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プロビジョニングの概要

Storage Plugin for vCenterでは、ボリュームと呼ばれるデータ コンテナを作成して、ホストがストレージ システム上のストレージにアクセスできるようにすることができます。

ボリュームのタイプと特性

ボリュームは、ストレージ システム上のストレージ スペースを管理および編成するデータ コンテナです。

ボリュームは、ストレージ システムで使用可能なストレージ容量から作成します。ボリュームを使用すると、システムのリソースを編成するのに便利です。「ボリューム」の概念は、コンピューター上のフォルダー / ディレクトリーを使用して、すばやくファイルにアクセスできるようにする方法に似ています。

ボリュームは、ホストから認識できる唯一のデータ レイヤーです。SAN環境では、ボリュームは論理ユニット番号(LUN)にマッピングされます。LUNには、ストレージ システムでサポートされる1つ以上のホスト アクセス プロトコル(FC、iSCSI、およびSAS)を使用してアクセス可能なユーザー データが保持されます。

プールまたはボリューム グループ内の各ボリュームには、格納されるデータのタイプに基づく独自の特性があります。このような特性の一部を次に示します。

  • セグメント サイズ
    セグメントは、あるドライブに格納されるデータの量(KiB)です。この量に達すると、ストライプ(RAIDグループ)内の次のドライブへと進みます。セグメント サイズは、ボリューム グループの容量と同じかそれよりも小さくなります。プールのセグメント サイズは固定で、変更することはできません。

  • 容量 – プールまたはボリューム グループの空き容量からボリュームを作成します。ボリュームを作成するには、プールまたはボリューム グループがすでに存在している必要があります。また、ボリュームを作成するための十分な空き容量がプールまたはボリューム グループに必要です。

  • コントローラー所有権
    すべてのストレージ システムには、1つまたは2つのコントローラーを指定できます。シングルコントローラー ストレージ システムでは、ボリュームのワークロードが1つのコントローラーで管理されます。デュアルコントローラー ストレージ システムでは、ボリュームを「所有」する優先コントローラー(AまたはB)が指定されます。デュアルコントローラー構成では、自動ロード バランシング機能を使用してボリューム所有権が自動的に調整され、コントローラー間でワークロードが移動する際の負荷の不均衡が解消されます。自動ロード バランシングはI/Oワークロードを自動的に分散する機能を提供し、ホストからの受信I/Oトラフィックは動的に管理されて両方のコントローラーに分配されます。

  • ボリュームの割り当て
    ボリュームの作成時またはあとから、ボリュームへのアクセス権をホストに付与できます。すべてのホスト アクセスは、論理ユニット番号(LUN)を使用して管理されます。ホストは、ボリュームに割り当てられているLUNを検出します。ボリュームを複数のホストに割り当てる場合は、クラスタリング ソフトウェアを使用して、すべてのホストからボリュームを使用できるようにしてください。

    ホスト タイプでは、ホストがアクセスできるボリュームの数が制限されている可能性があります。特定のホストで使用するボリュームを作成するときは、この制限に注意してください。

  • リソース プロビジョニング
    AB6100またはAB3100ストレージ システムでは、ボリュームをバックグラウンドの初期化プロセスなしですぐに使用するように指定できます。リソース プロビジョニング ボリュームは、SSDボリューム グループまたはプール内のシック ボリュームで、ボリュームの作成時にドライブ容量が割り当てられますが(ボリュームに割り当てられます)、ドライブ ブロックは割り当て解除(マッピング解除)されます。

  • わかりやすい名前
    ボリュームに任意の名前を付けることができますが、わかりやすい名前にすることを推奨します。

ボリュームの作成時には、各ボリュームに容量が割り当てられて、名前、セグメント サイズ(ボリューム グループの場合のみ)、コントローラー所有権、およびボリュームとホストの割り当てが指定されます。ボリューム データは、必要に応じてコントローラー間で自動的に負荷分散されます。

ボリュームの容量

ストレージ システム内のドライブは、データに対して物理ストレージ容量を提供します。データの格納を開始する前に、プールまたはボリューム グループと呼ばれる論理コンポーネントに割り当て容量を設定する必要があります。これらのストレージ オブジェクトを使用して、ストレージ システムのデータを設定、格納、メンテナンス、保持できます。

ボリュームの作成と拡張に使用する容量

プールまたはボリューム グループ内の未割り当て容量または空き容量からボリュームを作成できます。

  • 未割り当て容量からボリュームを作成するときは、プールまたはボリューム グループとボリュームを同時に作成できます。

  • 空き容量からボリュームを作成するときは、既存のプールまたはボリューム グループに追加のボリュームを作成します。ボリュームの容量を拡張したら、それに合わせてファイルシステムのサイズを手動で拡張する必要があります。方法は、使用しているファイルシステムによって異なります。詳細については、ホスト オペレーティング システムのドキュメントを参照してください。

プラグイン インターフェイスには、シン ボリュームを作成するオプションはありません。

ボリュームのレポート容量

ボリュームのレポート容量は割り当て済みの物理ストレージ容量と同じになります。物理ストレージ容量全体が存在している必要があります。物理的に割り当てられるスペースは、ホストにレポートされるスペースと同じになります。

通常は、ボリュームのレポート容量を、ボリュームが拡張すると予想される最大容量に設定します。ボリュームは、予測可能な高パフォーマンスをアプリケーションに提供します。これは主に、すべてのユーザー容量が作成時に予約され、割り当てられているためです。

容量制限

ボリュームの最小容量は1MiBであり、最大容量はプールまたはボリューム グループ内のドライブの数と容量によって決定されます。

ボリュームのレポート容量を拡張する際は、次のガイドラインに注意してください。

  • 小数点以下3桁まで指定できます(例:65.375GiB)。

  • ボリューム グループで使用可能な最大値以下の容量を指定してください。ボリュームを作成する場合は、セグメント サイズの動的(DSS)変更のための追加容量が事前に割り当てられます。DSS変更は、ボリュームのセグメント サイズを変更できるソフトウェアの機能です。

  • 一部のホスト オペレーティング システムでは、2TiBより大きいボリュームがサポートされます(最大レポート容量はホスト オペレーティング システムで決定されます)。実際には、一部のホスト オペレーティング システムでサポートされるのは最大128TiBのボリュームです。詳細については、お使いのホスト オペレーティング システムのマニュアルを参照してください。

アプリケーション固有のワークロード

ボリュームを作成する際は、特定のアプリケーション用のワークロードを選択してストレージ システムの構成をカスタマイズします。

ワークロードは、アプリケーションをサポートするストレージ オブジェクトです。ワークロード(インスタンス)はアプリケーションごとに1つ以上定義できます。一部のアプリケーションについては、特性が似たボリュームで構成されるようにワークロードが設定されます。これらのボリューム特性は、ワークロードがサポートするアプリケーションのタイプに基づいて最適化されます。たとえば、Microsoft SQL Serverアプリケーションをサポートするワークロードを作成し、そのワークロード用のボリュームを作成すると、Microsoft SQL Serverをサポートするようにボリューム特性が最適化されます。

ボリュームを作成する際には、ワークロードの用途について設定する必要があります。たとえば、Microsoft Exchange用のボリュームを作成する場合は、必要なメールボックスの数、メールボックスに必要とされる平均容量、およびデータベースのコピーをいくつ作成するかについて設定します。この情報に基づいてボリュームの構成が最適化されます。この構成は、必要に応じて編集することもできます。この手順は必要に応じてスキップできます。

ワークロードの種類

アプリケーション固有とその他の2種類のワークロードを作成できます。

  • アプリケーション固有 - アプリケーション固有のワークロードを使用してボリュームを作成する場合、アプリケーション ワークロードのI/Oとアプリケーション インスタンスからの他のトラフィックの競合が最小限になるように最適化されたボリューム構成が提示されることがあります。I/Oタイプ、セグメント サイズ、コントローラー所有権、読み取りおよび書き込みキャッシュなどのボリューム特性が自動的に推奨され、以下のアプリケーション タイプ用に作成されるワークロードに合わせて最適化されます。

    • Microsoft SQL Server

    • Microsoft Exchange Server

    • ビデオ監視アプリケーション

    • VMware ESXi(ボリュームをVirtual Machine File Systemで使用する場合)

      提示されたボリューム構成を確認し、[ボリュームの追加 / 編集] ダイアログ ボックスを使用して推奨されたボリュームや特性を必要に応じて編集、追加、削除することができます。

  • その他(専用のボリューム作成サポートがないアプリケーション) - 特定のアプリケーションに関連付けられていないワークロードを作成する場合や、ストレージ システムで使用する予定のアプリケーションに対する最適化がシステムに組み込まれていない場合は、「その他」のワークロードを選択し、ボリューム構成を手動で指定する必要があります。[ボリュームの追加 / 編集] ダイアログ ボックスを使用して、ボリューム構成を手動で指定する必要があります。

アプリケーションとワークロードの表示

アプリケーションとワークロードを表示するには、System Managerを起動します。System Managerのインターフェイスから、次の2つの方法でアプリケーション固有のワークロードに関連する情報を表示できます。

  • [ボリューム] タイルの [アプリケーションとワークロード] タブには、ストレージ システムのボリュームが、ワークロードおよびワークロードが関連付けられているアプリケーション タイプ別に表示されます。

  • [パフォーマンス] タイルの [アプリケーションとワークロード] タブには、論理オブジェクトのパフォーマンス指標(レイテンシ、IOPS、MB)が表示されます。オブジェクトはアプリケーションおよび関連付けられているワークロード別に表示されます。このパフォーマンス データを定期的に収集することで、ベースラインとなる数値を設定して傾向を分析することができるため、I/Oパフォーマンスに関する問題の調査に役立つことがあります。

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