして、[ RECバッファー ] 画面に戻ります。