利用可能なアドバンスト・コピーの組み合わせ

アドバンスト・コピーでは各種コピーを組み合わせて使用することができます。

リストアOPC

OPC / QuickOPC / SnapOPC / SnapOPC+実行指示後、コピー先からコピー元へOPCを実施することで、データをリストアすることができます。OPCのため、論理コピーは瞬時に完了します。

OPC / QuickOPCは、バックグラウンドで物理コピーが動作中であっても、コピー先からのリストアが可能です。

図: リストアOPC

EC / REC反転

EC / RECにて、コピー元とコピー先を反転させることでリストアを実施することができます。

図: EC / REC反転

マルチコピー

1つのコピー元領域に対してコピー先を複数設定して、複数のバックアップを採取することができます。

コピー元領域の開始位置と終了位置が一致していないコピーセッションであっても、コピー元領域の重複している領域についてはマルチコピーが行えます。

図: マルチコピーのコピー対象に示すマルチコピーの場合、コピーセッション1でコピーする範囲がすべてマルチコピー対象になります。

コピーセッション1とコピーセッション2がEC / RECの場合、コピー元の領域Aへの更新(更新1)は、コピー先1とコピー先2の両方へコピーされます。

コピー元の領域A以外への更新(更新2)は、コピー先2だけにコピーされます。

図: マルチコピーのコピー対象

マルチコピーを形成するコピーセッションは、OPC / QuickOPC / SnapOPC / EC / RECであれば最大8つまで設定できます。

図: マルチコピー

SnapOPC+については、設定済みのマルチコピーのセッションが7つ以内であれば、同一のコピー元領域へSnapOPC+のコピーセッションを最大世代まで設定することができます。

図: マルチコピー(SnapOPC+を含む場合)

なお、Consistencyモードの場合、同一のコピー元領域から同一装置内の2つ以上のコピー先領域をマルチコピーのコピー先に指定することはできません。コピー先が異なる装置であれば、同一のコピー元領域から複数のコピー先領域をマルチコピーのコピー先に指定することができます。

図: マルチコピー(Consistencyモードの場合)

ConsistencyモードのRECセッションでカスケードコピーする場合、コピー先筐体が同じであるConsistencyモードのRECセッションと、コピー元でつながりを持たないようにしてください。

図: マルチコピー(ConsistencyモードのRECセッションでカスケードコピーを行う場合1)
図: マルチコピー(ConsistencyモードのRECセッションでカスケードコピーを行う場合2)

カスケードコピー

コピーセッションが設定されているコピー先を、別のコピーセッションのコピー元とすることができます。

カスケードコピーは、2つのコピーセッションを組み合わせて行います。

図: カスケードコピーに示すように、コピー先の領域が別のコピーセッションのコピー元となっているコピーを「コピーセッション1」、コピー先かつコピー元の領域を別のコピー先にコピーするセッションを「コピーセッション2」とします。

カスケードコピーでは、コピーセッション1のコピー先領域とコピーセッション2のコピー元領域が一致または包含している必要があります。

また、対象のボリュームがすべて同じサイズ、またはコピーセッション2のコピー先ボリュームがほかのボリュームより大きい場合に、カスケードコピーが可能です。

図: カスケードコピー

すでにコピーが設定済みのコピー先ボリュームに対して、コピーを追加する場合の組み合わせを表: 組み合わせ可能なカスケードコピー(セッション1, 2の順にカスケードコピーする場合)に示します。

表: 組み合わせ可能なカスケードコピー(セッション1, 2の順にカスケードコピーする場合)

コピーセッション2

コピーセッション1

OPC

QuickOPC

SnapOPC

SnapOPC+

EC

REC同期転送

REC Stackモード

REC Consistencyモード

OPC

○(*1)

○(*1)

○(*1)

×

QuickOPC

○(*1)

○(*1)(*2)

○(*1)

×

SnapOPC

○(*1)

○(*1)

×

×

SnapOPC+

○(*1)

○(*1)

×

EC(*3)

×

REC同期転送(*3)

×

○(*4)

REC Stackモード(*3)

×

REC Consistencyモード(*3)

×

×

○(*4)

○:可能、×:不可能

*1

コピーセッション2がOPC / QuickOPC / SnapOPC / SnapOPC+の場合、コピーセッション1のコピー元が保持するデータではなく、コピーセッション1のコピー先が保持するデータをバックアップします。

*2

コピーセッション1の再コピー要求(全データコピー完了後の更新分のコピー要求)を実施する場合、差分データサイズを表: QuickOPCの倍率ごとの差分データサイズのサイズにしてください。

例えば、QuickOPCを倍率2倍で作成した場合、差分データサイズを2TB未満にします。QuickOPCの「倍率」は、[アドバンスト・コピー(QuickOPCセッション)]画面で確認できます。

表: QuickOPCの倍率ごとの差分データサイズ

倍率

1

2

4

8

16

32

64

差分データサイズ

1TB未満

2TB未満

4TB未満

8TB未満

16TB未満

32TB未満

64TB未満

サイズ以上の再コピー要求を実施すると、再コピー要求のコマンドがタイムアウトとなり、失敗する場合があります。コピーセッション1の現在の「差分データサイズ」は、[アドバンスト・コピー(QuickOPCセッション)]画面で確認できます。コピーセッション1がエラーになったら、以下のいずれかの運用に変更してください。

  • QuickOPCのカスケード運用を継続する場合

    コピーセッション2のフェーズが「Tracking」になってから、コピーセッション1を削除します。装置のコピー倍率を変更後、コピーセッション1を再作成します。倍率の変更については、『Web GUI ユーザーズガイド』の「コピーテーブルサイズ設定」を参照してください。

  • 一時的なリカバリー用途の場合

    QuickOPC(コピーセッション1)とOPC(コピーセッション2)のカスケードコピー運用に変更してください。

  • 2世代バックアップ運用の場合

    QuickOPCとQuickOPCのマルチコピー運用に変更してください。

*3

コピーセッション2がEC / RECのときに一時切り離し(Suspend)状態にしたい場合は、コピーセッション1の物理コピーが完了してからSuspendコマンドを実施してください。

*4

コピーセッション1がREC Consistencyモードの場合、コピーセッション1のデータ転送の順序性は保証されますが、コピーセッション2のデータ転送の順序性は保証されません。

すでにコピーが設定済みのコピー元ボリュームに対して、コピーを追加する場合の組み合わせを表: 組み合わせ可能なカスケードコピー(セッション2, 1の順にカスケードコピーする場合)に示します。

表: 組み合わせ可能なカスケードコピー(セッション2, 1の順にカスケードコピーする場合)

コピーセッション1

コピーセッション2

OPC

QuickOPC

SnapOPC

SnapOPC+

EC

REC同期転送

REC Stackモード

REC Consistencyモード

OPC

QuickOPC

○(*1)

SnapOPC

×

×

×

×

×

×

×

×

SnapOPC+

×

×

×

×

×

×

×

×

EC

REC同期転送

REC Stackモード

REC Consistencyモード

○(*2)

○(*2)

○:可能、×:不可能

*1

コピーセッション1の再コピー要求時の差分データサイズにより、適切な倍率が異なります。 詳細は、表: 組み合わせ可能なカスケードコピー(セッション1, 2の順にカスケードコピーする場合)の注釈「*2」を参照してください。

*2

コピーセッション1がREC Consistencyモードの場合、コピーセッション1のデータ転送の順序性は保証されますが、コピーセッション2のデータ転送の順序性は保証されません。

Caution
  • コピーセッション1のコピーの種類がXCOPYまたはODXの場合は、カスケードコピーが可能です。また、XCOPYまたはODXのコピー先であり、かつコピーセッション2 のコピー元である領域は、完全に一致した領域でなくてもかまいません。例えば、コピーセッション2のコピー元は、コピーセッション1のコピー先の一部であってもカスケードコピーを実行できます。

    なお、カスケードコピーのコピーセッション2には、XCOPYまたはODXを設定できません。

  • XCOPYおよびODXについてはサーバ連携機能を参照してください。

  • コピーセッション2のコピー先で有効なバックアップデータを取得するには、カスケードコピーを構成するすべてのコピーセッションで、物理コピーが完了または一時切り離し(Suspend)状態になっている必要があります。バックアップデータ利用時はコピーセッション1とコピーセッション2のコピー状況を確認してください。

    ただし、セッション1, 2の順にカスケードコピーし、コピーセッション1がOPC / QuickOPCでコピーセッション2がOPC / QuickOPC / SnapOPC / SnapOPC+の場合、物理コピー中でもコピーセッション2のコピー先データを利用することができます。

  • コピーセッション1がEC / RECで、コピーセッション2がOPC / QuickOPC / SnapOPC / SnapOPC+の場合、コピーセッション1を等価状態または一時切り離し(Suspend)状態にしてから、コピーセッション2を設定することを推奨します。

  • コピーセッション1のOPC / QuickOPCセッションを物理コピー中に停止する場合、コピーセッション2がOPC / QuickOPC / SnapOPC / SnapOPC+のときは、事前にコピーセッション2を停止しておいてください。

  • コピーセッション2がEC / RECの場合、コピーセッション1の物理コピーが完了するまでコピーセッション2は等価状態に遷移しません。ECの場合は等価状態に遷移するまでコピーセッションを一時切り離し(Suspend)できないため、注意してください。

  • セッション1, 2の順にカスケードコピーし、コピーセッション1がOPC / QuickOPCの場合、コピーセッション2のコピー先ボリュームにはコピーセッション2を起動したときの中間ボリューム(コピーセッション1のコピー先ボリューム)の論理的なデータがコピーされます。論理的なデータコピーを以下に示します。

以下の組み合わせでは、3つのコピーセッションでカスケードコピーを実行できます。

図: カスケードコピー(3つのコピーセッション実行時)

以下の組み合わせでは、4つのコピーセッションでカスケードコピーを実行できます。

ただし、コピー先筐体側の2つのECは、同時にActiveにすることはできません。

図: カスケードコピー(4つのコピーセッション実行時)

すでに2つのコピーセッションでカスケードコピーしているコピー元ボリュームを、別のコピーセッションのコピー先にすることができます。

図: カスケードコピー(カスケードコピーのコピー元に別のコピーセッションを追加)

すでに2組のコピーセッションが設定されているとき、1組目のコピー先ボリュームを別のコピーセッションのコピー元にすることができます。

図: カスケードコピー(2組のコピーセッション間に別のコピーセッションを追加)

以下の組み合わせでは、3つのコピーセッションでカスケードコピーを実行できます。

ただし、3つのコピーセッションを同時にActiveにすることはできません。コピーセッションの設定または二重化セッションを再開するとき、事前にほかのすべてのコピーセッションをSuspendにしてください。

図: カスケードコピー(セッションステータスの変更を伴うカスケードコピー)

コピーセッション1とコピーセッション2をSuspendにする必要があります。

カスケードコピー状態からのリストアOPCまたはEC / REC反転

カスケードコピー状態からのコピーセッション2のリストア(リストアOPC、またはEC / RECの反転)が可能な組み合わせには制限があります。詳細は、表: カスケードコピー中のリストアOPCまたはEC / REC反転可否についての制限(1/2)および表: カスケードコピー中のリストアOPCまたはEC / REC反転可否についての制限(2/2)を参照してください。

図: カスケード状態からのリストアOPC

カスケードコピー状態からのコピーセッション1のリストアOPCを実行する場合、3つのコピーセッションでカスケードコピーすることになります。そのため、コピーセッション1とコピーセッション2のコピー種別の組み合わせには制限があります。詳細は、図: カスケードコピー(3つのコピーセッション実行時)および図: カスケードコピー(セッションステータスの変更を伴うカスケードコピー)を参照してください。

  • コピーセッション1を停止させることで、EC / RECの反転が可能になります。

    図: カスケード状態からのEC / REC反転(1)
  • コピーセッション1を反転させることで、コピーセッション2の反転が可能になります。

    図: カスケード状態からのEC / REC反転(2)
表: カスケードコピー中のリストアOPCまたはEC / REC反転可否についての制限(1/2)

コピーセッション1

OPC

QuickOPC

SnapOPC /

SnapOPC+

リストアOPCを行うコピーセッション2

OPC

×(*1)

×(*1)

QuickOPC

×(*1)

×(*1)

SnapOPC

×(*1)

×(*1)

SnapOPC+

×(*1)

×(*1)

EC / REC反転を行うコピーセッション2

EC

×(*1)

×(*1)

REC同期

×(*1)

×(*1)

REC Stack

×(*1)

×(*1)

REC Consistency

×(*1)

×(*1)

表: カスケードコピー中のリストアOPCまたはEC / REC反転可否についての制限(2/2)

コピーセッション1

EC

REC同期

REC Stack

REC Consistency

リストアOPCを行うコピーセッション2

OPC

○(*2)

○(*2)

○(*2)

○(*2)

QuickOPC

○(*2)

○(*2)

○(*2)

○(*2)

SnapOPC

○(*2)

○(*2)

○(*2)

○(*2)

SnapOPC+

○(*2)

○(*2)

○(*2)

○(*2)

EC / REC反転を行うコピーセッション2

EC

○(*2)

○(*2)

○(*2)

○(*2)

REC同期

○(*2)

○(*2)

○(*2)

○(*2)

REC Stack

○(*2)

○(*2)

○(*2)

○(*2)

REC Consistency

○(*2)

○(*2)

○(*2)

○(*2)

○:制限サポート、×:未サポート、—:対象外

*1

コピーセッション1を停止させることで、コピーセッション2のリストアOPCまたはEC / REC反転は可能です。

*2

コピーセッション1を一時切り離し状態にし、EC / REC反転を行ったあと、コピーセッション2のリストアOPCまたは EC / REC反転が可能です。

以下の組み合わせのコピーセッションでリストアを実行する場合、カスケード元のコピーセッションから順にコピー元とコピー先を反転させてください。

  • REC(Stackモード)gECgEC

  • ECgREC(Stackモード)gECgEC

また、バックアップデータでリストアするため、カスケード先のコピーセッションから順にデータ転送を実施してください。

図: カスケードコピー(カスケードコピーの反転1)

以下の組み合わせのコピーセッションのリストアを実行する場合、QuickOPCのコピーセッションを削除後にカスケード元のコピーセッションから順にコピー元とコピー先を反転させます。

  • QuickOPCgREC(Stackモード)gECgEC

また、バックアップデータでリストアするため、カスケード先のコピーセッションから順にデータ転送を実施してください。

QuickOPCを削除したボリューム間はOPCセッションを新たに設定してデータをリストアします。その際、EC / RECのリストアと異なり、OPCは指定した領域全体でコピーする点に注意してください。

図: カスケードコピー(カスケードコピーの反転2)

カスケードコピーとマルチコピーの混在

カスケードコピーとマルチコピーは、同時に行うことができます。

図: カスケードコピーとマルチコピーの混在に示すように、コピー先の領域が別のコピーセッションのコピー元となっているコピーを「コピーセッション1」、コピー先かつコピー元の領域を別のコピー先にコピーするセッションを「コピーセッション2」とします。

図: カスケードコピーとマルチコピーの混在
  • コピー元ボリュームAからのコピーセッション

    • コピー種別を問わず、コピーセッション1を含む8つまでのコピー先とマルチコピーを行うことができます。

      コピー種別がSnapOPC+の場合は、最大世代までマルチコピーを設定することができます。

    • マルチコピーのコピー元範囲は、コピーセッション1のコピー元範囲と完全に一致しなくても、カスケードコピーとマルチコピーは混在できます。詳細は、図: マルチコピーのコピー対象を参照してください。

  • ボリュームBをコピー元とするコピーセッション

    • コピー種別を問わず、コピーセッション2を含む8つまでのコピー先とマルチコピーを行うことができます。

      コピー種別がSnapOPC+の場合は、最大世代までマルチコピーを設定することができます。

    • マルチコピーのコピー元範囲は、コピーセッション2のコピー元範囲と完全に一致する必要があります。

      コピーセッション1から見て、カスケード先のコピーセッションが最大8つ存在することになります。

  • ボリュームCをコピー元とするコピーセッション

    • コピーセッション2がREC Stackモードの場合だけ、最大8つのコピーセッションでマルチコピーを行うことができます。

      コピー種別がSnapOPC+の場合は、最大世代までマルチコピーを設定することができます。

    • マルチコピーのコピー元範囲は、コピーセッション2のコピー先範囲と完全に一致する必要があります。

      コピーセッション2から見て、カスケード先のコピーセッションが最大8つ存在することになります。