RAIDグループ診断開始

概要

複数CMの同時故障やドライブの複数故障など、装置の異常状態からの復旧で、特にユーザーデータの信頼性が懸念される場合に、RAIDグループの整合性をチェックします。

ここでは、RAIDグループ診断の開始および停止ができます。

診断を開始できるRAIDグループの条件

  • RAIDグループのステータスが「Available

  • RAIDレベルが「RAID0」以外

  • RAIDグループにボリュームが作成されている

  • RAIDグループが閉塞していない

  • RAIDグループが Extreme Cache Pool として登録されていない

  • 対象RAIDグループで以下の機能を実行していない
    • ボリュームフォーマット (*)

    • ボリューム容量拡張 (*)

    • ボリューム暗号化 (*)

    • RAIDマイグレーション (*)

    • RAIDグループ容量拡張 (*)

    • リビルド、コピーバック、リダンダント・コピー

    • RAIDグループ診断 (*)

    • ディスク診断 (*)

    • TPP に属しているRAIDグループの領域解放中

    • FTRP に属しているRAIDグループの領域解放中

    • TPV平準化 (*)

    • FTRP平準化 (*)

    *:装置内で該当機能が実行中の場合も、RAIDグループ診断を開始できません。

Caution
  • RAIDグループ診断は非活性で開始します。RAIDグループ診断を開始する前に、ホストアクセスを停止してください。

  • アドバンスト・コピーやSDV初期化など、ドライブにアクセスする機能の実行中は、RAIDグループ診断を開始しないでください。

  • すでにRAIDグループ診断を実行中の場合、新たにRAIDグループ診断を開始することはできません。

  • RAIDグループ診断を開始したら、診断が完了して診断結果(診断の詳細情報、およびエラーの詳細情報)をクリアするまでほかの機能は実行できません。

  • Storage Migrationの移行経路が設定されているボリュームを含むRAIDグループは診断しないでください。

  • 複数のRAIDグループを選択して診断を開始する場合、1RAIDグループでも開始条件を満たさないとき、すべてのRAIDグループ診断を開始できません。詳細は、診断を開始できるRAIDグループの条件を参照してください。

設定内容

RAIDグループ診断実行時のリカバリーモードを選択します。

RAIDグループ診断

項目 説明 設定値

リカバリーモード

リカバリーモードを選択します。

以下のどのモードでもRAIDグループ診断中にエラーが発生しても停止せず、診断を続行します。

  • コンペアエラー以外のエラーを復旧する

    コンペアエラー以外のエラーが発生した場合、自動で復旧されます。

  • すべてのエラーを復旧する

    エラーが発生した箇所は自動で復旧されます。

    復旧処理は、RAIDレベルによって異なりますが、ユーザーデータのコピーやパリティの再作成などRAIDグループの冗長性を取り戻す処理を示します。

  • エラーを復旧しない

    エラーが発生した箇所は自動では復旧されません。

コンペアエラー以外のエラーを復旧する

すべてのエラーを復旧する

エラーを復旧しない

表示内容

選択したRAIDグループの情報が表示されます。

対象RAIDグループ

項目 説明

No.

RAIDグループ番号が表示されます。

名前

RAIDグループの名前が表示されます。

ステータス

RAIDグループのステータスが表示されます。

詳細は、RAIDグループのステータスを参照してください。

Usage

RAIDグループの用途が表示されます。

詳細は、RAIDグループ用途を参照してください。

RAIDレベル

RAIDレベルが表示されます。

詳細は、RAIDレベルを参照してください。

総容量

RAIDグループの総容量が表示されます。

[ RAIDグループ診断情報表示 ] 画面

RAIDグループ診断の進捗が表示されます。「名前」をクリックすると、詳細な診断結果を確認できます。

RAIDグループ診断

項目 説明

診断ステータス

開始したすべてのRAIDグループ診断の総合的な状態が表示されます。

診断待ち

実行中

完了

停止

リカバリーモード

リカバリーモードが表示されます。

コンペアエラー以外のエラーを復旧する

すべてのエラーを復旧する

エラーを復旧しない

診断進捗

開始したすべてのRAIDグループ診断の総合的な進捗状態が、進捗率(0 ~ 100 %)とバーで表示されます。

対象RAIDグループ

項目 説明

チェックボックス

RAIDグループ診断を停止するRAIDグループを選択します。

No.

RAIDグループ番号が表示されます。

名前

RAIDグループ名が表示されます。

クリックすると、[ RAIDグループ診断詳細情報表示 ] 画面 が表示されます。

ステータス

RAIDグループのステータスが表示されます。

詳細は、RAIDグループのステータスを参照してください。

RAIDレベル

RAIDレベルが表示されます。

詳細は、RAIDレベルを参照してください。

総容量

RAIDグループの総容量が表示されます。

診断ステータス

RAIDグループ診断のステータスが表示されます。

対象外

診断待ち

実行中

完了

停止

エラー停止

診断結果

RAIDグループ診断の診断結果が表示されます。

正常

警告

異常

中止

機能ボタン

ボタン 説明

[ 停止 ]

選択したRAIDグループの診断を停止します(複数選択可)。

[ 更新 ]

すべてのRAIDグループ診断の「診断ステータス」および「診断結果」を更新します。

[ 完了 ]

すべてのRAIDグループ診断を完了します。クリックすると、RAIDグループ診断結果が消去されます。

[ 完了 ] ボタンは、診断ステータスが「実行中」以外の場合にクリックできます。

[ RAIDグループ診断詳細情報表示 ] 画面

詳細な診断結果が表示されます。

RAIDグループ診断

項目 説明

診断ステータス

RAIDグループ診断のステータスが表示されます。

対象外

診断待ち

実行中

完了

停止

エラー停止

リカバリーモード

リカバリーモードが表示されます。

コンペアエラー以外のエラーを復旧する

すべてのエラーを復旧する

エラーを復旧しない

診断結果

RAIDグループ診断の診断結果が表示されます。

正常

警告

異常

中止

診断進捗

RAIDグループ診断の進捗状態が、進捗率(0 ~ 100 %)とバーで表示されます。

診断完了ブロック数

RAIDグループの診断完了ブロック数が表示されます。

総ブロック数

RAIDグループの総ブロック数が表示されます。

診断件数

項目 説明

Compare Error

成功リカバリー

RAID整合性チェックで検出されたエラーのうち、復旧に成功したコンペアエラーの数が表示されます。

失敗リカバリー

RAID整合性チェックで検出されたエラーのうち、復旧に失敗したコンペアエラーの数が表示されます。

Medium Error

成功リカバリー

検出された媒体エラーのうち、復旧に成功した媒体エラーの数が表示されます。

失敗リカバリー

検出された媒体エラーのうち、復旧に失敗した媒体エラーの数が表示されます。

CRC Error

成功リカバリー

検出されたCRC (Cyclic Redundancy Code) エラーのうち、復旧に成功したCRCエラーの数が表示されます。

CRCエラーとは、すべてのタイプの RAIDグループに対して実行される「Check Codeチェック」で検出されるエラーです。 1ブロックのユーザーデータ(512バイト)に付加されたCheck CodeのCRCとユーザーデータから生成したCRCが一致するかチェックし、データの内容を検証します。

失敗リカバリー

検出されたCRCエラーのうち、復旧に失敗したCRCエラーの数が表示されます。

Block ID Error

成功リカバリー

検出されたBlock IDエラーのうち、復旧に成功したBlock IDエラーの数が表示されます。

Block IDエラーとは、すべてのタイプの RAIDグループに対して実行される「Check Codeチェック」で検出されるエラーです。 1ブロックのユーザーデータ(512バイト)に付加された Check CodeのBlock ID、ボリュームのRAID ID 、およびLBAを使用してユーザーが意図したアドレスからデータが受信できているかを検証します。

失敗リカバリー

検出されたBlock IDエラーのうち、復旧に失敗したBlock IDエラーの数が表示されます。

Bad Data Flag Error

成功リカバリー

検出された不良セクターフラグエラーのうち、復旧に成功した不良セクターフラグエラーの数が表示されます。

不良セクターフラグエラーとは、冗長性を保っている両ドライブの同一箇所のデータが消失している場合に検出されるエラーです。

失敗リカバリー

検出された不良セクターフラグエラーのうち、復旧に失敗した不良セクターフラグエラーの数が表示されます。

エラー詳細情報

エラーの詳細情報が表示されます。

項目 説明

No.

エラー詳細情報の項番が表示されます。

エラーステータス

検出されたエラーのステータスが表示されます。

Compare Error

Medium Error

CRC Error

Block ID Error

Bad Data Flag Error

ボリュームNo.

エラーが検出されたボリューム番号が表示されます。

ただし、以下の場合、本項目に「-」(ハイフン)が表示されます。

  • TPV に割り当てていない TPPでエラーが検出された

  • FTV に割り当てていない FTRPでエラーが検出された

  • エラーを検出したボリュームが特定できない

ボリューム名

エラーが検出されたボリュームの名前が表示されます。

ただし、以下の場合、本項目が空白になります。

  • TPV に割り当てていない TPPでエラーが検出された

  • FTV に割り当てていない FTRPでエラーが検出された

  • エラーを検出したボリュームが特定できない

CC

「-」(ハイフン)が表示されます。

HH

「-」(ハイフン)が表示されます。

論理ボリュームLBA

エラーが検出されたボリュームのLBAが表示されます。

ただし、以下の場合、本項目に「-」(ハイフン)が表示されます。

  • TPV に割り当てていない TPPでエラーが検出された

  • FTV に割り当てていない FTRPでエラーが検出された

  • エラーを検出したボリュームのLBAが特定できない

RAIDグループLBA

エラーが検出されたRAIDグループのLBAが表示されます。

エラーストライプNo.

エラーが検出されたストライプ番号が表示されます。

RAID1のようにストライプが存在しない場合は、「-」(ハイフン)が表示されます。

設置場所

エラーが検出されたドライブの搭載位置情報が表示されます。

CE Slot#n

CE#n Slot#n

DE#n Slot#n

エラードライブLBA

エラーが検出されたドライブのLBAが表示されます。

操作手順

RAIDグループ診断の開始

  1. RAIDグループ診断を開始するRAIDグループを選択し(複数選択可)、[ アクション ] から「診断開始」をクリックします。

    Caution
    • 以下のRAIDグループを選択した場合、「診断開始」をクリックできません。
      • RAIDレベル が「RAID0」

      • Usage が「Extreme Cache Pool」

    • 装置でRAIDグループ診断またはディスク診断を実行中の場合、その旨メッセージが表示されます。

  2. 「リカバリーモード」を選択し、[ 開始 ] ボタンをクリックします。

    → 確認画面が表示されます。

  3. [ OK ] ボタンをクリックします。

    → RAIDグループ診断が開始され、[ RAIDグループ診断情報表示 ] 画面が表示されます。

    Note
    • [ RAIDグループ診断情報表示 ] 画面で「名前」をクリックすると、選択したRAIDグループの[ RAIDグループ診断詳細情報表示 ] 画面が表示されます。

    • [ RAIDグループ診断情報表示 ] 画面で [ 更新 ] ボタンをクリックすると、画面表示情報が最新になります。診断進捗が「100 %」になると、診断完了とみなされます。

  4. 診断が完了したら、[ 完了 ] ボタンをクリックします。

    → 確認画面が表示されます。

    Note
    • すべてのRAIDグループ診断を完了または停止すると、[ 完了 ] ボタンをクリックできます。

  5. [ OK ] ボタンをクリックします。

    → RAIDグループ診断結果消去処理が開始されます。

  6. [ 完了 ] ボタンをクリックして、[ RAIDグループ ] 画面に戻ります。

RAIDグループ診断の停止

  1. [ RAIDグループ診断情報表示 ] 画面で診断を停止するRAIDグループを選択し(複数選択可)、[ 停止 ] ボタンをクリックします。

    → 確認画面が表示されます。

  2. [ OK ] ボタンをクリックします。

    → RAIDグループ診断の停止が実行されます。

  3. 診断停止処理が完了すると、[ RAIDグループ診断情報表示 ] 画面に戻ります。