ロジカル・デバイス・エクスパンション

ロジカル・デバイス・エクスパンション(LDE)は、既存のRAIDグループのRAIDレベルや、RAIDグループのドライブ構成を変更して、動的にRAIDグループの容量を拡張する機能です。実行する際に、ドライブの増設が可能です。RAIDグループそのものを追加しなくても、LDE機能により既存RAIDグループの容量を拡張することで、新たなボリュームを追加することができます。

  • RAIDグループの容量を拡張する場合(RAID5 (3D+1P) g RAID5 (5D+1P) に拡張)
    図: ロジカル・デバイス・エクスパンション(RAIDグループの容量を拡張する場合)
  • RAIDレベルを変換する場合(RAID5 (3D+1P) g RAID1+0 (4D+4M) に拡張)
    図: ロジカル・デバイス・エクスパンション(RAIDレベルを変換する場合)

LDE対象はRAIDグループ単位で指定します。対象RAIDグループ内に複数のボリュームが割り当てられている場合には、LDEによってそれらの全ボリュームのデータが再配置されます。なお、RAIDグループ内のデータドライブ数が実行前より減少するようなLDEは実行できません。

また、LDEは、以下の条件にあてはまるRAIDグループには実行できません。

  • TPPまたはFTRPに属しているRAIDグループ

  • RECディスクバッファーとして登録されているRAIDグループ

  • Extreme Cache Poolとして登録されているRAIDグループ

  • ボリュームが未登録のRAIDグループ

  • WSVが登録されているRAIDグループ

  • Striping Sizeが拡張されているRAIDグループ

  • RAIDレベルがRAID5+0およびRAID6-FRのRAIDグループ

装置内や、対象のRAIDグループでほかの機能が動作中の場合、LDEを実行できないことがあります。

同時に処理を実行可能な機能、件数については、各機能の同時実行可否を参照してください。

Caution
  • LDEが失敗した場合にはデータの復旧ができないため、LDEを実行する前に対象RAIDグループ内の全ボリュームのデータを別領域にバックアップしてください。

  • ドライブを増設する際、拡張するRAIDグループを構成するドライブの容量が混在する場合、RAIDグループを拡張したあとのRAIDグループ内のすべてのドライブが、RAIDグループ内で最小のドライブと同じ容量のドライブとして扱われます。その場合、容量の大きいドライブの残りの領域は使用できません。

    また、使用するドライブの回転数が異なる場合、回転数の遅いドライブの影響により、RAIDグループへのアクセス性能が低下します。

  • アドバンスト・フォーマットのドライブを使用してRAIDグループを構成する場合、アドバンスト・フォーマットに対応していないOSやアプリケーションからそのRAIDグループに属するボリュームにアクセスすると、書き込み性能が低下することがあります。