ボリューム
ボリュームについて説明します。
ボリュームとは、RAIDグループ内部での論理上のドライブ領域のことを言います。
ボリュームは、サーバが認識できるRAIDの構成単位になります。
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1つのボリュームの最大容量は128TBです。ただし、サーバのOSによって設定できるボリュームの最大容量は異なります。
ETERNUS DX内に作成可能なボリューム数を以下の表に示します。各種ボリュームを合計して、最大ボリューム数までのボリュームを作成できます。
モデル |
最大ボリューム数(RAIDグループあたり) |
最大ボリューム数(装置あたり) |
---|---|---|
ETERNUS DX600 S6 |
16,384 |
16,384 |
ETERNUS DX900 S6 ETERNUS DX8900 S6 |
65,535 |
65,535 |
ボリュームは必要に応じて容量を拡張したり、移動したりすることもできます。また、複数のボリュームを連結して1つのボリュームとして扱うこともできます。各ボリュームに対する拡張、移動、連結の実行可否については、ボリューム操作対象機能を参照してください。
ETERNUS DXで作成可能なボリュームには、以下の種類があります。
種類 |
用途 |
最大容量 |
---|---|---|
Standard(Open) |
Standardボリュームは、ファイルシステムやデータベースなどの通常用途に使用され、サーバからは1つの論理ユニットと認識されます。 通常ボリュームの種類は、ETERNUS Web GUI/ETERNUS CLIではStandardと表示されますが、ETERNUS SF ソフトウェアではOpenと表示されます。 |
128TB(*1) |
Snap Data Volume(SDV) |
SnapOPC / SnapOPC+実行時にコピー先として使用する領域です。コピー先ごとにSDVが存在します。 |
24[MB] + コピー元ボリューム容量 × 0.1[%](*2) |
Snap Data Pool Volume(SDPV) |
Snap Data Pool(SDP)領域を構成するためのボリュームです。SDP容量は、複数のSDPVを合計したものとなります。コピー先のSDV容量を超えた更新量が発生した場合に、SDPからボリュームが補充されます。 |
2TB |
Thin Provisioning Volume(TPV) |
シン・プロビジョニングプール領域に作成する仮想ボリュームです。また、SnapOPC+実行時のコピー先としても使用されます。 |
128TB |
Flexible Tier Volume(FTV) |
階層化対象となるボリュームで、アクセス頻度に応じて自動的に小さいブロック単位でデータが再配置されます。また、FTVは、SnapOPC+実行時のコピー先としても使用されます。FTVは、Flexible Tier Poolに属します。 |
128TB |
Virtual Volumes(VVOL) |
VVOLは、VMware vSphere専用の容量仮想化ボリュームです。VVOLと仮想ディスク(VMDKファイル)を対応させることにより、運用を簡略化できます。 ボリューム種別はFTVとなります。 |
128TB |
Deduplication/Compressionボリューム |
重複排除/圧縮機能を使用する際に、サーバから見える仮想的なボリュームです。ボリューム作成時に、重複排除/圧縮を有効にすることで作成できます。サーバからは重複排除/圧縮を行う前のデータが見えます。ボリューム種別はTPVとなります。 |
128TB |
Wide Striping Volume(WSV) |
2~64個のRAIDグループに分散して配置された領域を連結した1つのボリュームです。データアクセスが分散されるため、処理が速くなります。 |
128TB |
ODXバッファーボリューム |
ODXバッファーボリュームは、Windows Server 2012以降のOffloaded Data Transfer(ODX)機能を利用する際に必要となる専用ボリュームで、コピー処理中にデータが更新された場合に、元データを退避するための領域です。 装置あたり1個まで作成できます。 ボリューム種別はStandard、TPV、FTVとなります。 |
1TB |
*1 | : | LUNコンカチネーション機能を使用して複数のボリュームを連結した場合の最大容量も128TBです。 |
*2 | : | コピー元ボリュームの容量に応じて異なります。 |
ボリュームを作成すると、自動的にフォーマットが開始されます。フォーマット中のボリュームでも、サーバからアクセス可能です。ただし、性能を要求されるアクセスを行う場合は、ボリュームフォーマットが完了してから使用してください。
ETERNUS DXでは、RAIDレベルおよびStripe Depthの設定値に応じてストライプサイズが異なります。
RAIDレベルおよびStripe Depthの設定値ごとのストライプサイズについては、『Web GUI ユーザーズガイド』を参照してください。
なお、ボリュームをストライプサイズの整数倍の容量で作成するとユーザー容量を無駄なく使用できますが、サイズを考慮しないで作成すると使用不可能な領域が残る場合があります。
シン・プロビジョニングプール(TPP)を作成すると、TPPを構成するRAIDグループ1個につき、制御用のボリュームが1個作成されます。そのため、装置内に作成可能なボリューム数の上限は、TPPを構成するRAIDグループの数だけ少なくなります。
Flexible Tier機能を有効にした時点で作業用ボリュームが64個作成されます。装置内の作成可能ボリューム数の上限は、この作業用ボリュームの数の分だけ少なくなります。
Flexible Tier Sub Pool(FTSP)を作成すると、FTSPを構成するRAIDグループ1個につき、制御用のボリュームが1個作成されます。そのため、装置内に作成可能なボリューム数の上限は、FTSPを構成するRAIDグループの数だけ少なくなります。
VVOL機能を使用する場合、VVOLを作成した時点でVVOL管理情報用のボリュームが1個作成されます。装置内の作成可能ボリューム数の上限は、このVVOL管理情報用ボリュームの数の分だけ少なくなります。