MetroCluster マニュアル
ONTAP MediatorとMetroCluster Tiebreakerの違い
ONTAP 9.7以降では、MetroCluster IP構成でONTAP Mediator-Assisted Automatic Unplanned Switchover(MAUSO;Mediatorアシスト自動計画外スイッチオーバー)を使用するか、MetroCluster Tiebreakerソフトウェアを使用できます。MetroCluster IP構成で使用できるサービスは、2つのうちの1つだけです。
MetroCluster構成に応じて、異なる状況で自動スイッチオーバーが実行されます。
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ONTAP Mediatorサービスを使用したMetroCluster IP構成(ONTAP 9.7以降)
これらの構成では、前述のAUSOと同じ状況に加え、サイト全体(コントローラー、ストレージ、スイッチ)の障害が発生した場合にMAUSOが開始されます。
MAUSOが開始されるのは、障害が発生した時点で不揮発性キャッシュ ミラーリング(DRミラーリング)とSyncMirrorプレックス ミラーリングが同期されている場合だけです。 -
アクティブ モードでTiebreakerソフトウェアを使用したMetroCluster IP
これらの構成では、サイト全体の障害が発生した場合にTiebreakerで計画外スイッチオーバーが開始されます。
Tiebreakerソフトウェアの使用については、「Tiebreakerソフトウェア インストールおよび設定ガイド」を参照してください。
ONTAP Mediatorと他のアプリケーションおよびアプライアンスとの相互運用性
スイッチオーバーをトリガーできるサードパーティのアプリケーションやアプライアンスをONTAP Mediatorと組み合わせて使用することはできません。また、ONTAP Mediatorを使用する場合は、MetroCluster TiebreakerソフトウェアによるMetroCluster構成の監視はサポートされません。
ONTAP Mediatorでの自動計画外スイッチオーバーのサポート
ONTAP Mediatorは、 Mediator ホストにあるメールボックスにMetroClusterノードについての状態情報を格納します。MetroClusterノードでは、この情報を使用してDRパートナーの状態を監視し、災害発生時にMAUSOを実装できます。
スイッチオーバーが必要なサイト障害がノードで検出されると、スイッチオーバーに該当する状況であることを確認したうえでスイッチオーバーが実行されます。
MAUSOが開始されるのは、次のシナリオが発生した場合のみです。
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各ノードの不揮発性キャッシュのSyncMirrorミラーリングとDRミラーリングの両方が動作しており、障害が発生した時点でキャッシュとミラーが同期されている。
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サバイバー サイトにテイクオーバー状態のノードがない。
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サイト障害が発生した。サイト障害とは、同一サイトの*すべて*のノードに障害が発生している状態です。
ONTAP 9.13.1以降では、クラスタまたはHAペアのいずれかで障害が発生した場合にMAUSOを開始するように動作を変更できます。HAペアの場合は、両方のノードで同時に障害が発生することが条件になります。 -
ONTAP 9.13.1以降で、上記の条件が満たされ、ファンまたはハードウェアの障害により環境のシャットダウンが開始された(電源装置、NVRAMバッテリ、サービス プロセッサーのハートビートの障害、高温または低温など)。
上記以外のシナリオでも、MAUSOを開始させることができます。詳細については、「MetroClusterの自動強制スイッチオーバーを使用する場合のリスクと制限事項」を参照してください。
次のシャットダウン シナリオでは、MAUSOは開始されません。
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ユーザーがシャットダウンを開始した。たとえば次のような場合です。
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ノードの停止。
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ノードのリブート
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