RECディスクバッファー作成

概要

RECディスクバッファーを作成します。

REC Consistencyモードを使用した場合、回線不安定などの要因によりRECバッファーが不足するおそれがあります。さらに、RECバッファーの不足状態が一定時間継続するとコピーセッションは「Halt」のステータスになります。このような状況を回避するため、コピーデータの一時的な退避先としてRECディスクバッファーを使用します。

注意
  • RECディスクバッファーを作成するには、アドバンスト・コピー機能のライセンスの登録が必要です。

  • 本機能は、自装置(RECディスクバッファーを作成する装置)がRECをサポートしている場合だけ実行できます。

  • 暗号化モードが無効の場合、CMによる暗号化RECディスクバッファーは作成できません。

  • 以下の場合、RECディスクバッファーは作成できません。
    • 同一RECディスクバッファー内に異なるタイプのドライブが混在している

      詳細は、「同一RECディスクバッファー内で混在可能なドライブの組み合わせ」を参照してください。

    • RECディスクバッファーを作成するためのリソース(RAIDグループ数、ボリューム数など)が不足している

      (装置に最大数のRAIDグループまたはボリュームが登録されている場合、RECディスクバッファーは作成できません。)

備考
  • RECディスクバッファー作成後、RECディスクバッファーは自動的にフォーマットされます。

  • RECバッファーに複数のRECディスクバッファーを割り当てる場合は、RECバッファーごとに条件があります。詳細は、「RECディスクバッファー割当」を参照してください。

同一RECディスクバッファー内で混在可能なドライブの組み合わせ

  Online Nearline SSD Online SED Nearline SED SSD SED
Online × × × ×
Nearline × × × ×
SSD × × × × ×
Online SED × × × ×
Nearline SED × × × ×
SSD SED × × × × ×

○ : 作成可    △ : 作成可(非推奨)    × : 作成不可

ユーザー権限

デフォルトロールにおける実行可否

デフォルトロール 実行可否
Monitor  
Admin
StorageAdmin
AccountAdmin  
SecurityAdmin  
Maintainer

権限とロールについては、「役割および権限」を参照してください。

設定内容

RECディスクバッファーとして使用するRAIDグループを新規に作成します。

新しいRAIDグループ

項目 説明 設定値

名前

作成するRAIDグループ名を入力します。

すでに存在するRAIDグループ名は付けられません。

1 ~ 16文字の半角英数字記号

(ただし、","、"?"、および先頭の "%" を除く)

半角スペース

マニュアル設定

RECディスクバッファーを構成するドライブを選択します。

項目 説明 設定値

担当CM

作成するRAIDグループの担当CMを選択します。

選択肢には「自動」と実装されている正常なCM番号(「CE#x CM#y」または「CM#y」)が表示されます。

通常は、「自動」を選択します。「自動」を選択した場合、割り当てられる担当CMはRAIDグループ番号で決まります。詳細は「担当CMの自動設定」を参照してください。

ETERNUS DX900 S5またはETERNUS DX8900 S4の場合

自動

CE#x CM#y

そのほかのモデルの場合

自動

CM#y

x:CE番号

y:CM番号

RAIDグループ容量

作成するRAIDグループの容量が表示されます。

選択したドライブでRAIDグループを構成できない場合、「-」(ハイフン)が表示されます。

CMによる暗号化

作成するRAIDグループの暗号化状態をラジオボタンで選択します。

選択したドライブでRAIDグループを構成できない場合、「-」(ハイフン)が表示されます。

  • CMで暗号化する場合、「有効」

  • CMで暗号化しない場合、「無効」

暗号化モードが無効の場合、「有効」は選択できません。

「CMによる暗号化」に「有効」を指定した場合は、ドライブに Online、Nearline、またはSSD を選択してください。

有効

無効

高度な設定

RECディスクバッファーを構成するRAIDグループごとに高度な性能チューニング行う場合だけStripe Depthを設定します。

項目 説明 設定値

Stripe Depth

作成するRAIDグループのStripe Depthを選択します。通常は、初期値(「64 KB」)を変更する必要はありません。

なお、作成済みのRECディスクバッファーを構成するRAIDグループのStripe Depthは変更できません。

ドライブ選択数が2個の場合、Stripe Depthは64 KBです。

備考
  • Stripe Depthを大きくすると、ランダムアクセスでの該当RAIDグループへのアクセス性能が向上する場合があります。

64 KB(初期値)

128 KB

256 KB

512 KB

1024 KB

ドライブ選択

ドライブは、一覧表または搭載イメージから選択できます。一覧表と搭載イメージとを切り替えるには、タブをクリックします。

ドライブの選択条件
  • RECディスクバッファーとして使用するRAIDグループの条件は、以下のとおりです。
    • メンバードライブ数が(2個、4個、または8個)であること

      (RECディスクバッファーのRAIDレベルは RAID1、RAID1+0(2+2)、またはRAID1+0(4+4) になります。)

    • ドライブタイプ (Online/Nearline/SSD/Online SED/Nearline SED/SSD SED) が混在していないこと

      (「Online」と「Nearline」は混在できますが、「Online」だけまたは「Nearline」だけにすることを推奨します。「Online SED」と「Nearline SED」は混在できますが、「Online SED」だけまたは「Nearline SED」だけにすることを推奨します。混在した場合、使用できる容量が少なくなったり、アクセス性能が低下したりします。)

    • 6 TB未満のドライブであること(SSDおよびSSD SEDは除く)

  • RAIDグループの推奨ドライブ構成は、以下のとおりです。
    • 同じ容量のドライブを選択してください。容量が異なる場合、RAIDグループ内のすべてのドライブが、RAIDグループ内で最小のドライブと同じ容量のドライブとして扱われます。その場合、容量の大きいドライブの残りの領域は使用できません。

    • 同じ回転数のドライブを選択してください。回転数が異なる場合、RAIDグループのアクセス性能に影響がでる場合あります。

    • 同じSSDタイプ (SSD-H/SSD-M/SSD-L/SSD-H SED/SSD-M SED/SSD-L SED) を選択してください。

    • ホスト接続環境が AF (Advanced Format) に対応していない場合、AF未対応のドライブ (*1) を選択してください。AF対応のドライブ (*2) を選択するとデータのフォーマット変換のため、ドライブアクセス性能が低下します。接続するホストが AFに対応している場合、AF対応のドライブとAF未対応のドライブのどちらも選択できます。

      *1  :  タイプに「AF」が表示されないドライブ(2.5" Online、2.5" Nearline など)です。
      *2  :  タイプに「AF」が表示されるドライブ(2.5" Online AF、2.5" Nearline AF など)です。
  • ETERNUS DX8900 S4のドライブ配置には条件があります。詳細は、「ETERNUS DX8900 S4のドライブ配置条件」を参照してください。そのほかのモデルには、ドライブ配置に必須条件はありません。

[ Tabular ] タブ

[ Tabular ] タブをクリックして、ドライブを一覧表から選択します。未使用のドライブだけが一覧表に表示されます。

ETERNUS DX8900 S4のドライブ配置には条件があります。詳細は、「ETERNUS DX8900 S4のドライブ配置条件」を参照してください。

項目 説明

ドライブ選択チェックボックス

使用するドライブのチェックボックスをオンにします。

ドライブを選択する際は、「ドライブの選択条件」を参照してください。

Enclosure

ドライブが搭載されているエンクロージャが表示されます。

   CE:コントローラーエンクロージャ(2.5インチ用、3.5インチ用)

   DE:ドライブエンクロージャ(2.5インチ用、3.5インチ用、および3.5インチ用高密度DE用)

CE#x

DE#yy

x:CE番号

yy:DE番号

スロットNo.

ドライブが搭載されているエンクロージャのドライブスロット番号が表示されます。

2.5インチ用CE/DE:0 ~ 23

3.5インチ用CE/DE:0 ~ 11

3.5インチ用高密度DE:0 ~ 59

ドライブタイプ

ドライブの種別が以下の組み合わせで表示されます。

  • ドライブサイズ
    • 2.5 インチの場合、「2.5"」

    • 3.5 インチの場合、「3.5"」

  • ドライブ属性
    • SAS ディスクの場合、「Online」

    • ニアラインSAS ディスクの場合、「Nearline」

    • SSDの場合、SSD タイプごとに以下のように表示されます。
      • SSD-H(12 Gbit/s)の場合、「SSD-H」(*1)

      • SSD-M(12 Gbit/s)の場合、「SSD-M」(*1)

      • SSD-L(12 Gbit/s)の場合、「SSD-L」(*1)

そのほか、自己暗号化ドライブの場合は「SED」が、Advanced Format 対応ドライブの場合は「AF」が併せて表示されます。

*1  :  インターフェース速度(帯域)または予備領域の容量により表示が異なります。ここでは、特に説明していない場合、「SSD-H」、「SSD-M」、および「SSD-L」を併せて「SSD」としています。また、「SSD-H」、「SSD-M」、および「SSD-L」の自己暗号化ドライブを総称して「SSD SED」と呼ぶことがあります。

容量

ドライブの容量が表示されます。

注意
  • ドライブ容量の表示は製品上の容量と異なる場合があります。例えば、SSD 1.92TBのドライブ容量は「2.00TB」、ニアラインSASディスク 18TBのドライブ容量は「17.9TB」と表示されます。

回転数

ドライブの回転数が表示されます。

SSDまたはSSD SEDの場合、「-」(ハイフン)が表示されます。

15000 rpm

10000 rpm

7200 rpm

[ Graphic ] タブ

[ Graphic ] タブをクリックして、ドライブを搭載イメージから選択します。装置に搭載されているすべてのドライブの搭載イメージが表示されます。未使用のドライブにはチェックボックスが表示されます。

ETERNUS DX8900 S4のドライブ配置には条件があります。詳細は、「ETERNUS DX8900 S4のドライブ配置条件」を参照してください。

項目 説明 設定値

DE選択リストボックス

DEグループを選択します。

DEグループ内のCEまたはDEが1台でも装置に搭載されている場合、選択肢がリストボックスに表示されます。

各モデルの選択肢とDEグループの詳細は、「DE選択リストボックス」を参照してください。

DE#0x

DE#1x

DE#2x

DE#3x

DE#4x

DE#5x

DE#6x

DE#7x

DE#8x

DE#9x

DE#Ax

DE#Bx

DE

選択したDEグループの中で装置に搭載されているCEまたはDEだけが表示されます。

CE

CE#x

DE#yy

x:CE番号

yy:DE番号

ドライブ選択チェックボックス

使用するドライブのチェックボックスをオンにします。

選択対象のドライブにはチェックボックスが表示されます。2.5インチ用CEまたは2.5インチ用DEの場合、左から右へスロット番号の昇順にドライブが表示されます。3.5インチ用CE、3.5インチ用DE、または3.5インチ用高密度DEの場合、左下から右上へスロット番号の昇順にドライブが表示されます。

アイコンにマウスポインタを置くと、ドライブの詳細が表示されます。

ドライブを選択する際は、「ドライブの選択条件」を参照してください。

ETERNUS DX8900 S4のドライブ配置条件

RAIDグループを構成するドライブの配置には以下の条件があります。

必須条件を満たさないRAIDグループは作成できません。

RAIDレベル ドライブ配置条件
RAID1+0 必須 異なるDEにミラーリングのペアドライブを配置すること。
推奨

できるだけ多くのCE配下のDEにストライピングするドライブを配置すること。

できるだけ多くのSASカスケード (*1) にストライピングするドライブを配置すること。

RAID1 必須 異なるDEにミラーリングのペアドライブを配置すること。
推奨

なるべく異なるCE配下にペアとなるドライブを配置すること。

なるべく異なるSASカスケード (*1) にペアドライブを配置すること。

*1  :  ETERNUS DX8900 S4の「SASカスケード」とは、1つのドライブインターフェースポートに接続されるDEのことです。同一SASカスケード上のDEを以下に示します。

     CE#x/DI Port#0 に接続される、DE#x1、DE#x2、DE#x3 (x:0 ~ B)

     CE#x/DI Port#1 に接続される、DE#x4、DE#x5、DE#x6、DE#x7 (x:0 ~ B)

     CE#x/DI Port#2 に接続される、DE#x8、DE#x9、DE#xA、DE#xB (x:0 ~ B)

     CE#x/DI Port#3 に接続される、DE#xC、DE#xD、DE#xE、DE#xF (x:0 ~ B)

     (例)CE#0/DI Port#0 に接続される、DE#01、DE#02、DE#03 は、同一SASカスケード上のDEです。

操作手順

  1. [ アクション ] から「RECディスクバッファー作成」をクリックします。

  2. 作成するRECディスクバッファーの詳細を設定し、[ 作成 ] ボタンをクリックします。

    → 確認画面が表示されます。

    注意
    • 以下の場合、エラー画面が表示されます。
      • 「名前」が未入力の場合

      • 「名前」で入力したRAIDグループ名が、入力条件を満たしていない

      • 選択したドライブが入力条件を満たしていない

      • 選択したドライブが配置条件を満たしていない

        (詳細は、「ETERNUS DX8900 S4のドライブ配置条件」を参照してください。)

  3. [ OK ] ボタンをクリックします。

    → RECディスクバッファーの作成が開始されます。

  4. [ 完了 ] ボタンをクリックして、[ RECディスクバッファー ] 画面に戻ります。