ホストレスポンス変更

概要

ホストレスポンスの設定内容を変更します。

ホストレスポンスのパラメーター設定を行う場合、詳細は各OS種別対応の『構築ガイド(サーバ接続編)』を参照してください。

Caution
  • ホストレスポンスは、パラメーターを変更後にサーバの再起動が必要になる場合があります。詳細は、パラメーターの変更条件を参照してください。

  • ホストアフィニティに適切なホストレスポンスが設定されていない場合、パスの切り替えが正しく行われなかったり、正しくボリュームが認識されなかったりするおそれがあります。

  • ホストレスポンスをカスタマイズする場合は、設定内容を理解したうえで、十分注意して作成してください。

  • ホストレスポンスの推奨パターンとデフォルト設定は変更できません。

  • ボリュームにALUA (Asymmetric Logical Unit Access) を設定している場合、本機能で設定する「Asymmetric / Symmetric Logical Unit Access」より優先されます。詳細は、「性能情報(ホストI/O)」の「ALUA」を参照してください。

Note
  • ホストグループの追加や変更時にホストレスポンスを割り当ててください。詳細は、「FCホストグループ追加」、「iSCSIホストグループ追加」、または「ホストグループ設定」を参照してください。

  • ホストの追加や変更時にホストレスポンスを割り当ててください。詳細は、「FCホスト追加」、「iSCSIホスト追加」、「FCホスト変更」、または「iSCSIホスト変更」を参照してください。

  • ホストアフィニティでホストグループまたはホストに「All」を指定したとき、CAポートに対してホストレスポンスを関連付けてください。詳細は、「ホストアフィニティ作成」または「ホストアフィニティ設定」を参照してください。

  • ホストレスポンスを新規に追加する場合は「ホストレスポンス追加」を参照してください。

パラメーターの変更条件

活性変更可のパラメーターは運用中に変更できます。活性変更不可のパラメーターを変更した場合は、変更後にサーバの再起動が必要です。

カテゴリー パラメーター 活性変更可 活性変更不可
ホストレスポンス名 名前
-
LUN設定 LUNアドレッシング -

LUN数拡張モード

(Peripheral Device Addressing)

-
ALUA設定 Asymmetric / Symmetric Logical Unit Access -
TPGSモード -
TPG Referralsモード -
Inquiryコマンド設定

Peripheral Device Type

(Peripheral Device Addressing)

-

Peripheral Device Type

(Flat Space Addressing)

-
SCSI Version -
NACA -
Device ID Type -
Product Revision -
Test Unit Readyコマンド設定 リザベーション時応答ステータス
-
センス設定 ボリュームマッピング変更通知
-
ボリューム容量変更通知
-
ベンダーユニークセンス通知
-
センス・データ変換
-
Mode Sense コマンド設定 リザベーション時応答ステータス (Write Exclusive)
-
その他設定 コマンド実行監視時間
-
Load Balance時応答ステータス
-
iSCSI Discovery応答モード
-
iSCSI リザベーション単位 -

設定内容

ホストレスポンスの設定内容を変更します。

パラメーター設定

ホストレスポンスのパラメーターを変更します。

ホストレスポンス名

項目 説明 設定値

名前

ホストレスポンス名を変更します。

すでに存在するホストレスポンス名は付けられません。

1 ~ 16文字の半角英数字記号

(ただし、","、"?"を除く)

半角スペース

LUN設定

項目 説明 設定値

LUNアドレッシング

OSごとに適切なLUNアドレッシングを選択します。

  • Peripheral device addressing (既定値)

    256 LUNのマッピングが可能なモードです。

  • Flat space addressing

    4096 LUNのマッピングが可能なモードです。

Caution
  • LUNアドレッシングに「Flat space addressing」を選択したホストレスポンスを使用する場合、CAポートあたりの接続可能なホスト数は、32台までとなります。

    そのため、対象CAポートに接続するホスト数が32台を超過しないようにしてください。超過した場合、対象CAポートに関連付けられているいずれかのホストから、ボリュームへのアクセスができなくなる場合があります。

Peripheral device addressing (既定値)

Flat space addressing

LUN数拡張モード

(Peripheral Device Addressing)

LUN数拡張モードを選択します。

  • マッピング可能な最大LUNを4096まで拡張する場合、「有効にする」を選択します。

  • マッピング可能な最大LUNを拡張しない場合、「無効にする (既定値)」を選択します。

Caution
  • 「LUN数拡張モード (Peripheral Device Addressing)」を使用できる環境には制限があります。詳細は、『構築ガイド(サーバ接続編)』(*1)の「ホストレスポンス設定」を参照してください。

  • LUN数拡張モード (Peripheral Device Addressing) に「有効にする」を選択したホストレスポンスを使用する場合、CAポートあたりの接続可能なホスト数は、32台までとなります。

    そのため、対象CAポートに接続するホスト数が32台を超過しないようにしてください。超過した場合、対象CAポートに関連付けられているいずれかのホストから、ボリュームへのアクセスができなくなる場合があります。

  • ホストレスポンスの「LUNアドレッシング」と「LUN数拡張モード (Peripheral Device Addressing)」の設定により、ホストから参照できるLUN数が決まります。すでにホストアフィニティ設定しているホストグループまたはホストに割り当てたホストレスポンスを変更する場合は、LUNの設定状態を確認してください。LUN#256以上を使用している場合、参照可能なLUNが「256 LUN」の設定(*2)に変更できません。 詳細は、「ホストレスポンスと参照可能なLUN数」を参照してください。

*1  :  『構築ガイド(サーバ接続編)ファイバチャネル/ETERNUS AF series, ETERNUS DX200F オールフラッシュアレイ, ETERNUS DX S6/S5/S4/S3 series ハイブリッドストレージシステム 設定用』のことです。
*2  :  LUNアドレッシングに「Peripheral device addressing (既定値)」を設定し、かつLUN数拡張モード (Peripheral Device Addressing) に「無効にする (既定値)」を設定した状態
Note
  • 本項目は、LUNアドレッシングが「Peripheral device addressing (既定値)」の場合だけ有効になります。

有効にする

無効にする (既定値)

ALUA設定

項目 説明 設定値

Asymmetric / Symmetric Logical Unit Access

ホストからボリュームへのアクセス形態を選択します。

  • ACTIVE-ACTIVE/PREFERRED_PATH

    ボリュームごとに推奨パスと非推奨パスがあります。ボリュームが属するRAIDグループの担当CMに搭載されたCAポートを推奨パス、そのほかを非推奨パスとすることで、CM間のデータ移動(クロスアクセス)を低減できます。

  • ACTIVE/ACTIVE

    ボリュームへのすべてのパスを推奨パスとするため、どのパスが使用されるかはマルチパスドライバに依存します。

Caution
  • 本項目はTPGSモードに「有効にする (既定値)」を選択した場合だけ有効です。ただし、ETERNUS Multipath Driver を使用している場合は、TPGSモードの設定に関係なく有効になります。

  • ETERNUS DX600 S6またはETERNUS DX8100 S6の場合、「ACTIVE/ACTIVE」を設定すると、CM間のデータ移動が発生し、十分な性能が得られないおそれがあります。

ETERNUS DX900 S6またはETERNUS DX8900 S6の場合

ACTIVE-ACTIVE/PREFERRED_PATH

ACTIVE/ACTIVE (既定値)

ETERNUS DX600 S6またはETERNUS DX8100 S6の場合

ACTIVE-ACTIVE/PREFERRED_PATH (既定値)

ACTIVE/ACTIVE

TPGSモード

TPGS (Target Port Group Support) モードを「有効にする (既定値)」か、「無効にする」かを選択します。

TPGSは、マルチパス制御でALUA (Asymmetric Logical Unit Access) を実現するための規格です。ボリューム単位にパス状態(推奨/非推奨)をホストに通知することにより、マルチパス制御のパス選択条件とします。TPGSモードに「無効にする」を選択した場合、どのパスが使用されるかはマルチパスドライバに依存します。

有効にする (既定値)

無効にする

TPG Referralsモード

TPG Referrals を「有効にする」か、「無効にする (既定値)」かを選択します。

TPG Referrals とは、クロスアクセスが発生しないように ETERNUS Multipath Driver でボリュームアクセス時の優先パスをブロックごとに決定する機能です。

Caution
  • 「有効にする」を選択した場合、以下の条件をすべて満たすときだけ TPG Referrals が動作します。
    • TPG Referrals に対応した ETERNUS Multipath Driver を使用している

    • TPGSモードに「有効にする (既定値)」を選択している

  • 対象となるボリュームタイプは、StandardWSVTPVFTV、およびStandard(LUNコンカチネーション)です。

有効にする

無効にする (既定値)

Inquiryコマンド設定

項目 説明 設定値

Peripheral Device Type

(Peripheral Device Addressing)

LUNアドレッシングが「Peripheral device addressing (既定値)」の場合、未接続 LUNに対する Peripheral Device Type を選択します。

Note
  • 本項目は、LUNアドレッシングが「Peripheral device addressing (既定値)」の場合だけ設定できます。

No Device Type (3Fh) (既定値)

Not Supported (7Fh)

Not Connected (20h)

Peripheral Device Type

(Flat Space Addressing)

LUNアドレッシングが「Flat space addressing」の場合、LUN0 に対する Peripheral Device Type を選択します。

Note
  • 本項目は、LUNアドレッシングが「Flat space addressing」の場合だけ設定できます。

No Device Type (3Fh) (既定値)

Controller Device (0Ch)

SCSI Version

装置に実装された SCSI仕様のVersionを選択します。

Version 6 (既定値)

Version 5

Version 4

Version 3

NACA

NACA (Normal Auto Contingent Allegiance) bit をオンにする場合は「有効にする」を、オフにする場合は「無効にする (既定値)」を選択します。

有効にする

無効にする (既定値)

Device ID Type

ボリュームの識別情報の形式を選択します。

Type3 (既定値)

Type1

Type1 + Type3

Product Revision

Product Revisionとしてファームウェアバージョンを応答するかどうかを選択します。「応答しない (既定値)」を選択すると、Product Revision を固定値(0000)で応答します。

応答する

応答しない (既定値)

Test Unit Readyコマンド設定

項目 説明 設定値

リザベーション時応答ステータス

ほかのホストからボリュームがリザーブされている場合、そのボリュームに対してコマンドを受信したときの応答ステータスを選択します。

GOOD (既定値)

RESERVATION CONFLICT

センス設定

項目 説明 設定値

ボリュームマッピング変更通知

ホストアフィニティ設定しているLUNグループにボリュームを追加した際、ホストに通知する場合は「有効にする (既定値)」を、通知しない場合は「無効にする」を選択します。

有効にする (既定値)

無効にする

ボリューム容量変更通知

ボリュームの容量を変更した際、ホストに通知する場合は「有効にする (既定値)」を、通知しない場合は「無効にする」を選択します。

有効にする (既定値)

無効にする

ベンダーユニークセンス通知

装置内モジュールの縮退などを通知する非同期のセンスをホストに通知する場合は「有効にする」を、通知しない場合は「無効にする (既定値)」を選択します。

Caution
  • 通知するセンス・データのセンスコードはベンダー独自のコードを使用します。ホストで装置の状態監視を行わない場合は、本項目に「有効にする」を選択しないでください。

有効にする

無効にする (既定値)

センス・データ変換

センス・データをそのままホストに送信するか、カスタマイズして送信するかを選択します。

  • 変換なし (既定値)

    センス・データをそのままホストに送信します。

  • カスタマイズ

    センス・データをカスタマイズしてホストに送信します。

    「カスタマイズ」を選択すると、センス・データ変換の設定欄が表示されます。

    • From 側 SK/ASC/ASCQ

    • To 側 SK/ASC/ASCQ

Note
  • [ 追加 ] ボタンをクリックして、変換対象のSK/ASC/ASCQを「From側」に、変換先のSK/ASC/ASCQを「To側」に入力します。

    「From側 SK/ASC/ASCQ」と「To側 SK/ASC/ASCQ」はセットで指定します。「From側 SK/ASC/ASCQ」に一致するセンス・データは指定した「To側 SK/ASC/ASCQ」に置き換えられます。

    「*」はワイルドカードを示し、その部分はすべての値が対象になります。

    センス・データ変換の最大数は、8パターンです。

    リンクをクリックすると、設定内容を変更できます。

    • SK (Sense Key):

      センス情報のセンスキー部を示します。

      0 - f、または「*」

    • ASC (Additional Sense Code):

      センス情報のセンスコード部を示します。

      0 - ff、または「*」

    • ASCQ (Additional Sense Code Qualifier):

      センス情報のサブセンスコード部を示します。

      0 - ff、または「*」

    【例1】センス情報 (4/f1/0) は、(4/f1/1) に変換してからホストに応答します。

           • From側 SK/ASC/ASCQ:4/f1/0

           • To側 SK/ASC/ASCQ:4/f1/1

    【例2】センス情報 (4/f1/0 - ff) は、(6/f1/0 - ff) に変換してからホストに応答します。

            「*」は「0 - ff」のすべてのパターンを表します。「*」の部分は変換されません。

           • From側 SK/ASC/ASCQ:4/f1/*

           • To側 SK/ASC/ASCQ:6/f1/*

変換なし (既定値)

カスタマイズ

Mode Sense コマンド設定

項目 説明 設定値

リザベーション時応答ステータス (Write Exclusive)

ホストからボリュームが「Write Exclusive」でリザーブされている場合、そのボリュームに対して Mode Senseコマンドを受信したときの応答ステータスを選択します。

「Write Exclusive」は、リザベーションタイプです。詳細は、「リザベーション」を参照してください。

  • GOOD

  • RESERVATION CONFLICT(既定値)

Caution
  • Veritas InfoScale(旧 Symantec Storage Foundation)を使用する場合は、本項目に「GOOD」を選択してください。

GOOD

RESERVATION CONFLICT(既定値)

その他設定

項目 説明 設定値

コマンド実行監視時間

コマンドタイムアウト時間を以下から選択します。

  • 既定値 (25秒)

    25 秒を設定します。

  • カスタマイズ

    10 ~ 255(秒)の範囲で設定します。

既定値 (25秒)

カスタマイズ(10 ~ 255秒)

Load Balance時応答ステータス

Load Balance機能の応答ステータスを選択します。

Caution
  • 本項目は、サブシステムパラメーターの「Load Balance」に「有効にする」を選択した場合だけ有効になります。

CHECK CONDITION / UNIT ATTENTION (既定値)

BUSY

TASK SET FULL

iSCSI Discovery応答モード

iSCSI Discovery要求に対する応答モードを選択します。

  • 装置内全iSCSI Port情報応答 (既定値)

    全iSCSIポートの情報(iSCSI Name と IPアドレス)でサーバに応答します。

  • Discovery要求受信Port情報のみ応答

    要求されたiSCSIポートだけの情報(iSCSI Name と IPアドレス)でサーバに応答します。

装置内全iSCSI Port情報応答 (既定値)

Discovery要求受信Port情報のみ応答

iSCSI リザベーション単位

iSCSI接続のリザベーション管理単位を選択します。

  • 装置 (既定値)

    装置単位にリザベーション(ボリュームの占有)状態を管理します。

  • CAポート

    CAポート単位にリザベーション(ボリュームの占有)状態を管理します。

装置 (既定値)

CAポート

機能ボタン

項目 説明

[ 追加 ]

センス・データ変換パターンを追加します。

[ 追加 ] ボタンは「センス・データ変換」で「カスタマイズ」を選択した場合にだけ表示されます。

ただし、センス・データ変換パターンを最大数作成済みの場合、[ 追加 ] ボタンはクリックできません。

[ 削除 ]

センス・データ変換一覧から該当領域のセンス・データ変換パターンを削除します。

[ 削除 ] ボタンは「センス・データ変換」で「カスタマイズ」を選択した場合にだけ表示されます。

ただし、追加したセンス・データ変換パターンが1つもない場合、[ 削除 ] ボタンは表示されません。

機能リンク

項目 説明

[ From側 SK/ASC/ASCQ ]

該当センス・データ変換パターンを変更します。

[ To側 SK/ASC/ASCQ ]

操作手順

ホストレスポンスを変更します。

  1. 変更するホストレスポンスを選択し、[ アクション ] から「ホストレスポンス変更」をクリックします。

  2. ホストレスポンス名または各項目を変更してから、[ 設定 ] ボタンをクリックします。

    → 確認画面が表示されます。

    Caution
    • 以下の場合、エラー画面が表示されます。
      • 「名前」が入力条件を満たしていない

      • 「名前」が、既存のホストレスポンス名と重複している

      • 参照できないLUNが存在する

  3. [ OK ] ボタンをクリックします。

    → ホストレスポンスの変更が開始されます。

  4. [ 完了 ] ボタンをクリックして、[ ホストレスポンス ] 画面に戻ります。