SANtricity 11.8 Solutions
Web Services Proxyでのユーザー アクセスの管理
セキュリティ対策として、Web Services APIとUnified Managerへのユーザー アクセスを管理することができます。
アクセス管理の概要
アクセス管理には、ロールベース ログイン、パスワード暗号化、ベーシック認証、LDAP統合が含まれます。
ロールベース アクセス制御
ロールベース アクセス制御(RBAC)は、事前定義されたユーザーにロールを関連付けます。各ロールは特定レベルの機能に対する権限を付与します。
次の表は各ロールとその説明です。
ロール | 説明 |
---|---|
security.admin |
SSLおよび証明書の管理。 |
storage.admin |
ストレージ システム設定への読み取り / 書き込みのフル アクセス。 |
storage.monitor |
ストレージ システム データを表示するための読み取り専用アクセス。 |
support.admin |
ストレージ システムのすべてのハードウェア リソースとAutoSupport(ASUP)の取得などのサポート処理に対するアクセス。 |
デフォルトのユーザー アカウントはusers.propertiesファイルに定義されています。ユーザー アカウントは、users.propertiesファイルを直接編集するか、Unified Managerのアクセス管理機能を使用して変更できます。
次の表は、Web Services Proxyで使用可能なユーザー アカウントの一覧です。
事前定義のユーザー ログイン | 説明 |
---|---|
admin |
すべての機能にアクセスできるスーパー管理者。すべてのロールが含まれています。Unified Managerの場合は、初回ログイン時にパスワードを設定する必要があります。 |
storage |
すべてのストレージ プロビジョニングを担当する管理者。このユーザーには、storage.admin、support.admin、storage.monitorの各ロールが含まれています。このアカウントは、パスワードが設定されるまで無効です。 |
security |
セキュリティ設定を担当するユーザー。このユーザーには、security.adminとstorage.monitorの各ロールが含まれています。このアカウントは、パスワードが設定されるまで無効です。 |
support |
ハードウェア リソース、障害データ、ファームウェア アップグレードを担当するユーザー。このユーザーには、support.adminとstorage.monitorの各ロールが含まれています。このアカウントは、パスワードが設定されるまで無効です。 |
monitor |
システムへの読み取り専用アクセスを付与されたユーザー。このユーザーには、storage.monitorロールのみが含まれています。このアカウントは、パスワードが設定されるまで無効です。 |
rw(古いストレージ システム用) |
rw(読み取り / 書き込み)ユーザーには、storage.admin、support.admin、storage.monitorの各ロールが含まれています。このアカウントは、パスワードが設定されるまで無効です。 |
ro(古いストレージ システム用) |
ro(読み取り専用)ユーザーには、storage.monitorロールのみが含まれています。このアカウントは、パスワードが設定されるまで無効です。 |
パスワード暗号化
それぞれのパスワードに対して、既存のSHA256パスワード エンコーディングを使用して暗号化プロセスを追加で適用できます。この追加の暗号化プロセスは、各SHA256ハッシュ暗号化の各パスワードにランダムなバイト セット(ソルト)を適用します。ソルトが付加されたSHA256暗号化は、新しく作成されるすべてのパスワードに適用されます。
Web Services Proxy 3.0よりも前のリリースでは、パスワードはSHA256ハッシュのみで暗号化されていました。SHA256ハッシュのみで暗号化された既存のパスワードではこのエンコーディングが維持され、users.propertiesファイルで引き続き有効です。ただし、SHA256ハッシュのみで暗号化されたパスワードは、ソルトが付加されたSHA256暗号化を使用したパスワードほど安全ではありません。 |
ベーシック認証
ベーシック認証はデフォルトで有効になっており、サーバーからベーシック認証チャレンジが返されます。この設定はwsconfig.xmlファイルで変更できます。
LDAP
Lightweight Directory Access Protocol(LDAP)は、分散型のディレクトリー情報サービスへのアクセスと管理に使用されるアプリケーション プロトコルで、Web Services Proxyで有効になっています。LDAPとの統合により、ユーザー認証とグループへのロールの割り当てが可能になります。
LDAP機能の設定については、Unified Managerインターフェイスの設定オプション、または対話型のAPIドキュメントのLDAPのセクションを参照してください。
ユーザー アクセスの設定
ユーザー アクセスを管理するには、パスワードを暗号化したり、ベーシック認証を設定したり、ロールベース アクセスを定義したりします。
パスワードへの暗号化の追加適用
最高レベルのセキュリティを実現するために、既存のSHA256パスワード エンコーディングを使用して、パスワードに暗号化を追加で適用できます。
この追加の暗号化プロセスは、各SHA256ハッシュ暗号化の各パスワードにランダムなバイト セット(ソルト)を適用します。ソルトが付加されたSHA256暗号化は、新しく作成されるすべてのパスワードに適用されます。
-
users.propertiesファイルを開きます。このファイルは次の場所にあります。
-
(Windows)- C:\Program Files\Fujitsu\SANtricity Web Services Proxy\data\config
-
(Linux)- /opt/FJSVntapstwsp/data/config
-
-
暗号化されたパスワードをプレーン テキストで再入力します。
-
securepasswds
コマンドライン ユーティリティーを実行してパスワードを再暗号化するか、Web Services Proxyを再起動します。このユーティリティーは、Web Services Proxyのルート インストール ディレクトリーにインストールされています。また、Unified Managerでパスワードが編集されるたびに、ローカル ユーザーのパスワードにソルトを付加してハッシュ化することもできます。
ベーシック認証の設定
ベーシック認証はデフォルトで有効になっており、サーバーからベーシック認証チャレンジが返されます。この設定は、必要に応じてwsconfig.xmlファイルで変更できます。
-
wsconfig.xmlファイルを開きます。このファイルは次の場所にあります。
-
(Windows)- C:\Program Files\Fujitsu\SANtricity Web Services Proxy
-
(Linux)- /opt/FJSVntapstwsp
-
-
ファイルの次の行を編集して、false(無効)またはtrue(有効)を指定します。
例:
<env key="enable-basic-auth">true</env>
-
ファイルを保存します。
-
Webサーバー サービスを再起動して変更を反映させます。
ロールベース アクセスの設定
ユーザー アクセスを特定の機能に制限するには、各ユーザー アカウントに指定するロールを変更します。
Web Services Proxyにはロールベース アクセス制御(RBAC)が含まれており、事前定義されたユーザーにロールが関連付けられています。各ロールは特定レベルの機能に対する権限を付与します。ユーザー アカウントに割り当てられているロールは、users.propertiesファイルを直接編集することで変更できます。
Unified Managerのアクセス管理を使用してユーザー アカウントを変更することもできます。詳細については、Unified Managerのオンライン ヘルプを参照してください。 |
-
users.propertiesファイルを開きます。このファイルは次の場所にあります。
-
(Windows)- C:\Program Files\Fujitsu\SANtricity Web Services Proxy\data\config
-
(Linux)- /opt/FJSVntapstwsp/data/config
-
-
変更するユーザー アカウント(storage、security、monitor、support、rw、ro)の行を見つけます。
adminユーザーは変更しないでください。adminユーザーはすべての機能にアクセスできるスーパーユーザーです。 -
指定されているロールを必要に応じて追加または削除します。
次のロールがあります。
-
security.admin:SSLおよび証明書の管理。
-
storage.admin:ストレージ システム設定への読み取り / 書き込みのフル アクセス。
-
storage.monitor:ストレージ システム データを表示するための読み取り専用アクセス。
-
support.admin:ストレージ システムのすべてのハードウェア リソースとAutoSupport(ASUP)の取得などのサポート処理に対するアクセス。
storage.monitorロールは、管理者を含むすべてのユーザーに必要です。
-
-
ファイルを保存します。