TPV平準化
仮想ボリューム(TPV)は、書き込みが発生するとドライブが割り当てられますが、書き込みの順番や頻度により、割り当てが特定のRAIDグループにかたよってしまう場合があります。また、ドライブを増設して容量を拡張すると、新規に追加したRAIDグループと既存のRAIDグループ間で物理ドライブへの割り当て容量にかたよりが発生します。
TPVを平準化することによって、仮想ボリュームに対するI/Oアクセスをシン・プロビジョニングプール(TPP)内のRAIDグループに分散できます。
- かたよったTPVの物理割り当てを均等に分散する場合図: TPV平準化(かたよったTPVの物理割り当てを均等に分散する場合)
- TPPを拡張(ドライブを追加)後、ホストアクセスを均等に分散させる場合図: TPV平準化(TPPを拡張後、ホストアクセスを均等に分散させる場合)
シン・プロビジョニング割り当て平準化は、TPPを構成するRAIDグループ間でTPVの物理割り当て容量を均等化させる機能です。
TPVの平準化は、同一TPP内でのみ実行可能です。対象のTPVが属していない別のTPPへRAIDマイグレーションをしながらのTPV平準化はできません。
仮想ボリュームに書き込みが発生するとドライブが割り当てられます。TPPに登録した複数のTPVに書き込みが発生すると、TPPを構成するRAIDグループをローテーションしながら順番に物理領域を割り当てます。この方式では、書き込みの順番や頻度によりTPVの割り当てが、特定のRAIDグループにかたよってしまう場合があります。また、TPPの容量を拡張すると、新規に追加したRAIDグループと既存のRAIDグループ間で物理割り当て容量にかたよりが発生します。
平準化レベル
TPVの平準化状態は、「High」、「Middle」、および「Low」の3つのレベルで表示されます。TPVの物理容量がTPP内のRAIDグループに均等に割り当てられている場合が「High」であり、TPP内の特定のRAIDグループにかたよって割り当てられている場合が「Low」です。
装置内や、対象のボリュームでほかの機能が動作中の場合、TPV平準化を実行できないことがあります。
同時に処理を実行可能な機能、件数、容量については、各機能の同時実行可否を参照してください。
空き容量がないなど、TPP内に平準化に使用できないRAIDグループが存在する場合、TPP内のそのほかのRAIDグループ間で物理割り当て容量の平準化が実行されます。この場合、平準化完了後の平準化レベルが「High」にはならないことがあります。
TPV平準化を実行すると、TPVが属するTPPに作業ボリューム(移動元と同容量の移動先TPV)の領域が確保されます。この作業ボリュームを含めた全TPP内のTPVの総論理容量が装置の最大プール容量を超える場合、TPV平準化を実行することができません。
また、平準化実行中にTPPが一時的にアラーム状態(「注意」または「警告」の閾値を超えた状態)になる場合があります。平準化が正常に完了すると、アラーム状態は解消されます。
TPV平準化実行中にそのTPVが属するTPPの容量を拡張すると、平準化前よりさらに平準化レベルが低くなる可能性があります。