ボリューム容量拡張
概要
選択したボリュームに対してLUNコンカチネーション機能で新たなボリュームを連結し、サーバから使用できるボリューム容量を拡張します。
ボリューム容量の拡張では、以下のことを実現できます。
既存のRAIDグループの空き容量を利用してボリューム容量を拡張できます。
最小で1 GBの空き容量を連結できます。
最大で128 TBの容量のボリュームを作成できます。(ODXバッファーボリュームの場合は、最大1 TBです。)
複数のRAIDグループにまたがった連結ができます。
連結元ボリュームと連結するボリュームには、すべてのRAIDレベルを使用できます。連結元ボリュームと連結するボリュームのRAIDレベルが異なっていても連結できます。
ホストからは連結前/連結中/連結後のいずれも同じようにデータにアクセスできます。
連結数が16未満の場合は、既存の連結ボリュームにさらにボリュームを追加できます。
連結元ボリュームの条件
タイプが「Standard」であること
ボリュームの容量が1 GB以上であること
- 連結ボリュームの場合、以下の仕様であること
ボリュームの連結数が16未満であること
連結ボリュームの容量が128 TB未満であること
(連結ボリュームがODXバッファーボリュームの場合は、1 TB未満であること)
ステータスが「Broken」、「Data Lost」、「Not Ready」、および「Readying」でないこと
RAIDマイグレーション(元/先)を実行中でないこと
コピー範囲に「Totally」を指定したアドバンスト・コピーセッション(ローカル/リモート)がないこと (*1)
ボリュームが属しているRAIDグループがLDE を実行中でないこと
暗号化を実行中でないこと
Storage Migrationの移行経路が設定されていないこと
「キャッシュページ容量」を制限していないこと (*2)
Storage Cluster機能で使用されていないこと
T10-DIF (Data Integrity Field) によるデータ保護が有効でないこと
外部ボリューム でないこと
*1 : コピー範囲に「Totally」を指定するケースには以下があります。 「ETERNUS SF AdvancedCopy Manager Copy Control Module (CCM)」のLUN to LUNコピー
「ETERNUS SF AdvancedCopy Manager Adapter for VMware Site Recovery Manager」を使用したコピー
「ETERNUS VSS Hardware Provider」を使用したコピー
Web GUI/CLIから設定したSnapOPC+
*2 : 「キャッシュパラメーター設定」で「キャッシュページ容量」に「-」(ハイフン)を指定した状態です。なお、「-」(ハイフン)は初期値です。
空き容量を利用可能なRAIDグループの条件
ステータスが「Broken」でないこと
RAIDグループが閉塞していないこと
RAIDグループでLDE を実行中でないこと
外部RAIDグループ でないこと
- 以下のRAIDグループであること
RAIDグループに登録されているボリュームが、128個未満であること
RAIDグループに1 GB以上の空き容量があること
連結元ボリュームが属するRAIDグループを構成するドライブタイプと連結先RAIDグループを構成するドライブタイプが以下の組み合わせであること
連結先ドライブタイプ Online Nearline SSD NVMe SSD Online SED Nearline SED SSD SED NVMe SSD SED 連結元ドライブタイプ Online ○ △ × × × × × × Nearline △ ○ × × × × × × SSD × × ○ × × × × × NVMe SSD × × × ○ × × × × Online SED × × × × ○ △ × × Nearline SED × × × × △ ○ × × SSD SED × × × × × × ○ × NVMe SSD SED × × × × × × × ○ ○ : 連結可 △ : 連結可(非推奨) × : 連結不可
空き容量を利用可能なRAIDグループの推奨条件
- 連結元ボリュームが属しているRAID グループと連結するRAIDグループは、以下を同じにすること
RAIDレベル
ドライブの回転数
ドライブタイプ (Online/Nearline)
ドライブタイプ (Online SED/Nearline SED)
SSDタイプ (SSD/NVMe SSD/SSD SED/NVMe SSD SED)
RAIDグループを構成するドライブの回転数やSSDタイプは、[ RAID グループ詳細 ] 画面の [ ドライブ ] タブで確認できます。
ボリューム容量を拡張する前に、データのバックアップをすることを推奨します。
- 以下の場合、本機能は実行できません。
装置に最大数のボリュームが登録されている
装置内で活性コントローラーファームウェア適用中
装置内でRAIDグループ診断、またはディスク診断を実行中
ボリューム容量を拡張したあと、拡張後のボリューム容量をサーバに認識させる必要があります。
連結後のボリュームの暗号化状態は、連結元ボリュームの状態と同じになります。
ボリュームに連結した領域は、自動的にフォーマットされます。フォーマット状況は、[ ボリューム詳細 ] 画面で確認できます。詳細は、「ボリューム(基本情報)」を参照してください。
TPVの容量の拡張については「シン・プロビジョニングボリューム容量拡張」を参照してください。
連結元ボリュームがフォーマット中であっても、ボリューム容量を拡張(LUNコンカチネーション)できます。
容量拡張に失敗した場合、ボリューム一覧に作業ボリューム(タイプが「Temporary」のボリューム)が表示されます。作業ボリュームを削除して、本機能を再実行してください。
設定内容
既存のボリュームに容量を追加します。
設定されているボリューム
項目 | 説明 | |||
---|---|---|---|---|
No. |
ボリューム番号が表示されます。 |
|||
名前 |
ボリューム名が表示されます。 |
|||
タイプ |
ボリュームの種別が表示されます。 Standard(固定) |
|||
ドライブタイプ |
ボリュームが所属するRAIDグループを構成するドライブの種別が表示されます。 詳細は、ドライブ種別を参照してください。 |
|||
暗号化 |
ボリュームが所属するRAIDグループの暗号化状態(鍵グループ設定状態)が表示されます。 鍵グループが作成されていない場合、またはRAIDグループが装置共通鍵で管理されている場合、「SED(鍵グループ無効)」が表示されます。 本項目は、ドライブタイプが「SED」の場合に表示されます。
|
|||
ボリューム容量 |
現在のボリューム容量が表示されます。 |
|||
コンカチネーション件数 |
現在のボリュームの連結数が表示されます。 |
手動設定
項目 | 説明 |
---|---|
拡張後のボリューム容量 |
連結後のボリューム容量が表示されます。 [ 容量の追加 ] 画面で入力した容量が、拡張後のボリューム容量に加算されます。 現在のボリューム容量 = 拡張後のボリューム容量(初期値) |
拡張後のコンカチネーション件数 |
連結後のボリュームの連結数が表示されます。 [ 容量の追加 ] 画面で容量を追加するたびに、拡張後のコンカチネーション件数に (+1) 加算されます。 現在のコンカチネーション件数 = 拡張後のコンカチネーション件数(初期値) |
容量の追加
[ 容量の追加 ] 画面で設定した内容が表示されます。
項目 | 説明 |
---|---|
容量 |
[ 容量の追加 ] 画面で設定したボリュームの容量と単位が表示されます。 |
RAIDグループ |
[ 容量の追加 ] 画面で選択したRAIDグループの名前が表示されます。 |
暗号化 |
[ 容量の追加 ] 画面で選択したRAIDグループの暗号化状態(鍵グループ設定状態)が表示されます。 本項目は、ドライブタイプが「SED」の場合に表示されます。 SED(鍵グループ有効) SED(鍵グループ無効) |
[ 容量の追加 ] 画面
空き容量を利用するRAIDグループを選択し、追加する容量を入力します。
容量
項目 | 説明 | 設定値 |
---|---|---|
容量 |
連結する容量を入力し、単位を選択します。 容量は「.」(小数点)を含めて最大15文字入力できます。ただし、単位に「MB」を選択した場合、小数点以下が切り捨てられます。単位に「GB」または「TB」を選択した場合、MB換算値の小数点以下が切り捨てられます。 Caution
Note
|
連結する容量 1 GB ~ 該当RAIDグループの「最大空き容量」 単位:TB/GB/MB |
RAIDグループ一覧
項目 | 説明 |
---|---|
ラジオボタン |
空き容量を利用するRAIDグループをオンにします。 Caution
|
名前 |
RAIDグループ名が表示されます。 |
ステータス |
RAIDグループのステータスが表示されます。 詳細は、RAIDグループのステータスを参照してください。 |
ドライブタイプ |
RAIDグループを構成するドライブの種別が表示されます。 詳細は、ドライブ種別を参照してください。 |
RAIDレベル |
RAIDグループのRAIDレベルが表示されます。 詳細は、RAIDレベルを参照してください。 |
総容量 |
RAIDグループの総容量が表示されます。 |
総空き容量 |
RAIDグループの総空き容量が表示されます。 空き容量とは、RAIDグループ内でボリューム未登録の容量、およびボリュームの登録/削除によって分散して空いている容量を指します。 |
最大空き容量 |
RAIDグループ内に存在する空き領域の中で、最大領域の容量が表示されます。 |
暗号化 |
RAIDグループの暗号化状態(鍵グループ設定状態)が表示されます。 本項目は、ドライブタイプが「SED」の場合に表示されます。 SED(鍵グループ有効) SED(鍵グループ無効) |
機能ボタン
ボタン | 説明 |
---|---|
[ 追加 ] |
空き容量を利用するRAIDグループを選択します。 クリックすると、[ 容量の追加 ] 画面が表示されます。 |
[ 削除 ] |
[ 容量の追加 ] 画面で選択したRAIDグループの容量を削除します。 RAIDグループが1個も選択されていない場合は表示されません。 |
操作手順
容量を拡張するボリュームを選択し、[ アクション ] から「ボリューム容量拡張」をクリックします。
Caution外部ボリューム(用途が「Migration」のボリューム)を選択した場合、「ボリューム容量拡張」をクリックできません。
[ 追加 ] ボタンをクリックします。
→ [ 容量の追加 ] 画面が表示されます。
RAIDグループを選択し、連結する容量を入力してから、[ OK ] ボタンをクリックします。
→ [ ボリューム容量拡張 ] 画面に戻ります。
手順2および手順3を繰り返し、RAIDグループの選択および連結する容量の入力が完了したら、[ 拡張 ] ボタンをクリックします。
→ 確認画面が表示されます。
[ OK ] ボタンをクリックします。
→ ボリュームの拡張が開始されます。
[ 完了 ] ボタンをクリックして、[ ボリューム ] 画面に戻ります。