ODXバッファーボリューム作成

概要

ODX専用のボリュームを作成します。

ODXとは、データのコピーや移動に伴う負荷をストレージ装置にオフロードする機能です。ODXでは、コピー起動指示を受信した時点のデータをコピーします。そのため、コピー元データにWriteコマンドが発行された場合、Write範囲の旧データを退避します。このとき、退避先となるのがODXバッファーボリュームです。

ODXバッファーボリュームの仕様

  • ODXバッファーボリュームは、装置に1つです。

  • ODXバッファーボリュームのタイプは、「Standard」、「TPV」、または「FTV」です。

  • ODXバッファーボリュームの容量は、1 GB~1 TB です。

Caution
  • ODXバッファーボリュームは、ODXが有効な場合だけ作成できます。

  • ODXを使用する場合、ODXバッファーボリュームの作成が必須です。

  • シン・プロビジョニング機能が有効の場合、タイプが「TPV」のODXバッファーボリュームを作成できます。

  • タイプが「FTV」のODXバッファーボリュームは、CLIで作成してください。Web GUIでは作成できません。

  • 暗号化モードが無効の場合、CMによる暗号化ODXバッファーボリュームは作成できません。また、装置にSEDが搭載されていない場合、SEDによる暗号化ODXバッファーボリュームは作成できません。

  • 装置に最大数のボリュームが登録済みの場合、ODXバッファーボリュームは作成できません。ボリュームの最大数は「ボリューム作成」を参照してください。

  • 装置に最大容量のTPVまたはFTVが登録済みの場合、タイプが「TPV」のODXバッファーボリュームは作成できません。最大容量は「設定(シン・プロビジョニング)」を参照してください。最大容量は、最大プール容量と同じです。

Note
  • ODXバッファーボリュームは装置に1つしか作成できません。ODXバッファーボリュームが登録済みかどうかは、[ 設定 ] 画面で確認できます。詳細は、「設定(アドバンスト・コピー)」を参照してください。

  • 作成済みのODXバッファーボリュームは、[ ボリューム ] 画面の「コピー動作保護」で確認できます。詳細は、「ボリューム(基本情報)」を参照してください。

  • ODXバッファーボリュームの容量が不足した場合、すでに起動したODXセッションはエラーにはならず、Windows Server が一時的にODXの使用を停止し、通常のReadとWriteを用いたサーバのコピー処理に切り替えます。

  • ODXバッファーボリュームは使用状況を監視し、領域が不足したことをユーザーに通知します。詳細は、「イベント通知設定」を参照してください。 頻繁に領域が不足する場合はODXを使用するメリットがなくなるため、必要に応じてODXバッファーボリュームの容量を拡張してください。詳細は、「ボリューム容量拡張」、「RAIDマイグレーション開始」、または「シン・プロビジョニングボリューム容量拡張」を参照してください。

  • ODXバッファーボリュームはODXが動作していない場合、通常の「Standard」や「TPV」と同様の操作で削除できます。詳細は、「ボリューム削除」を参照してください。タイプが「FTV」のODXボリュームは、CLIで削除してください。

  • ODXバッファーボリュームに必要な容量は、サーバのシステム構成や使用するアプリケーションに依存します。Microsoft Windows Serverの標準的なファイルコピーやファイル移動にODX機能を使用する場合は、ODXバッファーボリュームを10 GBで作成することを推奨します。

  • RAID グループの最大空き容量を使用して、ODXバッファーボリュームを作成できます。容量を入力する必要はありません。対象となるタイプは「Standard」です。

設定内容

作成するODXバッファーボリュームの詳細を設定します。

ODXバッファーボリューム

項目 説明 設定値

名前

ODXバッファーボリューム名を入力します。

すでに存在するボリューム名は付けられません。「$SYSVOL」、「$VVOL_META」、または「$DATA_CNTNR」で始まるボリューム名は付けられません。

1 ~ 32文字の半角英数字記号

(ただし","、"?" を除く)

半角スペース

容量

ODXバッファーボリュームの容量を入力し、単位を選択します。

容量は「.」(小数点)を含めて最大15桁入力できます。ただし、単位に「MB」を選択した場合、小数点以下が切り捨てられます。単位に「GB」または「TB」を選択した場合、MB換算値の小数点以下が切り捨てられます。

Caution
  • 「最大空き容量をすべて使用」を有効にした場合、容量を入力する必要はありません。入力した容量と選択した単位は無効になります。

Note
  • 「最大空き容量」と同じ容量を同じ形式(GB/TB単位で同じ桁数)で入力した場合、最大空き容量をすべて使用します。補正せずに入力した容量で追加したい場合は、MB単位で入力してください。

  • 入力文字数は「.」(小数点)および「.」(小数点)前の「0」も1文字として数えます。

    (例) 0.1234567890123(15文字)

1 GB ~ 1 TB(半角数字)

単位:GB(初期値)/TB

タイプ

ODXバッファーボリュームの種別を選択します。

シン・プロビジョニング機能が無効の場合、「Standard」が表示されます。

  • Standard

    RAIDグループに作成するボリューム

  • Thin Provisioning Volume

    TPPに作成するボリューム

Note
  • シン・プロビジョニング機能が無効の場合、「Thin Provisioning Volume」は表示されません。

  • ODXバッファーボリュームのタイプには「Standard」、「TPV」、および「FTV」があります。コピー元ボリュームやコピー先ボリュームのタイプには依存しません。お客様の使用環境に合わせてタイプを選択してください。
    • RAIDグループに作成する場合は「Standard」を選択します

    • TPPに作成する場合は、「Thin Provisioning Volume」を選択します

    • FTRPに作成する場合は、CLIを使用します

Standard

Thin Provisioning Volume

最大空き容量をすべて使用

RAIDグループの最大空き容量を使用してODXバッファーボリュームを作成する場合、「有効にする」のチェックボックスをオンにします。タイプが「Standard」の場合だけチェックボックスをオンまたはオフにできます。

「有効にする」のチェックボックスをオンにした場合、選択したRAIDグループの「最大空き容量」で表示される空き領域をできるだけ使用して、ODXバッファーボリュームが作成されます。

Caution
  • 「有効にする」のチェックボックスをオンにした場合、入力した容量と選択した単位は無効になります。

  • 「最大空き容量」が 1 GB未満または1 TBを超えている場合、ODXバッファーボリュームは作成できません。

  • 作成したODXバッファーボリュームの容量は表示されません。作成後に [ ボリューム ] 画面から確認してください。

「有効にする」のチェックボックス

オン

オフ

CMによる暗号化

ODXバッファーボリュームの暗号化状態を選択します。

  • 有効

    CMで暗号化されたボリュームを作成します。

  • 無効

    CMで暗号化されていないボリュームを作成します。

以下の場合、本項目は表示されません。

  • 暗号化モードが無効

Caution
  • タイプに「Thin Provisioning Volume」を選択した場合、本項目の有効/無効は選択できません。

  • 「有効」を選択した場合、SEDで構成されたRAIDグループは選択できません。SEDで構成されたRAIDグループでODXバッファーボリュームを作成する場合は、「無効」を選択してください。

有効

無効

Allocation

ODXバッファーボリュームの Allocation方式を選択します。

タイプに「Thin Provisioning Volume」を選択した場合だけ有効です。

  • Thin

    Write I/O を受け付けた時点で、ボリュームの対象領域に物理領域を割り当てます。

  • Thick

    ボリューム作成時にボリュームの全領域に対して、物理領域を割り当てます。

Thin

Thick

対象RAIDグループ/シン・プロビジョニングプール

ODXバッファーボリュームを作成するRAIDグループまたはTPPを選択します。

タイプに「Standard」を選択した場合

項目 説明

RAIDグループ選択ラジオボタン

ODXバッファーボリュームを作成するRAIDグループをラジオボタンで選択します。

Caution
  • CMによる暗号化に「有効」を選択した場合、SEDで構成されたRAIDグループは選択できません。

  • 以下のRAIDグループは対象RAIDグループ一覧に表示されません。
    • TPPに属している

    • FTRPに属している

    • RECディスクバッファー として登録されている

    • Extreme Cache Pool として登録されている

    • すでに128個のボリュームが作成されている

    • Usage が「Temporary」

    • 最大空き容量が1 GB未満

    • 外部RAIDグループ

RAIDグループ名

RAIDグループ名が表示されます。

ドライブタイプ

RAIDグループを構成するドライブの種別が表示されます。

詳細は、ドライブ種別を参照してください。

RAIDレベル

RAIDレベルが表示されます。

詳細は、RAIDレベルを参照してください。

ドライブ数

RAIDグループを構成するドライブ数が表示されます。

総容量

RAIDグループの総容量が表示されます。

総空き容量

RAIDグループ内の空き領域の合計が表示されます。

空き領域とは、RAIDグループ内でボリュームを未登録の領域、およびボリュームの登録/削除によって分散して空いている領域を指します。

最大空き容量

RAIDグループ内の最大空き容量が表示されます。

タイプに「Thin Provisioning Volume」を選択した場合

項目 説明

TPP選択ラジオボタン

ODXバッファーボリュームを作成するTPPをラジオボタンで選択します。

Caution
  • FTRPおよびFTSP は対象シン・プロビジョニングプール一覧に表示されません。

シン・プロビジョニングプール名

シン・プロビジョニングプール名が表示されます。

ドライブタイプ

TPPを構成するドライブの種別が表示されます。

詳細は、ドライブ種別を参照してください。

RAIDレベル

RAIDレベルが表示されます。

詳細は、RAIDレベルを参照してください。

総容量

TPPの全体容量が表示されます。

総空き容量

TPP内の空き領域の合計が表示されます。

空き領域とは、TPP内でボリュームを未割り当ての領域、およびボリュームの登録/削除によって分散して空いている領域を指します。

暗号化

TPPの暗号化状態が表示されます。

  • CM

    CMによる暗号化

  • 「-」(ハイフン)

    暗号化されていない

  • SED

    SEDによる暗号化

操作手順

  1. [ アクション ] から「ODXバッファーボリューム作成」をクリックします。

  2. 作成するODXバッファーボリュームの詳細、およびODXバッファーボリュームの作成先RAIDグループまたはTPPを選択し、[ 作成 ] ボタンをクリックします。

    Note
    • RAIDグループの最大空き容量を使用して、容量を入力することなくODXバッファーボリュームを作成する場合は、最大空き容量をすべて使用の「有効にする」のチェックボックスをオンにしてください。作成できるタイプは、「Standard」だけです。

    → 確認画面が表示されます。

    Caution
    • 以下の場合、エラー画面が表示されます。
      • 「名前」が入力条件を満たしていない

      • 最大空き容量をすべて使用の「有効にする」のチェックボックスがオフで「容量」が未入力

      • 最大空き容量をすべて使用の「有効にする」のチェックボックスがオンで、作成されるODXバッファーボリュームの容量が1 GB未満

      • 最大空き容量をすべて使用の「有効にする」のチェックボックスがオンで、作成されるODXバッファーボリュームの容量が最大容量を超えている

      • 「容量」が入力条件を満たしていない

      • 登録できる最大ボリューム数を超えている

      • RAIDグループまたはTPPの空き容量が不足している

      • ODXバッファーボリュームが属するRAIDグループでLDE を実行中

      • Allocation方式に「Thick」を指定した場合、TPPの空き容量が不足している

  3. [ OK ] ボタンをクリックします。

    → ODXバッファーボリュームの作成が開始されます。

  4. [ 完了 ] ボタンをクリックして、[ 設定 ] 画面に戻ります。

    Caution
    • ODXバッファーボリューム (TPV) 作成時、TPP内に存在するボリュームの総論理容量が作成先TPPの総容量を超えた(容量比が「100 %」を超えた)場合、結果画面に警告メッセージが表示されます。TPPの使用状況を確認し、必要に応じてドライブを増設し、TPPの容量を拡張してください。「容量比」については、[シン・プロビジョニングプール詳細] 画面で確認できます。詳細は、「シン・プロビジョニングプール(基本情報)」を参照してください。