キャッシュパラメーター設定 (TPP)

概要

シン・プロビジョニングプール (TPP) ごとにキャッシュパラメーターをチューニングすることができます。

装置の性能は、キャッシュヒット率によって変わります。装置は、ホストからの Read/Write 要求でシーケンシャル性を検出します。特に Read 要求で検出したときは、前もってキャッシュに連続データを読み込むことでキャッシュヒット率を向上できます。ホストからの Read/Write 要求の特性はシステムによって異なるため、そのシステムに適したキャッシュパラメーターに設定を変更することで、装置の性能改善を図れます。

設定するパラメーターは、以下のとおりです。

  • Multi Writeback Count (MWC)

    同時にライトバックできる処理の数を指定します。

Caution
  • 装置にPINデータ が存在する場合は、MWCは設定できません。

Note
  • 本機能では、一度の操作で複数のTPPに同じキャッシュパラメーターを設定できます。

  • MWC以外のキャッシュパラメーターは、TPVごとに設定します。詳細は、「キャッシュパラメーター設定」を参照してください。

設定内容

キャッシュパラメーターを変更します。

パラメーター設定

項目 説明 設定値

Multi Writeback Count (MWC)

マルチライトバックカウンタ (Multi Writeback Counter)の値を指定します。

(効果)

MWCを大きくすると、シーケンシャルライトアクセスの性能が向上します。ただし、ランダムライトアクセスが多い場合は、あまり効果がありません。

(変更したことによる影響)

リードアクセスとライトアクセスの比率によっては、リードアクセスの性能が劣化するおそれがあります。

1 ~ 16 (*1)

初期値はMWCの入力範囲 (TPP)を参照してください。

*1  :  Multi Writeback Count は、RAIDレベル、およびドライブ構成によって指定できる値が異なります。

MWCの入力範囲 (TPP)

Stripe Depth が初期値の場合のMWCの入力範囲 (TPP)

RAIDレベル ドライブ構成 (*1) MWCの入力範囲(初期値)
Stripe Depth = 64KB(初期値)の場合

RAID0

4D

1 ~ 8 (2)

RAID1

1D+1M

1 ~ 16 (8)

RAID1+0

2D+2M

1 ~ 16 (4)

4D+4M

1 ~ 8 (2)

8D+8M

1 ~ 4 (1)

12D+12M

1 ~ 2 (1)

RAID5

3D+1P

1 ~ 8 (3)

4D+1P

1 ~ 8 (2)

6D+1P

1 ~ 5 (2)

7D+1P

1 ~ 4 (2)

8D+1P

1 ~ 4 (1)

12D+1P

1 ~ 2 (1)

RAID6

4D+2P

1 ~ 8 (2)

6D+2P

1 ~ 5 (2)

7D+2P

1 ~ 4 (2)

8D+2P

1 ~ 4 (1)

RAID6-FR

(4D+2P)x2+1HS

(4D+2P)x5+1HS

1 ~ 8 (2)

(6D+2P)x2+1HS

1 ~ 5 (2)

(8D+2P)x3+1HS

1 ~ 4 (1)

*1  :  D:Data  M:Mirror  P:Parity を示します。

Stripe Depth が設定値の場合のMWCの入力範囲 (TPP)

RAIDレベル ドライブ構成 (*1) MWCの入力範囲(初期値)
Stripe Depth が以下の設定値の場合
128KB 256KB 512KB 1024KB

RAID0

4D

1 ~ 4 (2)

1 ~ 2 (2)

1(変更不可)

1(変更不可)

RAID1+0

2D+2M

1 ~ 8 (4)

1 ~ 4 (4)

1 ~ 2 (2)

1(変更不可)

4D+4M

1 ~ 4 (2)

1 ~ 2 (2)

1(変更不可)

1(変更不可)

8D+8M

1 ~ 2 (1)

1(変更不可)

1(変更不可)

1(変更不可)

12D+12M

1(変更不可)

1(変更不可)

1(変更不可)

1(変更不可)

RAID5

3D+1P

1 ~ 4 (3)

1 ~ 2 (2)

1(変更不可)

-

4D+1P

1 ~ 4 (2)

1 ~ 2 (2)

1(変更不可)

-

6D+1P

1 ~ 2 (2)

1(変更不可)

-

-

7D+1P

1 ~ 2 (2)

1(変更不可)

-

-

8D+1P

1 ~ 2 (1)

1(変更不可)

-

-

12D+1P

1(変更不可)

-

-

-

*1  :  D:Data  M:Mirror  P:Parity  ‐:Stripe Depth 拡張対象外 を示します。

操作手順

  1. キャッシュパラメーターを変更するTPPを選択し(複数選択可)、[ アクション ] から「キャッシュパラメーター設定」をクリックします。

  2. キャッシュパラメーターを変更し、[ 設定 ] ボタンをクリックします。

    → 確認画面が表示されます。

    Note
    • [ 設定 ] ボタンをクリックする前に、[ 既定値 ] ボタンをクリックすると、キャッシュパラメーターを初期値に戻せます。

  3. [ OK ] ボタンをクリックします。

    → キャッシュパラメーターの設定が開始されます。

  4. [ 完了 ] ボタンをクリックして、[ 閾値 ] 画面に戻ります。