MetroCluster マニュアル

レイヤー3ソリューションの計画を立てる際には、以下のガイドラインと図を確認してください。

仮想IP（VIP）LIFの設定

ONTAPの制限事項

ONTAPでは、MetroCluster構成の両方のサイト上の全ノードにBGPピアリングが設定されているかが自動的には検証されません。

ONTAPでは、ルート アグリゲーションは実行されませんが、個々の仮想LIF IPが常に一意のホスト ルートとして表示されます。

ONTAPは、完全なAnycastをサポートしていません。クラスタ内の1つのノードだけが、特定の仮想LIF IPを提供します（ただし物理ポートが正しいIPspaceに属していればBGP LIFであるかどうかに関係なくすべての物理インターフェイスで受け入れられます）。異なるLIFを別々のホスト ノードへ個別に移行できます。

MetroCluster構成でこのレイヤー3ソリューションを使用する場合のガイドライン

必要な冗長性を確保するには、BGPとVIPを正しく設定する必要があります。

アーキテクチャーを複雑にするよりも、よりシンプルな導入シナリオが推奨されます（たとえば、BGPピアリング ルーターはBGPルーターではない中間ルーター経由で到達可能です）。ただし、ONTAPでは、ネットワーク設計やトポロジーの制限はありません。

VIP LIFは、フロントエンド / データ ネットワークのみをカバーします。

ONTAPのバージョンによっては、システムまたはデータSVMではなく、ノードSVMでBGPピアリングLIFを設定する必要があります。9.8では、BGP LIFがクラスタ（システム）SVMに認識されるようになり、ノードSVMは存在しなくなりました。

各データSVMに、ありうるすべてのファースト ホップ ゲートウェイ アドレス（通常はBGPルーターのピアリングIPアドレス）を設定する必要があります。LIFの移行またはMetroClusterのフェイルオーバーが発生したときのリターン データ パスを利用できるようにするためです。

BGP LIFは、クラスタ間LIFと同じくノードに固有です。各ノードには一意の設定があり、これをDRサイトのノードにレプリケートする必要はありません。

設定されている場合、v0a（v0bなど）が存在すると接続が継続的に検証され、LIFの移行やフェイルオーバーの正常な実行が保証されます（一方、L2では機能停止後にしか破損した設定を認識できません）。

アーキテクチャー上の大きな違いは、クライアントでデータSVMのVIPと同じIPサブネットが共有されないようになったことです。VIPを正しく動作させるためには、適切なエンタープライズクラスの耐障害性機能と冗長性機能（VRRP / HSRPなど）が有効になっているL3ルーターを、ストレージとクライアントの間のパス上に配置する必要があります。

BGPの更新プロセスは信頼性が高く、わずかに高速化されたこと、また一部のクライアントが中断する可能性が低下したことで、LIFの移行がスムーズになります。

ネットワークやスイッチの一部のクラスの誤動作をLACPよりも迅速に検出するようにBGPを設定できます（適切に設定されている場合）。

External BGP（EBGP）では、ONTAPノードとピアリング ルーター間で異なるAS番号が使用されます。この環境は、ルーター上でのルートの集約と再配布を容易にするために推奨されます。Internal BGP（IBGP）とルート リフレクタは使用できないことはありませんが、単純なVIP設定の範囲からは外れます。

導入後、関連付けられた仮想LIFを各サイトのすべてのノード間で移行する際（MetroClusterのスイッチオーバーを含む）にデータSVMにアクセスできることを確認して、同じデータSVMへの静的ルートが正しく設定されていることを検証する必要があります。

VIPは、大半のIPベース プロトコル（NFS、SMB、iSCSI）で機能します。