エフサステクノロジーズ株式会社

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MetroCluster マニュアル

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クラスタ ピアリング

各MetroClusterサイトは、それぞれのパートナー サイトのピアとして設定されます。ピア関係を設定するための前提条件とガイドラインを理解しておく必要があります。このことは、ピア関係に共有ポートと専用ポートのどちらを使用するかを決定する際に重要となります。

クラスタ ピアの前提条件

クラスタ ピアリングを設定する前に、ポート間の接続、IPアドレス、サブネット、ファイアウォール、およびクラスタの命名要件が下記の条件を満たしているか確認してください。

接続要件

ローカル クラスタのすべてのクラスタ間LIFが、リモート クラスタのすべてのクラスタ間LIFと通信可能であることが必要です。

必須ではありませんが、一般に、クラスタ間LIFには同じサブネットのIPアドレスを使用した方が構成がシンプルになります。使用するIPアドレスは、データ管理LIFと同じサブネットのIPアドレスでも別のサブネットのIPアドレスでもかまいません。各クラスタで使用するサブネットは、次の要件を満たしている必要があります。

  • 1つのノードにつき1つのインタークラスタ管理LIFが割り当てられるよう、サブネットに十分な数のIPアドレスを準備する。

    たとえば、4ノード クラスタの場合、クラスタ間通信で使用するサブネットには使用可能なIPアドレスが4つ必要です。

クラスタ間ネットワークでは、ノードごとにインタークラスタ管理LIFとIPアドレスが必要です。

クラスタ間LIFのアドレスにはIPv4またはIPv6のいずれかを使用できます。

ONTAP 9では、必要に応じてIPv4プロトコルとIPv6プロトコルがクラスタ間LIFに共存することを許可し、IPv4からIPv6にピアリング ネットワークを移行できます。以前のリリースでは、クラスタ全体のすべてのクラスタ間関係がIPv4またはIPv6のどちらかだったため、プロトコルの変更はシステム停止を伴うイベントでした。

ポートの要件

クラスタ間通信には専用のポートを使用することも、データ ネットワークで使用しているポートを共有することもできます。ポートは、次の要件を満たしている必要があります。

  • 特定のリモート クラスタとの通信で使用されるすべてのポートのIPspaceが同じである。

    複数のクラスタとのピア関係の作成には複数のIPspaceを使用できます。ペアワイズのフルメッシュ接続はIPspace内でのみ必要になります。

  • クラスタ間通信で使用されるブロードキャスト ドメインに、1ノードあたり最低2つのポートがあり、クラスタ間通信で別のポートへのフェイルオーバーが可能になっている。

    ブロードキャスト ドメインに追加できるポートは、物理ネットワーク ポート、VLAN、インターフェイス グループ(ifgrps)です。

  • すべてのポートが接続されている。

  • すべてのポートが健全な状態である。

  • ポートのMTU設定が一貫している。

ファイアウォールの要件

ファイアウォールとクラスタ間ファイアウォール ポリシーでは、以下のプロトコルを許可する必要があります。

  • ICMPサービス

  • ポート10000、11104、および11105経由でのすべてのクラスタ間LIFのIPアドレスへのTCP接続

  • クラスタ間LIF間の双方向HTTPS

デフォルトのクラスタ間ファイアウォール ポリシーは、HTTPSプロトコル経由のアクセス、およびすべてのIPアドレス(0.0.0.0/0)からのアクセスを許可します。このポリシーは、必要に応じて変更や置き換えが可能です。

専用のポートを使用する場合の考慮事項

専用のポートを使用することが適切なクラスタ間ネットワーク ソリューションであるかどうかを判断するには、LANのタイプ、利用可能なWAN帯域幅、レプリケーション間隔、変更率、ポート数などの設定や要件を考慮する必要があります。

専用のポートを使用することがクラスタ間ネットワーク ソリューションとして適切であるかどうかを判断するには、ネットワークについて次の事項を考慮してください。

  • 使用できるWAN帯域幅がLANポートの帯域幅とほぼ同じで、レプリケーション間隔の設定により、通常のクライアント アクティビティが実行されている間にレプリケーションが実行される場合は、クラスタ間レプリケーションにイーサネット ポートを専用に割り当てて、レプリケーションとデータ プロトコルとの競合を回避します。

  • データ プロトコル(CIFS、NFS、iSCSI)によるネットワーク利用率が50%を超える場合は、レプリケーションにポートを専用に割り当てて、ノード フェイルオーバーの場合も、パフォーマンスが低下しないようにします。

  • 10GbE以上の物理ポートがデータとレプリケーションの両方に使用されている場合は、レプリケーション用にVLANポートを作成し、論理ポートをクラスタ間 レプリケーション専用にすることができます。

    すべてのVLANおよびベース ポートでポートの帯域幅が共有されます。

  • データの変更率とレプリケーション間隔について検討し、間隔ごとにレプリケートする必要があるデータ量により帯域幅が不足しないかどうかを検討します。帯域幅が不足すると、データ ポートを共有した場合に、データ プロトコルとの競合が発生する可能性があります。

データ ポートを共有する場合の考慮事項

クラスタ間レプリケーションのためにデータ ポートを共有することが、クラスタ間ネットワーク ソリューションとして適切であるかどうかを判断するには、LANのタイプ、利用可能なWAN帯域幅、レプリケーション間隔、変更率、ポート数などの設定や要件を考慮する必要があります。

データ ポートを共有することがクラスタ間接続ソリューションとして適切であるかどうかを判断するには、ネットワークについて次の事項を考慮してください。

  • 40ギガビット イーサネット(40GbE)ネットワークのように高速なネットワークの場合は、データ アクセスに使用されるのと同じ40GbEポート上に、レプリケーションを実行するためのローカルLAN帯域幅が十分にあると考えられます。

    多くの場合、使用できるWAN帯域幅は、10GbEのLAN帯域幅よりもはるかに狭くなります。

  • クラスタ内のすべてのノードが、データをレプリケートし、使用できるWAN帯域幅を共有しなければならない場合、データ ポートを共有する方法は、比較的許容できる選択肢となります。

  • データ用とレプリケーション用のポートを共有すると、ポートをレプリケーション専用にする場合のようにポート数を増やす必要がありません。

  • レプリケーション ネットワークの最大転送単位(MTU)サイズは、データ ネットワークに使用されるサイズと同じになります。

  • データの変更率とレプリケーション間隔について検討し、間隔ごとにレプリケートする必要があるデータ量により帯域幅が不足しないかどうかを検討します。帯域幅が不足すると、データ ポートを共有した場合に、データ プロトコルとの競合が発生する可能性があります。

  • データ ポートをクラスタ間レプリケーション用に共有すると、同じノード上にある他の任意のクラスタ間対応ポートにクラスタ間LIFを移行して、レプリケーションに使用する特定のデータ ポートをコントロールできます。

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