RAIDグループ

RAIDグループについて説明します。

RAIDグループとは、複数のドライブをグループ化したもので、RAIDを構成する単位となります。ETERNUS DXには、同一RAIDレベルのRAIDグループまたは異なるRAIDレベルのRAIDグループを混在で複数設定できます。RAIDグループは、作成後にRAIDレベルの変更やドライブの追加などが可能です。

表: RAIDグループの種類と用途

種類

用途

最大容量

RAIDグループ1個あたり

装置あたり

RAIDグループ

通常のデータ記憶域として使用する領域です。RAIDグループには、業務用およびアドバンスト・コピー用のボリューム(Standard、WSV、SDV、SDPV)を作成できます。

約711TB(*1)

搭載ドライブ台数による

RECディスクバッファー

コピーデータの一時的な退避先として使用するREC Consistencyモード専用の領域です。

約109TB(*2)

約218TB(*3)

約436TB(*4)

約654TB(*5)

シン・プロビジョニングプール(TPP)(*6)

シン・プロビジョニングで使用するRAIDグループで、シン・プロビジョニングプール(TPP)として管理される領域です。TPP内にはシン・プロビジョニングボリューム(TPV)を作成できます。

96PB(DX600 S6)(*8)

512PB(DX900 S6, DX8900 S6)(*8)

Flexible Tier Sub Pool(FTSP)(*7)

Flexible Tierで使用するRAIDグループで、Flexible Tier Sub Pool(FTSP)として管理される領域です。FTSPを階層化してより大きなプール(Flexible Tier Pool:FTRP)を構成します。FTSP内にはFlexible Tier Volume(FTV)を作成できます。

*1

数値は、30.72TB SAS SSDのRAID6-FR((13D+2P)×2+1HS) 構成の場合です。

RAIDレベルごとの構成ドライブ数、推奨構成については表: 1RAIDグループの構成ドライブ数と推奨ドライブ数を参照してください。

*2

数値は、30.72TB SAS SSDのRAID1+0(4D+4M) 構成の場合です。

*3

数値は、ETERNUS DX600 S6で、30.72TB SAS SSDのRAID1+0(4D+4M) 構成の場合です。装置に最大2つ搭載できます。

*4

数値は、ETERNUS DX900 S6で、30.72TB SAS SSDのRAID1+0(4D+4M) 構成の場合です。装置に最大4つ搭載できます。

*5

数値は、ETERNUS DX8900 S6で、30.72TB SAS SSDのRAID1+0(4D+4M) 構成の場合です。装置に最大6つ搭載できます。

*6

RAIDレベルごとの構成ドライブ数、推奨構成については表: TPPに登録可能なRAIDレベルと構成を参照してください。

*7

RAIDレベルごとの構成ドライブ数、推奨構成については表: FTSPに登録可能なRAIDレベルと構成を参照してください。

*8

数値は、シン・プロビジョニングプールの容量とFTSPの容量を合わせた装置あたりの最大容量です。1つのプールあたりの最大容量は48PBです。

RAIDグループを構成するドライブは、同じサイズ(2.5インチ、3.5インチ)、同じ種類(NVMe SSD、SAS SSD、SASディスク、ニアラインSASディスク、またはSED)、および同じ容量のものを使用してください。

図: RAIDグループの例
Note
  • 同一グループ内にSASディスクとニアラインSASディスクを混在できます。ただし、ディスク(SASディスクまたはニアラインSASディスク)、NVMe SSD、SAS SSD、SEDを混在させることはできません。

  • RAIDグループは、サイズ、容量、回転数(ディスクの場合)、およびアドバンスト・フォーマット対応の有無のすべてが同一のドライブで構成するようにしてください。

    • 容量の異なるドライブを同一RAIDグループ内に混在させた場合、RAIDグループ内のすべてのドライブが、RAIDグループ内の最小のドライブと同じ容量のドライブとして扱われ、容量の大きいドライブの残りの領域が使用できなくなります。

    • 回転数の異なるドライブを同一RAIDグループ内に混在させた場合、RAIDグループ内のすべてのドライブの性能が、最も低い回転数のドライブ相当になります。

  • 8TB以上のニアラインSASディスクで構成可能なRAIDレベルについては、サポートRAIDを参照してください。

1つのRAIDグループを構成する推奨ドライブ数を表: 1RAIDグループの構成ドライブ数と推奨ドライブ数に示します。

表: 1RAIDグループの構成ドライブ数と推奨ドライブ数

RAIDレベル

構成ドライブ数

推奨ドライブ数(*1)

RAID0

2~16

RAID1

2

2(1D+1M)

RAID1+0

4~32

4(2D+2M)、6(3D+3M)、8(4D+4M)、10(5D+5M)

RAID5

3~16

3(2D+1P)、4(3D+1P)、5(4D+1P)、6(5D+1P)

RAID5+0

6~32

3(2D+1P)×2、4(3D+1P)×2、5(4D+1P)×2、6(5D+1P)×2

RAID6

5~16

5(3D+2P)、6(4D+2P)、7(5D+2P)

RAID6-FR

11~31

17((6D+2P)×2+1HS)

*1

D=Data、M=Mirror、P=Parity、HS=Hot Spareを示します。

Note
  • シーケンシャルアクセス性能は、構成ドライブの数による相違はほとんどありません。

  • ランダムアクセス性能は、構成ドライブ数の数が多い方が良くなる傾向があります。

  • ドライブが故障した場合のリビルド処理は、ドライブ容量が大きいほど遅くなります。

  • RAIDレベルがRAID5, RAID5+0, またはRAID6の場合、同一RAIDグループ内のドライブの数があまり多くならないようにしてください。

    ドライブの数が多くなると、ドライブ故障時のパリティからのデータ復元処理やリビルド処理にかかる時間が増加します。

    推奨ドライブ数については、表: 1RAIDグループの構成ドライブ数と推奨ドライブ数を参照してください。

  • RECディスクバッファーに登録可能なRAIDレベルはRAID1またはRAID1+0です。RAID1+0の場合、ドライブ構成は2D+2Mまたは4D+4Mです。

    シン・プロビジョニングプールに登録可能なRAID構成、および機能の詳細は、ストレージ容量の仮想化を参照してください。

    Flexible Tier Poolに登録可能なRAID構成、および機能の詳細は、ストレージ自動階層制御を参照してください。

各RAIDグループには、担当CMが割り当てられます。詳細は、担当CMを参照してください。

RAIDグループを構成するドライブの搭載位置については、RAIDグループの推奨配置を参照してください。