RAIDグループパラメーター設定
概要
RAIDグループごとに以下のパラメーターをチューニングします。
- パラメーター設定
Rebuild優先度
ホストアクセスよりもリビルド、コピーバック、およびリダンダント・コピーを優先させるレベルを設定します。Rebuild優先度を高くすると、リビルド、コピーバック、およびリダンダント・コピーの性能改善を図ることができます。
- 高度な設定
DCMF
ドライブに対してコマンドを発行する量の係数のことです。シーケンシャルライトアクセスの性能を向上させるために指定し、値が大きいほどドライブへの発行コマンド数が大きくなります。
ドライブアクセス優先度
ドライブアクセス時にコマンド発行順を制御するモードです。コマンド発行順を変更することで、ドライブ全体のスループット性能が向上します。
スロットル
ドライブへの同時コマンド発行数の最大発行数に対する割合です。ドライブへの同時コマンド発行数を制限することで、特定のRAIDグループ(ドライブ)への負荷を軽減します。
Ordered Cut間引き数
ドライブアクセス処理の最適化(優先制御)を行うコマンド数です。指定したコマンド数ごとに優先制御を行うことで、優先度の低いコマンドに対する長時間の待ち合わせを解消します。
通常の運用では、RAIDグループパラメーターの初期値を変更する必要はありません。
Rebuild優先度を変更すると、現在動作中のリビルド、コピーバック、およびリダンダント・コピーの優先度も変更されます。
RECディスクバッファー として登録されたRAIDグループのRebuild優先度に「高」を設定しないでください。ホストアクセスがある場合、「高」を設定しても「中」で動作します。
WSV を構成するRAIDグループにすべて同じRAIDグループパラメーターを設定してください。RAIDグループパラメーターが異なる場合、ホストからのアクセス性能が低下するおそれがあります。
Usage が「Extreme Cache Pool」のRAIDグループを選択した場合、「Rebuild優先度」は設定できません。
- 以下の場合、本機能は実行できません。
装置でLDEが実行中
変更対象RAIDグループがFTSPに属している
「スロットル」または「Ordered Cut間引き数」を指定する場合は、ドライブチューニングパラメーター設定に「有効にする」を選択してください。
WSVを構成するRAIDグループは、[ ボリューム詳細 ] 画面([ 使用RAIDグループ ] タブ)で確認できます。詳細は、「ボリューム(基本情報)」を参照してください。
設定内容
RAIDグループパラメーターを指定します。
パラメーター設定
項目 | 説明 | 設定値 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Rebuild優先度 |
Rebuild優先度を指定します。 通常は、初期値を変更する必要はありません。設定を変更しない場合は、「変更しない」を選択してください。 ホストアクセスがない場合、RECディスクバッファー以外のRAIDグループへのリビルド、コピーバック、リダンダント・コピーは、Rebuild優先度の設定状態にかかわらず、「高」で動作します。 Extreme Cache Pool として登録されているRAIDグループは、本項目を設定できません。
(効果) Rebuild優先度を高くすると、ホストアクセスよりもリビルド、コピーバック、およびリダンダント・コピーが優先されるため、リビルド、コピーバック、およびリダンダント・コピーの性能改善を図れます。 (変更したことによる影響) Rebuild優先度を高くすると、該当RAIDグループにリビルド、コピーバック、またはリダンダント・コピーが動作する際に、該当RAIDグループの性能(スループット)が低下することがあります。 |
変更しない 低 (*1) 中 高 (*2)
|
高度な設定
項目 | 説明 | 設定値 |
---|---|---|
DCMF |
「変更する」を選択し、DCMF (Disk Command Multiplying Factor) を指定します。 通常は、初期値を変更する必要はありません。ドライブに対して処理させるコマンド数の上限を、設定値の倍数(DCMFが「2」の場合は2倍、「3」の場合は3倍)になるように変更します。設定を変更しない場合は、「変更しない」を選択してください。 (効果) DCMFの値を大きくすると、ドライブへの処理量が増え、シーケンシャル性能を向上させることができます。 (変更したことによる影響) DCMFの値を大きくすると、ドライブへの処理量が増えることでドライブが高負荷状態になり、性能が低下するおそれがあります。 |
変更しない 変更する 1(初期値)~ 10 |
ドライブアクセス優先度 |
ドライブアクセス優先度を「レスポンス優先」と「スループット優先」から選択します。 通常は、初期値を変更する必要はありません。設定を変更しない場合は、「変更しない」を選択してください。SSD、NVMe SSD、SSD SED、またはNVMe SSD SED で構成したRAIDグループを選択した場合、本項目は表示されません。SSD、NVMe SSD、SSD SED、およびNVMe SSD SED は「レスポンス優先」固定です。
(効果) 「スループット優先」を選択すると、同じドライブへの書き込みがまとめて行われるため、ドライブ全体のスループットが向上されます。 (変更したことによる影響) 「スループット優先」を選択すると、ホストI/Oのキューイング処理がFIFO (first in, first out) でなくなるため、個別コマンドのレスポンスが低下するおそれがあります。 |
変更しない レスポンス優先(初期値) スループット優先 |
ドライブチューニングパラメーター設定 |
以下のドライブチューニングパラメーターを「有効にする」か「無効にする」かを指定します。
通常は、初期値を変更する必要はありません。「スロットル」および「Ordered Cut 間引き数」の設定値を変更しない場合は、「変更しない」を選択してください。なお、本機能を起動時、常に「変更しない」が選択されます。 Caution
|
変更しない 有効にする(初期値) 無効にする |
スロットル |
ドライブチューニングパラメーター設定に「有効にする」を選択し、「スロットル」を指定します。 「スロットル」とは、ドライブへの最大コマンド発行数に対する同時コマンド発行数の割合です。通常は、初期値を変更する必要はありません。RAIDグループを1つ選択して本機能を起動した場合、装置に設定されている値が表示されます。RAIDグループを複数選択して本機能を起動した場合、すべて同じ値が装置に設定されているとその値が表示され、1つでも異なる値が装置に設定されていると「100 %」が表示されます。 (効果) スロットルを小さくすると、ドライブへの同時コマンド発行数が制限させるため、特定のRAIDグループ(ドライブ)への負荷が軽減されます。ホストI/O やバッチ処理の競合により、特定のRAIDグループ(ドライブ)のレスポンス性能が劣化した場合などに使用します。 (変更したことによる影響) スロットルを小さくすると、ドライブで同時に処理できるコマンド数が減少するため、処理の待ち合わせが発生しやすくなります。 Caution
|
100 % 90 % 80 % 70 % 60 % 50 % 40 % 30 % 20 % 10 % |
Ordered Cut間引き数 |
ドライブチューニングパラメーター設定に「有効にする」を選択し、「Ordered Cut 間引き数」を指定します。 「Ordered Cut 間引き数」とは、ドライブアクセス処理の最適化(優先制御)を行うコマンド数です。Ordered Cut 間引き数が「x」の場合、コマンド発行数x個ごとに優先度に基づく順序変更が行われます。通常は、初期値を変更する必要はありません。RAIDグループを1つ選択して本機能を起動した場合、装置に設定されている値が表示されます。RAIDグループを複数選択して本機能を起動した場合、すべて同じ値が装置に設定されているとその値が表示され、1つでも異なる値が装置に設定されていると「0」が表示されます。 Ordered Cut間引き数が「0」の場合、優先制御のコマンド数を指定しません。ドライブへのコマンドは、すべて優先順位に従い処理されます。また、SSD、NVMe SSD、SSD SED、およびNVMe SSD SED は対象外です。 (効果) Ordered Cut間引き数を小さくすると、優先制御を行うコマンド数が少なくなるため、優先度の低いコマンドも長時間待たされることなく処理されるようになります。 (変更したことによる影響) Ordered Cut間引き数を小さくすると、指定したコマンド数ごとに優先制御されるため、優先度の高いコマンドの処理が滞るおそれがあります。 Caution
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0 ~ 65535 400(初期値) |
表示内容
選択したRAIDグループのパラメーターが表示されます。
対象RAIDグループ
項目 | 説明 | |
---|---|---|
名前 |
RAIDグループの名前が表示されます。 |
|
ステータス |
RAIDグループのステータスが表示されます。 詳細は、RAIDグループのステータスを参照してください。 |
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RAIDレベル |
RAIDレベルが表示されます。 詳細は、RAIDレベルを参照してください。 |
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総容量 |
RAIDグループの総容量が表示されます。 |
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現在の設定 |
Rebuild優先度 |
RAIDグループの現在のRebuild優先度が表示されます。 RAIDグループがExtreme Cache Poolとして登録されている場合、「-」(ハイフン)が表示されます。 |
DCMF |
RAIDグループの現在のDCMF(1~10)が表示されます。 |
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ドライブアクセス優先度 |
RAIDグループの現在のドライブアクセス優先度が表示されます。 RAIDグループの構成ドライブがSSD、NVMe SSD、SSD SED、またはNVMe SSD SEDの場合、「-」(ハイフン)が表示されます。 |
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スロットル |
RAIDグループの現在のスロットルが表示されます。 ドライブチューニングパラメーター設定が無効の場合、「-」(ハイフン)が表示されます。 |
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Ordered Cut間引き数 |
RAIDグループの現在のOrdered Cut間引き数(0 ~ 65535)が表示されます。 ドライブチューニングパラメーター設定が無効の場合、またはRAIDグループの構成ドライブがSSD、NVMe SSD、SSD SED、またはNVMe SSD SEDの場合、「-」(ハイフン)が表示されます。 |
操作手順
RAIDグループパラメーターを変更するRAIDグループを選択し(複数選択可)、[ アクション ] から「RAIDグループパラメーター設定」をクリックします。
変更後のRAIDグループパラメーターを指定し、[ 設定 ] ボタンをクリックします。
→ 確認画面が表示されます。
CautionRAIDグループパラメーターを変更した場合、サーバへのレスポンス性能に影響を及ぼす場合があります。
[ OK ] ボタンをクリックします。
→ RAIDグループパラメーター設定が開始されます。
[ 完了 ] ボタンをクリックして、[ RAIDグループ ] 画面に戻ります。