REC(同期モード)を使用したリモート筐体へのミラーVolumeの作成
同期モードのREC機能を使用して、リモート筐体に業務VolumeのミラーVolume(業務Volumeと同じデータを持つVolume)を作成する運用を記載します。同期モードのREC Sessionがある業務Volumeに対してデータ書き込みを行った場合、ミラーVolumeへのデータコピーが完了したあとに業務Volumeへのデータ書き込み完了を応答するため、常に業務VolumeとミラーVolumeのデータが同一になります。そのため、業務Volumeがある筐体が被災した場合でも、ミラーVolumeによってデータを保証することができます。
業務Volumeへのデータ書き込みに同期してリモート筐体へのデータ転送を行うため、コピー経路の回線性能に応じて、業務Volumeのレスポンス性能が劣化します。リモート筐体へのデータ転送が低遅延で行える環境で使用してください。遠距離でデータ転送する場合、コピー経路の回線帯域が小さい場合、または業務Volumeへの性能影響を最小限に抑えたい場合は、非同期Consistencyモードや非同期StackモードでのREC運用を検討してください。
運用で使用するRESTful APIとサンプルスクリプト
準備
リモート筐体に業務Volumeと同じサイズのVolumeを作成し、業務Volumeと作成したVolumeの間にREC Session(同期モード)を作成します。rec_sync_create.pyを使用してください。
運用
必要な作業はありません。REC Session作成後の初期コピーが完了したあとは、常に業務VolumeとミラーVolumeのデータは一致した状態になります。
サーバの応答遅延を防止するために、一時的に転送モードを非同期Consistencyや非同期Stackに切り替えたい場合は、PATCH /copysession/{copysession_id} APIを使用してください。
リストア
ミラーVolumeから業務Volumeのデータをリストアする場合、必要に応じてコピー経路の復旧やRAID Groupの復旧を行ったうえで、REC Sessionを反転させてリモート筐体からローカル筐体にデータを転送します。REC Sessionの反転については、rec_sync_consis_recover.pyが使用できます。
削除
ミラーVolumeを削除する場合、REC Sessionを強制削除してから、コピー先Volumeを削除してください。Copy Sessionの強制削除は、DELETE /copysession/{copysession_id} APIを使用します。Volume削除は、DELETE /volume APIを使用します。詳細は、Copy Sessionの削除および複数Volumeの削除を参照してください。
REC Sessionのみ削除し、ミラーVolumeはリモート筐体で引き続き使用する場合は、REC Sessionのみを削除します。copysession_delete.pyを使用してください。
注意事項
サーバからの更新要求の遅延を防止するため、コピー先への転送処理が、コピー先側の高負荷のため遅延した場合、REC Sessionのステータスが「Error」へと遷移することがあります。この場合、データ転送遅延の原因を取り除き、「Error」となったセッションの削除と再作成を実施してください。再び「Error」に遷移した場合は、別の転送モードでの運用を検討してください。
1つの業務Volumeに対して、作成可能なミラーVolumeの数は最大で8です。SnapshotやCloneによるバックアップを併用する場合は、最大数は小さくなります。詳細は、『設計ガイド』の「利用可能なアドバンスト・コピーの組み合わせ」のマルチコピーの説明を参照してください。

