SANtricity 11.7 Solutions

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  • Web Services Proxy(ca08871-230.pdf)
  • リモート ボリューム ミラーリング(ca08871-231.pdf)
  • Storage Plugin for vCenter(ca08871-232.pdf)
  • プールとボリューム グループの概要

    Storage Plugin for vCenterでストレージをプロビジョニングするには、ストレージ システムで使用するハード ディスク ドライブ(HDD)またはソリッド ステート ディスク(SSD)ドライブを含むプールまたはボリューム グループを作成します。

    プロビジョニング

    物理ハードウェアは、データを整理し、簡単に取得できるように、論理コンポーネントにプロビジョニングされます。次の2種類のグループ化がサポートされています。

    • プール

    • ボリューム グループ

    プールとボリューム グループは、ストレージ システム内の最上位のストレージ単位であり、ドライブの容量を管理可能な区分に分割します。これらの論理区分内に、データの格納先である個々のボリュームまたはLUNがあります。

    ストレージ システムを導入したら、まず次の処理を実行して使用可能なドライブ容量をさまざまなホストに提供します。

    • 十分な容量を備えたプールまたはボリューム グループを作成

    • パフォーマンス要件を満たすために必要な数のドライブをプールまたはボリューム グループに追加

    • 特定のビジネス要件を満たすために必要なレベルのRAID保護(ボリューム グループを使用している場合)を選択

    同じストレージ システム上にプールまたはボリューム グループを複数作成することはできますが、1本のドライブを複数のプールまたはボリューム グループに所属させることはできません。その後、プールまたはボリューム グループのスペースを使用して、I/O用にホストに表示されるボリュームが作成されます。

    プール

    プールは、複数の物理ハード ディスク ドライブを1つの大きいストレージ スペースに集約し、RAID保護を強化するために設計されています。プールに割り当てられたドライブをすべて使用して多数の仮想RAIDセットを作成したり、プールを構成する全ドライブにデータを均等に分散することができます。ドライブを減らしたり追加したりした場合は、アクティブなドライブ全体にわたってデータの再分散が動的に実行されます。

    プール機能はワンランク上のRAIDとして機能します。基盤となるRAIDアーキテクチャーが仮想化されるため、リビルド、ドライブ拡張、ドライブ障害への対応といったタスクの処理に最適なパフォーマンスと柔軟性が提供されます。RAIDレベルは、8+2構成(8本のデータ ディスクと2本のパリティ ディスク)では自動的に6に設定されます。

    ドライブの一致

    プールにはHDDまたはSSDのいずれかを選択できます。ただし、ボリューム グループと同様に、プール内のすべてのドライブが同じテクノロジを使用する必要があります。どのドライブを含めるかは、コントローラーが自動的に選択するため、選択したドライブ タイプに対して十分な数のドライブを確保する必要があります。

    障害ドライブの管理

    プールの最小容量は11ドライブです。ただし、ドライブに障害が発生した場合に備えて、1ドライブ分の容量がスペア容量としてリザーブされます。このスペア容量を「予約済み容量」と呼びます。

    プールが作成されると、一定の容量が緊急用に保持されます。この容量はドライブ数として表されますが、実際にはドライブのプール全体に分散されます。予約済み容量のデフォルトは、プール内のドライブ数に基づきます。

    プールの作成後、予約済み容量の値は増減できます。また、予約済み容量なし(0ドライブ分)に設定することもできます。保持可能な最大容量(ドライブ数)は10ですが、プール内のドライブの総数に基づいて、実際に使用可能な容量はこれより小さい場合もあります。

    ボリューム グループ

    ボリューム グループは、ストレージ システム内で容量をボリュームに割り当てる方法を定義します。ディスク ドライブはRAIDグループにまとめられ、ボリュームは1つのRAIDグループ内の複数のドライブにまたがって実装されます。したがって、ボリューム グループの設定により、グループに含まれるドライブと、使用されているRAIDレベルが特定されます。

    ボリューム グループを作成する場合、グループに含めるドライブはコントローラーによって自動的に選択されます。グループのRAIDレベルは手動で選択する必要があります。ボリューム グループの容量は、選択したドライブの合計数にドライブの容量を掛けた値となります。

    ドライブの一致

    ボリューム グループ内のドライブのサイズとパフォーマンスを一致させる必要があります。ボリューム グループ内のドライブの容量が異なる場合、すべてのドライブが最小容量のサイズとして認識されます。ボリューム グループ内のドライブの速度が異なる場合、すべてのドライブが最低速度で認識されます。これらの要素は、ストレージ システムのパフォーマンスと全体的な容量に影響します。

    異なるドライブ テクノロジ(HDDとSSDドライブ)を混在させることはできません。RAID 3、5、6は、最大30ドライブまでに制限されています。RAID 1およびRAID 10はミラーリングを使用するため、ディスク数は偶数にする必要があります。

    障害ドライブの管理

    ボリューム グループに含まれるRAID 1/10、RAID 3、RAID 5、またはRAID 6のボリュームでドライブに障害が発生した場合に備えて、ボリューム グループではホット スペア ドライブをスタンバイとして使用します。ホット スペア ドライブにはデータは含まれず、ストレージ システムの冗長性レベルの向上に使用されます。

    ストレージ システム内のドライブで障害が発生した場合、障害が発生したドライブからホット スペア ドライブに自動的に切り替わります。物理的にドライブを交換する必要はありません。ドライブ障害の発生時にホット スペア ドライブが使用可能であれば、冗長性データを使用して障害が発生したドライブからホット スペア ドライブにデータが再構築されます。

    プールとボリューム グループのどちらを使用するか

    プールを使用する

    • 迅速なドライブのリビルドやストレージ管理の簡易化が必要な場合、大量のランダム ワークロードを処理する場合。

    • 各ボリュームのデータを、プールを構成する一連のドライブにランダムに分散する場合。プールまたはプールに含まれるボリュームのRAIDレベルは設定または変更できません。プールではRAID 6を使用します。

    ボリューム グループを使用する

    • システムの帯域幅を最大限に使用する場合、ストレージの設定を調整する必要がある場合、大量のシーケンシャル ワークロードを処理する場合。

    • データをRAIDレベルに基づいてドライブに分散する場合。ボリューム グループは作成時にRAIDレベルを指定できます。

    • 各ボリュームのデータをボリューム グループを構成する一連のドライブにシーケンシャルに書き込む場合。

    プールとボリューム グループは共存可能で、ストレージ システムにプールとボリューム グループの両方を含めることができます。

    プールの自動作成と手動作成

    ストレージ構成に応じて、プールを自動的に作成することも、手動で作成することもできます。プールは、論理的にグループ化されたドライブの集まりです。

    プールを作成して管理する前に、次のセクションを参照して、プールの自動作成の仕組みと手動作成が必要な状況について確認してください。

    自動作成

    ストレージ システムで未割り当て容量が検出されると、プールの自動作成が開始されます。プールを作成するか、未割り当て容量を既存のプールに追加するか、あるいはその両方を行うかを選択する画面が表示されます。

    プールの自動作成は、次のいずれかの条件に該当する場合に行われます。

    • ストレージ システムにプールが存在せず、新しいプールを作成するのに十分な数の類似したドライブがある。

    • プールが少なくとも1つ存在するストレージ システムに新しいドライブが追加された。プール内の各ドライブは、同じタイプ(HDDまたはSSD)かつ同等の容量を備えている必要があります。次のタスクを実行するよう求めるメッセージが表示されます。

    • 同じタイプの十分な数のドライブがある場合は、1つのプールを作成する。

    • 未割り当て容量が異なるドライブ タイプのドライブで構成されている場合は、複数のプールを作成する。

    • ストレージ システムにすでにプールが定義されている場合、追加した新しいドライブのドライブ タイプが既存のプールと同じであれば、そのプールにドライブを追加する。

    • タイプの異なる複数のドライブを追加した場合は、ドライブ タイプが同じドライブを既存のプールに追加し、別のドライブ タイプのドライブを使用して別のプールを作成する。

    手動作成

    最適な構成を自動作成によって判断できない場合は、プールを手動で作成できます。このような状況は、次のいずれかの理由で発生する可能性があります。

    • 新しいドライブが複数のプールに追加される可能性がある。

    • 1つ以上の新しいプール候補で、シェルフ損失の保護またはドロワー損失の保護を使用できる。

    • 1つ以上の既存のプール候補で、シェルフ損失の保護またはドロワー損失の保護のステータスを維持できない。ストレージ システムに複数のアプリケーションがあり、それらが同じドライブ リソースにアクセスしないようにしたい場合も、プールを手動で作成できます。この場合は、アプリケーション用に小規模なプールを手動で作成することを検討してください。この方法なら、多数のボリュームを含む大容量のプールにワークロードを割り当ててデータを分散する代わりに、ボリュームを1個か2個だけ割り当てることができます。特定のアプリケーションのワークロード専用に個別のプールを手動で作成することで、競合が軽減されてストレージ システムの処理が高速化します。

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