エフサステクノロジーズ株式会社

本ページの製品は2024年4月1日より、エフサステクノロジーズ株式会社に統合となり、順次、切り替えを実施してまいります。一部、富士通表記が混在することがありますので、ご了承ください。

MetroCluster マニュアル

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MetroCluster準拠スイッチの使用に関する考慮事項

MetroCluster IP構成でMetroCluster準拠スイッチを使用できます。Fujitsuによる検証は行われていませんが、Fujitsuの仕様に準拠しているスイッチです。ただし、検証済みでないスイッチについては、Fujitsuはサポート サービス、トラブルシューティング、構成を提供しません。

Fujitsu検証済みスイッチ

Fujitsu検証済みスイッチは、次の条件をすべて満たしている必要があります。

  • MetroCluster IP構成の一部としてFujitsuから提供されるスイッチである

  • MetroCluster IPコントローラーに(一部の構成ではNS224ドライブ シェルフにも)接続するためにのみ使用されるスイッチである

  • Fujitsuが提供するReference Configuration File(RCF;リファレンス構成ファイル)を使用して設定されたスイッチである

これらの条件を満たしていないスイッチは、Fujitsu検証済みスイッチではありません

MetroCluster準拠スイッチ

MetroCluster準拠スイッチは、Fujitsuによる検証はされていませんが、次の要件と構成ガイドラインを満たしていれば、MetroCluster IP構成で使用できます。

検証済みでないMetroCluster準拠スイッチについては、Fujitsuはサポート サービス、トラブルシューティング、構成を提供しません。

MetroCluster準拠スイッチの要件

これらの要件は、Reference Configuration File(RCF;リファレンス構成ファイル)を使用せずにMetroCluster準拠スイッチを構成する場合のものです。

  • MetroClusterノードに接続されているスイッチは、MetroCluster以外のトラフィックを伝送できます。

  • MetroCluster準拠スイッチを使用できるのは、スイッチレス クラスタ インターコネクト専用ポートが提供されるシリーズのみです。ETERNUS HX2200やETERNUS AX2100などのシリーズは、MetroClusterトラフィックとMetroClusterインターコネクト トラフィックで同じネットワーク ポートが共有されるため使用できません。

    MetroCluster準拠スイッチをローカル クラスタ接続に使用しないでください。

  • MetroCluster IPインターフェイスは、要件を満たすように設定できる任意のスイッチ ポートに接続できます。

  • スイッチ ポートの速度は、ETERNUS HX6100およびETERNUS AX4100では25Gbps、その他のシリーズでは40Gbps以上(40Gbpsまたは100Gbps)である必要があります。

  • スイッチ ファブリックごとに2つずつ、合計4つのIPスイッチが必要です。

  • ISLは10Gbps以上で、MetroCluster構成の負荷に応じて適切なサイズにする必要があります。

  • MetroCluster構成は、2つのネットワークに接続する必要があります。MetroClusterインターフェイスを同じネットワークやスイッチに接続することはできません。各MetroClusterノードは、2つのネットワーク スイッチに接続する必要があります。

  • ネットワークの要件は次のとおりです。

  • MetroCluster IPトラフィックに使用されるすべてのスイッチで、MTUが9216に設定されている必要があります。

MetroCluster準拠スイッチのスイッチとケーブル接続の要件

  • スイッチでQoS / トラフィック分類がサポートされている必要があります。

  • スイッチでExplicit Congestion Notification(ECN;明示的輻輳通知)がサポートされている必要があります。

  • パスで順序が維持されるように、スイッチでL4ポートVLANロード バランシング ポリシーがサポートされている必要があります。

  • スイッチでL2 Flow Control(L2FC;L2フロー制御)がサポートされている必要があります。

  • ノードとスイッチの接続には、Fujitsuから購入したケーブルを使用する必要があります。スイッチ ベンダーがサポートしているケーブルを使用してください。

MetroCluster準拠スイッチの制限事項

ローカル クラスタ接続をスイッチに接続する必要がある構成や機能は使用できません。たとえば、次の構成と手順はMetroCluster準拠スイッチでは使用できません。

  • 8ノードMetroCluster構成

  • 4ノードMetroCluster IP構成の更新

MetroCluster準拠スイッチのネットワーク速度とスイッチ ポート モード(シリーズ別)

次の表に、MetroCluster準拠スイッチのネットワーク速度とスイッチ ポート モードを、シリーズ別に示します。表の記載に従ってスイッチ ポート モードを設定するようにしてください。

値が記載されていないシリーズでは、MetroCluster準拠スイッチは使用できません。

シリーズ

ネットワーク速度(Gbps)

スイッチ ポート モード

ETERNUS AX4100
ETERNUS AC4100

40 または 100

トランク モード

ETERNUS AX2200

-

-

ETERNUS AX2100
ETERNUS AC2100

-

-

ETERNUS AX1200 

-

-

ETERNUS HX6100

40 または 100

トランク モード

ETERNUS HX2200

-

-

例で想定している状況

ここで紹介する例は、Cisco NX31xxおよびNX32xxスイッチのものです。他のスイッチを使用する場合も参考になりますが、使用するスイッチによってコマンドが異なることがあります。これらの例で示している機能がスイッチで使用できない場合、そのスイッチは最小要件を満たしておらず、MetroCluster構成の導入には使用できません。これは、MetroCluster構成の接続に使用するすべてのスイッチ、およびそれらのスイッチ間のパスにあるすべてのスイッチに当てはまります。

  • ISLポートは15と16で、速度は40Gbpsです。

  • ネットワーク1のVLANは10で、ネットワーク2のVLANは20です。ここでは、一方のネットワークの例しか示していない場合があります。

  • MetroClusterインターフェイスは各スイッチのポート9に接続され、速度は100Gbpsです。

  • ここでは、例の完全なコンテキストは示していません。コマンドを実行するには、プロファイル、VLAN、インターフェイスなどの詳細な設定情報を必要に応じて入力してください。

一般的なスイッチの設定

各ネットワークのVLANを設定する必要があります。次の例では、ネットワークのVLANを10に設定しています。

例:

# vlan 10

順序が維持されるように、ロード バランシング ポリシーを設定する必要があります。

例:

# port-channel load-balance src-dst ip-l4port-vlan

アクセス マップとクラス マップを設定して、RDMAトラフィックとiSCSIトラフィックを適切なクラスにマッピングする必要があります。

ポート65200を経由するすべてのTCPトラフィックをストレージ(iSCSI)クラスにマッピングします。ポート10006を経由するすべてのTCPトラフィックをRDMAクラスにマッピングします。

例:

ip access-list storage
  10 permit tcp any eq 65200 any
  20 permit tcp any any eq 65200
ip access-list rdma
  10 permit tcp any eq 10006 any
  20 permit tcp any any eq 10006

class-map type qos match-all storage
  match access-group name storage
class-map type qos match-all rdma
  match access-group name rdma

入力ポリシーを設定する必要があります。入力ポリシーは、トラフィックを異なるCOSグループに分類してマッピングします。この例では、RDMAトラフィックをCOSグループ5にマッピングし、iSCSIトラフィックをCOSグループ4にマッピングしています。

例:

policy-map type qos MetroClusterIP_Ingress
class rdma
  set dscp 40
  set cos 5
  set qos-group 5
class storage
  set dscp 32
  set cos 4
  set qos-group 4

スイッチで出力ポリシーを設定する必要があります。出力ポリシーは、トラフィックを出力キューにマッピングします。この例では、RDMAトラフィックをキュー5にマッピングし、iSCSIトラフィックをキュー4にマッピングしています。

例:

policy-map type queuing MetroClusterIP_Egress
class type queuing c-out-8q-q7
  priority level 1
class type queuing c-out-8q-q6
  priority level 2
class type queuing c-out-8q-q5
  priority level 3
  random-detect threshold burst-optimized ecn
class type queuing c-out-8q-q4
  priority level 4
  random-detect threshold burst-optimized ecn
class type queuing c-out-8q-q3
  priority level 5
class type queuing c-out-8q-q2
  priority level 6
class type queuing c-out-8q-q1
  priority level 7
class type queuing c-out-8q-q-default
  bandwidth remaining percent 100
  random-detect threshold burst-optimized ecn

ISLにMetroClusterトラフィックがあるが、いずれのMetroClusterインターフェイスにも接続されていないスイッチについて設定する必要が生じることがあります。この場合、トラフィックはすでに分類されており、適切なキューにマッピングするだけで済みます。次の例では、すべてのCOS5トラフィックをクラスRDMAにマッピングし、すべてのCOS4トラフィックをクラスiSCSIにマッピングしています。これは、MetroClusterトラフィックだけでなく、すべてのCOS5トラフィックとCOS4トラフィックに影響することに注意してください。MetroClusterトラフィックのみをマッピングする場合は、上記のクラス マップを使用してアクセス グループでトラフィックを識別する必要があります。

例:

class-map type qos match-all rdma
  match cos 5
class-map type qos match-all storage
  match cos 4

ISLの設定

許可するVLANを設定するときに「トランク」モードでポートを設定できます。

許可するVLANのリストを設定するコマンドと、許可するVLANを既存のリストに追加するコマンドの2つがあります。

許可するVLANを設定する例を次に示します。

例:

switchport trunk allowed vlan 10

許可するVLANをリストに追加する例を次に示します。

例:

switchport trunk allowed vlan add 10

この例では、VLAN 10にポート チャネル10を設定しています。

例:

interface port-channel10
switchport mode trunk
switchport trunk allowed vlan 10
mtu 9216
service-policy type queuing output MetroClusterIP_Egress

次の例に示すように、ISLポートをポート チャネルの一部として設定して出力キューに割り当てる必要があります。

例:

interface eth1/15-16
switchport mode trunk
switchport trunk allowed vlan 10
no lldp transmit
no lldp receive
mtu 9216
channel-group 10 mode active
service-policy type queuing output MetroClusterIP_Egress
no shutdown

ノード ポートの設定

ノード ポートをブレークアウト モードで設定する必要がある場合があります。この例では、ポート25と26をブレークアウト モードで4つの25Gbpsポートとして設定しています。

例:

interface breakout module 1 port 25-26 map 25g-4x

MetroClusterインターフェイスのポート速度を設定する必要がある場合があります。次の例では、速度を「auto」に設定しています。

例:

speed auto

次の例では、速度を40Gbpsに固定しています。

例:

speed 40000

インターフェイスの設定が必要になる場合があります。次の例では、インターフェイスの速度を「auto」に設定しています。

VLAN 10のポートはアクセス モードで、MTUが9216に設定され、MetroCluster入力ポリシーが割り当てられています。

例:

interface eth1/9
description MetroCluster-IP Node Port
speed auto
switchport access vlan 10
spanning-tree port type edge
spanning-tree bpduguard enable
mtu 9216
flowcontrol receive on
flowcontrol send on
service-policy type qos input MetroClusterIP_Ingress
no shutdown

25Gbpsポートでは、次の例に示すように、FEC設定を「off」に設定する必要がある場合があります。

例:

fec off
このコマンドは、インターフェイスを設定したあとに必ず実行する必要があります。コマンドを実行するために、トランシーバ モジュールの挿入が必要になることがあります。
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