MetroCluster マニュアル ( CA08871-401 )
MetroCluster IP構成に関する考慮事項
コントローラーがリモート ストレージにアクセスする仕組みと、MetroClusterのIPアドレスの仕組みを理解しておく必要があります。
MetroCluster IP構成でのリモート ストレージへのアクセス
MetroCluster IP構成では、ローカル コントローラーからリモート ストレージ プールにアクセスする場合、リモート コントローラーを経由する以外に方法がありません。IPスイッチはコントローラーのイーサネット ポートに接続され、ディスク シェルフに直接は接続されません。リモート コントローラーが停止した場合、ローカル コントローラーはリモート ストレージ プールにアクセスできません。
MetroClusterのIPアドレス
MetroCluster IP構成でMetroClusterのIPアドレスとインターフェイスがどのように実装されるかを確認し、関連する要件についても理解しておく必要があります。
MetroCluster IP構成では、HAペア間およびDRパートナー間でのストレージと不揮発性キャッシュのレプリケーションがMetroCluster IPファブリック内の広帯域の専用リンクを使用して行われます。ストレージのレプリケーションにはiSCSI接続が使用されます。IPスイッチは、ローカル クラスタ内のすべてのクラスタ内トラフィックにも使用されます。MetroClusterトラフィックは、異なるIPサブネットとVLANを使用することでクラスタ内トラフィックと分離されます。MetroCluster IPファブリックは、クラスタ ピアリング ネットワークとは別のものです。
MetroCluster IP構成では、バックエンドMetroCluster IPファブリック用に予約されたIPアドレスが各ノードに2つ必要です。予約されたIPアドレスは、初期設定時にMetroCluster IPの論理インターフェイス(LIF)に割り当てられます。このIPアドレスの要件は次のとおりです。
MetroClusterのIPアドレスは初期設定後は変更できないため、慎重に選択する必要があります。 |
-
固有のIP spaceに属している必要があります。
環境全体でIP spaceの重複がないようにしてください。
-
他のすべてのトラフィックと分離した2つのIPサブネットのいずれかに属している必要があります。
例えば、次のようにノードのIPアドレスを設定できます。
ノード |
インターフェイス |
IPアドレス |
サブネット |
---|---|---|---|
node_A_1 |
MetroCluster IPインターフェイス1 |
10.1.1.1 |
10.1.1/24 |
node_A_1 |
MetroCluster IPインターフェイス2 |
10.1.2.1 |
10.1.2/24 |
node_A_2 |
MetroCluster IPインターフェイス1 |
10.1.1.2 |
10.1.1/24 |
node_A_2 |
MetroCluster IPインターフェイス2 |
10.1.2.2 |
10.1.2/24 |
node_B_1 |
MetroCluster IPインターフェイス1 |
10.1.1.3 |
10.1.1/24 |
node_B_1 |
MetroCluster IPインターフェイス2 |
10.1.2.3 |
10.1.2/24 |
node_B_2 |
MetroCluster IPインターフェイス1 |
10.1.1.4 |
10.1.1/24 |
node_B_2 |
MetroCluster IPインターフェイス2 |
10.1.2.4 |
10.1.2/24 |
MetroCluster IPインターフェイスの特性
MetroCluster IPインターフェイスは、MetroCluster IP構成に固有のインターフェイスです。ONTAPの他のタイプのインターフェイスとは異なる特性があります。
-
MetroCluster構成の初期設定時に
metrocluster configuration-settings interface create
コマンドを使用して作成します。ONTAP 9.9.1以降では、レイヤー3構成を使用している場合、MetroCluster IPインターフェイスの作成時に -gateway
パラメーターも指定する必要があります。「レイヤー3ワイドエリア ネットワークに関する考慮事項」を参照してください。network interface
コマンドで作成または変更することはできません。 -
network interface show
コマンドの出力には表示されません。 -
フェイルオーバーは行われず、作成時と同じポートに関連付けられたままになります。
-
MetroCluster IP構成では、MetroCluster IPインターフェイスに特定のイーサネット ポート(プラットフォームによって異なる)を使用します。