コピーテーブルサイズ設定

概要

CMのキャッシュメモリ上に、装置のファームウェアが使用するコピーテーブルのサイズを設定します。このコピーテーブルは、アドバンスト・コピーセッションおよびVeeamセッション利用時に、コピーの進捗を管理するための領域として使用されます。

Caution
  • 本機能を実行するには、アドバンスト・コピー機能のライセンスの登録が必要です。

  • コピーテーブルサイズが0MBの場合、コピー機能は使用できません。初期状態(工場出荷時)では、コピーテーブルサイズが 0 MB に設定されています。コピーテーブルサイズを変更してください。

  • コピーテーブルサイズを減少させる場合は、コピーセッション を停止してから実行してください。コピーセッションを確認する場合は、「アドバンスト・コピー」を参照してください。

  • キャッシュメモリは、コピーテーブルのほか、RECバッファー、シン・プロビジョニング機能 (*1)、Storage Cluster機能 (*1)、および無停止ストレージマイグレーション機能で使用されています。そのため、以下によってはモデルごとの最大容量まで設定できない場合があります。

    • 装置に搭載したメモリ容量

    • RECバッファーのサイズ

    • 最大プール容量

    • TFOVの最大総容量 (*2)

    • 無停止ストレージマイグレーション機能のライセンス登録

    *1  :  以下の場合、キャッシュメモリの共用領域を使用します。
    • 最大プール容量を「1.5 PB」以上に拡張している

    • TFOVの最大総容量 (*2) をデフォルト容量から拡張している

      モデルごとのデフォルト容量は、「システム」の「Storage Cluster」の説明を参照してください。

    *2  :  Storage Cluster機能で使用するボリュームの装置あたりの最大総容量のことです。
  • コピーテーブルサイズが不足した場合、コピーセッションは、エラーになります。事前に「テーブルサイズ閾値」を設定して、コピーテーブルの使用率を監視してください。使用率が閾値を超えたときに自動的に通知を行う場合は、「イベント通知設定」で通知方法を指定しておく必要があります。

  • 倍率はできるだけ小さな値にしてください。倍率を大きくした場合、性能が低下することがあります。ただし、コピー対象領域について将来の増加が予測できない場合、最大倍率を選択してください。

  • RECのコピー元装置の倍率とコピー先装置の倍率を同一にしてください。倍率が異なる装置間のRECは実行できません。なお、コピーテーブルサイズは同一にする必要はありません。コピー元装置とコピー先装置で算出した倍率が異なる場合は、両装置の倍率を大きな方の値に合わせてください。倍率を変更した場合は、コピーテーブルサイズを再計算して設定してください。

Note
  • 倍率を変更した場合、次コピーセッション起動時から有効になります。すでに実行中のコピーセッションは、そのセッション起動時の倍率でコピーを続行します。リストアOPCは対象セッションと同じ倍率で動作します。倍率変更前から実行中のコピーセッションのリストアOPCは、実行中のコピーセッションと同じ倍率になります。実行中のコピーセッションに変更した倍率を適用する場合は、対象のコピーセッションをキャンセル後、再度コピーセッションを起動してください。

  • テーブルサイズやテーブルサイズ閾値を変更した場合、即時有効になります。

  • 現在のコピーテーブルサイズを確認できます。詳細は「設定(アドバンスト・コピー)」を参照してください。

  • 以下の機能は、コピーテーブルサイズの設定は不要です。

    • ODX

    • XCOPY

    • Storage Cluster

    • VVOL (Virtual Volume) を使用したコピー

設定内容

アドバンスト・コピーテーブルサイズを設定します。「コピー容量」と「セッション数」からアドバンスト・コピーテーブルサイズの推奨値を見積もる場合は、[ 推奨値を計算する ] ボタンをクリックしてください。

アドバンスト・コピーテーブルサイズ設定

項目 説明 設定値

倍率

コピーテーブルの倍率を選択します。

×1 (初期値)

×2

×4

×8

×16

×32

×64

テーブルサイズ

コピーテーブルサイズを選択します。

コピーテーブルは、装置に搭載したメモリ容量および使用可能なキャッシュメモリ容量(RECバッファーへの割り当て量など、現在使用されている容量を差し引いた容量)から計算された最大サイズまでしか設定できません。

各モデルの最大コピーテーブルサイズは以下のとおりです。

ETERNUS DX600 S6

0(初期値)~ 4096 MB(8の整数倍)

ETERNUS DX900 S6

0(初期値)~ 12288 MB(8の整数倍)

ETERNUS DX8100 S6

0(初期値)~ 1024 MB(8の整数倍)

ETERNUS DX8900 S6

0(初期値)~ 12288 MB(8の整数倍)

テーブルサイズ閾値

テーブルサイズの使用率の閾値を選択します。

1 ~ 100 %

80 %(初期値)

[ 推奨値を計算する ]

「倍率」と「テーブルサイズ」を計算するため、「コピー総容量」と「セッション数」を入力して、[ 計算 ] ボタンをクリックします。

OPC、QuickOPC、SnapOPC、SnapOPC+ を使用する場合、通常は「リストアOPCを使用する」の「コピー総容量」と「セッション数」を設定してください。

項目 説明 設定値

コピー総容量

(リストアOPCを使用しない)

リストアOPCを使用しない場合のコピー容量の総和 (*1) を入力します(単位:GB)。

対象となるアドバンスト・コピーは以下のとおりです。

  • EC

  • REC

  • リストアOPCを使用しないOPC、QuickOPC、SnapOPC、SnapOPC+

半角数字 [GB]

(10進数)

コピー総容量

(リストアOPCを使用する)

リストアOPCを使用する場合のコピー容量の総和 (*1) を入力します(単位:GB)。

対象となるアドバンスト・コピーは以下のとおりです。

  • リストアOPCを使用するOPC、QuickOPC、SnapOPC、SnapOPC+

半角数字 [GB]

(10進数)

セッション数

(リストアOPCを使用しない)

リストアOPCを使用しない場合のセッション数の総和 (*1) を入力します。

対象となるアドバンスト・コピーは以下のとおりです。

  • EC

  • REC

  • リストアOPCを使用しないOPC、QuickOPC、SnapOPC、SnapOPC+

ETERNUS DX600 S6:0 ~ 8192

ETERNUS DX900 S6:0 ~ 32768

ETERNUS DX8100 S6:0 ~ 4096

ETERNUS DX8900 S6:0 ~ 32768

空白(初期値)

セッション数

(リストアOPCを使用する)

リストアOPCを使用する場合のセッション数の総和 (*1) を入力します。

対象となるアドバンスト・コピーは以下のとおりです。

  • リストアOPCを使用するOPC、QuickOPC、SnapOPC、SnapOPC+

*1  :  「コピー総容量」と「セッション数」には、それぞれの総和を入力します。

(例1)10 GB、20 セッションの OPC(リストアOPCを使用する)と 5 GB、10 セッションの QuickOPC(リストアOPCを使用する)を実行する場合

       コピー容量(リストアOPCを使用する)

         = OPCのコピー容量 (10 GB × 20 セッション) + QuickOPCのコピー容量 (5 GB × 10 セッション)

         = 200 GB + 50 GB = 250 GB

       セッション数(リストアOPCを使用する)

         = OPCのセッション数 (20 セッション) + QuickOPCのセッション数 (10 セッション)

         = 30 セッション

(例2)10 GB、20 セッションの OPC(リストアOPCを使用しない)と 5 GB、10 セッションの QuickOPC(リストアOPCを使用する)を実行する場合

       コピー容量(リストアOPCを使用しない)

         = OPCのコピー容量 (10 GB × 20 セッション) = 200 GB

       セッション数(リストアOPCを使用しない)

         = OPCのセッション数 (20 セッション) = 20 セッション

       コピー容量(リストアOPCを使用する)

         = QuickOPCのコピー容量 (5 GB × 10 セッション) = 50 GB

       セッション数(リストアOPCを使用する)

         = QuickOPCのセッション数 (10 セッション) = 10 セッション

アドバンスト・コピーテーブルサイズ 推奨値

計算された倍率とテーブルサイズが表示されます。

項目 説明

倍率

計算された倍率が表示されます。

×1

×2

×4

×8

×16

×32

×64

テーブルサイズ

計算されたアドバンスト・コピーテーブルサイズが表示されます。

ETERNUS DX600 S6:0 ~ 4096 MB

ETERNUS DX900 S6:0 ~ 12288 MB

ETERNUS DX8100 S6:0 ~ 1024 MB

ETERNUS DX8900 S6:0 ~ 12288 MB

機能ボタン

ボタン 説明

[ 推奨値を計算する ]

「倍率」と「テーブルサイズ」を自動で計算します。

クリックすると、「推奨値を計算する」ダイアログボックスが表示されます。

[ 計算 ]

入力した内容から、「倍率」と「テーブルサイズ」を自動で計算します。

操作手順

手動で設定する場合

  1. [ アクション ] から「コピーテーブルサイズ設定」をクリックします。

  2. 各項目を設定し、[ 設定 ] ボタンをクリックします。

    → 確認画面が表示されます。

    Note
  3. [ OK ] ボタンをクリックします。

    → コピーテーブルサイズの設定が開始されます。

  4. [ 完了 ] ボタンをクリックして、[ 設定 ] 画面に戻ります。

自動で設定する場合

  1. [ アクション ] から「コピーテーブルサイズ設定」をクリックします。

  2. [ 推奨値を計算する ] ボタンをクリックします。

    → [ 推奨値を計算する ] ダイアログボックスが表示されます。

  3. 必要な情報を入力し、[ 計算 ] ボタンをクリックします。

    → 「倍率」と「テーブルサイズ」が自動で計算されます。

    Note
    • 算出される設定値は、コピーテーブルをほぼ100 % 使用することを前提とした「倍率」と「テーブルサイズ」です。

    • [ 推奨値を計算する ] ボタンを使用すると、コピー容量が少し増加しても対応できるように「倍率」と「テーブルサイズ」を算出します。そのため、[ コピーテーブルサイズの算出方法 ] で算出した値よりも少し大きくなります。

  4. [ OK ] ボタンをクリックします。

    → アドバンスト・コピーテーブルサイズ設定の「倍率」と「テーブルサイズ」に計算値が反映されます。

  5. テーブルサイズ閾値を選択し、[ 設定 ] ボタンをクリックします。

    → 確認画面が表示されます。

  6. [ OK ] ボタンをクリックします。

    → コピーテーブルサイズの設定が開始されます。

  7. [ 完了 ] ボタンをクリックして、[ 設定 ] 画面に戻ります。

[ コピーテーブルサイズの算出方法 ]

アドバンスト・コピーを管理するために必要なメモリ領域をテーブルサイズとしてあらかじめ確保します。テーブルサイズと倍率は、コピー容量とコピーを同時に動作させるセッション数(ボリューム数)により決定します。

(テーブルサイズ (S))[MB] = (S1) + (S2)

S1:EC / REC、リストアOPC を行わないOPC / QuickOPC / SnapOPC / SnapOPC+のテーブルサイズ (MB) を指します。

S2:リストアOPC を行うOPC / QuickOPC / SnapOPC / SnapOPC+のテーブルサイズ (MB) を指します。

  • 上記の計算式で算出された値を8の整数倍に切り上げた値を設定してください。

  • 上記の計算式で算出されたコピーテーブル容量は、各CMで確保されます。

  • テーブルサイズ(S) が最大容量を超える場合は、最大容量以下になるように倍率(M) を調整してください。なお、倍率(M) はできるだけ小さな値にしてください。

Caution
  • RECのコピー元装置の倍率(M) とコピー先装置の倍率(M) を同一にしてください。倍率(M) が異なる装置間のRECは実行できません。なお、コピーテーブルサイズ(S) は同一にする必要はありません。コピー元装置とコピー先装置で算出した倍率(M) が異なる場合は、両装置の倍率(M) を大きな方の値に合わせてください。倍率(M) を変更した場合は、コピーテーブルサイズ(S) を再計算して設定してください。

Note
  • 算出される設定値は、コピーテーブルをほぼ100 % 使用することを前提とした「倍率 (M)」と「テーブルサイズ (S)」です。

  • コピー量の増加が予想できる場合は、増加分を考慮したテーブルサイズの設定を推奨します。

  • コピーセッションが存在中に倍率を変更する場合、すでに実行中のコピーセッションは、変更前の倍率で算出します。倍率変更後に設定するコピーセッションは、変更後の倍率で算出します。

EC / REC、リストアOPC を行わないOPC / QuickOPC / SnapOPC / SnapOPC+ テーブルサイズ (S1)

M:倍率(装置内で共通の値が使用されます。できる限り1 倍で見積もってください。)

C1:EC / REC、リストアOPC を行わないOPC / QuickOPC / SnapOPC / SnapOPC+ コピー容量 (*1) [GB]

N1:EC / REC、リストアOPC を行わないOPC / QuickOPC / SnapOPC / SnapOPC+ セッション数

S1 [MB] = ((2 × C1 ÷ M) + N1) × 8 [KB] ÷ 1024(小数点以下切り上げ)

リストアOPC を行うOPC / QuickOPC / SnapOPC / SnapOPC+ テーブルサイズ (S2)

M:倍率(装置内で共通の値が使用されます。できる限り1 倍で見積もってください。)

C2:リストアOPC を行うOPC / QuickOPC / SnapOPC / SnapOPC+ コピー容量 (*1) [GB]

N2:リストアOPC を行うOPC / QuickOPC / SnapOPC / SnapOPC+ セッション数

S2 [MB] = ((2 × C2 ÷ M) + N2) × 2 × 8 [KB] ÷ 1024(小数点以下切り上げ)
*1  :  EC、OPC、QuickOPC、SnapOPC、SnapOPC+およびRECのコピー元の場合は、1装置内にコピー元として定義したボリューム(スライスまたはパーティション)を合計した容量のことです。RECのコピー先の場合は、1装置内にコピー先として定義したボリューム(スライスまたはパーティション)を合計した容量のことです。

該当装置を「EC、OPC、QuickOPC、SnapOPC、SnapOPC+またはRECのコピー元」と「RECのコピー先」の両方に使用している場合は、両容量の合計になります。

マルチコピーを使用する場合は、マルチコピーのコピー元ボリューム(スライスまたはパーティション)容量にマルチコピー先のボリューム数を乗じた容量をマルチコピーのコピー元ごとに合計します。同様に、SnapOPC+の世代管理を使用する場合は、コピー元ボリューム(スライスまたはパーティション)容量にコピー先の世代数を乗じた容量をコピー元ごとに合計します。