ONTAP tools for VMware vSphere 9.12

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ONTAPストレージ システムとvSphereオブジェクトのアクセス許可

ONTAPのRBACを使用すると、特定のストレージ システムへのアクセスとそれらのストレージ システムで実行できる操作を制御できます。ONTAP Tools for VMware vSphereでは、ONTAP RBACとvCenter Server RBACにより、特定のストレージ システムのオブジェクトに対して特定のユーザーが実行できるVirtual Storage Console(VSC)タスクが決まります。

VSCでは、各ストレージ システムの認証とそのストレージ システムで実行できるストレージ操作の判別に、VSCで設定したクレデンシャル(ユーザー名とパスワード)が使用されます。ストレージ システムごとに1組のクレデンシャルが使用され、そのクレデンシャルに基づいて、ストレージ システムで実行できるVSCタスクが決まります。つまり、このクレデンシャルはVSCのクレデンシャルであり、個々のVSCユーザーに対するものではありません。

ONTAP RBACは、ストレージ システムへのアクセスとストレージ関連のVSCタスク(仮想マシンのプロビジョニングなど)の実行にのみ適用されます。それぞれのストレージ システムに対する適切なONTAP RBAC権限がないと、そのストレージ システムでホストされるvSphereオブジェクトに対してタスクを実行することはできません。ONTAP RBACとVSC固有の権限を組み合わせることで、ユーザーが実行できるVSCタスクを制御することができます。

  • ストレージまたはストレージ システムに格納されているvCenter Serverオブジェクトの監視と設定

  • ストレージ システムに格納されているvSphereオブジェクトのプロビジョニング

ONTAP RBACとVSC固有の権限を使用すると、ストレージ主体のセキュリティ レイヤーをストレージ管理者が管理できるようになります。これにより、ONTAP RBACまたはvCenter Server RBACのどちらか一方のアクセス制御だけを使用した場合に比べ、よりきめ細かい制御が可能になります。たとえば、vCenter Server RBACを使用して、FujitsuストレージでのデータストアのプロビジョニングをvCenterUserBには許可し、vCenterUserAには許可しないように設定したとします。この場合、特定のストレージ システムのクレデンシャルに対してストレージの作成を禁止すれば、vCenterUserBとvCenterUserAのどちらもそのストレージ システムでデータストアのプロビジョニングを実行することはできません。

VSCタスクを開始すると、最初にそのタスクに対する正しいvCenter Serverアクセス許可がユーザーにあるかどうかが検証されます。タスクを実行するための十分なvCenter Serverアクセス許可がなければ、最初のvCenter Serverのセキュリティ チェックをパスできないため、そのストレージ システムのONTAP権限は確認されません。そのため、ストレージ システムへのアクセスは許可されません。

十分なvCenter Serverアクセス許可がある場合は、次にストレージ システムのクレデンシャル(ユーザー名とパスワード)に関連付けられたONTAP RBAC権限(ONTAPロール)について、VSCタスクで必要なストレージ操作をそのストレージ システムで実行するための十分な権限があるかどうかが確認されます。適切なONTAP権限があれば、ストレージ システムにアクセスしてVSCタスクを実行できます。ストレージ システムで実行できるVSCタスクはONTAPロールで決まります。

各ストレージ システムには、一連のONTAP権限が関連付けられます。

ONTAP RBACとvCenter Server RBACの両方を使用すると、次のような利点があります。

  • セキュリティ

    どのユーザーがどのタスクを実行できるかを、vCenter Serverオブジェクト レベルおよびストレージ システム レベルで制御できます。

  • 監査情報

    多くの場合、VSCはストレージ システムについての監査証跡を提供します。これにより、ストレージに対して変更を行ったvCenter Serverユーザーまでさかのぼってイベントを追跡できます。

  • 使いやすさ

    コントローラーのクレデンシャルをすべて集約して一元管理できます。

ONTAP Tools for VMware vSphere使用時に推奨されるONTAPロール

ONTAP Tools for VMware vSphereとロールベース アクセス制御(RBAC)を使用する際に推奨されるいくつかのONTAPロールを設定できます。これらのロールには、Virtual Storage Console(VSC)タスクで実行するストレージ処理に必要なONTAP権限が含まれています。

新しいユーザー ロールを作成するには、ONTAPを実行しているストレージ システムに管理者としてログインする必要があります。ONTAP System Manager 9.8P1以降を使用して、ONTAPロールを作成できます。 詳細については、ユーザー ロールと権限の設定を参照してください。

各ONTAPロールには、ロールのクレデンシャルを構成するユーザー名とパスワードのペアが関連付けられています。このクレデンシャルを使用してログインしないと、ロールに関連付けられたストレージ処理にアクセスできません。

セキュリティ上の理由から、VSC固有のONTAPロールは階層構造になっています。最初のロールは最も制限のあるロールで、VSCの最も基本的なストレージ処理に関連する権限だけを含みます。次のロールには、そのロール独自の権限と、前のロールに関連付けられているすべての権限が含まれます。以降、上位のロールほど制限が少なく、より多くのストレージ処理をサポートします。

VSCを使用する際に推奨されるONTAP RBACロールのいくつかを次に示します。ロールを作成したら、仮想マシンのプロビジョニングなど、ストレージに関するタスクを実行する必要があるユーザーにそのロールを割り当てることができます。

  1. Discovery

    ストレージ システムを追加できます。

  2. Create Storage

    ストレージを作成できます。また、Discoveryロールに関連付けられているすべての権限が含まれます。

  3. Modify Storage

    ストレージを変更できます。また、DiscoveryロールとCreate Storageロールに関連付けられているすべての権限が含まれます。

  4. Destroy Storage

    ストレージを破棄できます。また、Discoveryロール、Create Storageロール、Modify Storageロールに関連付けられているすべての権限が含まれます。

VASA Provider for ONTAPを使用する場合は、Policy-Based Management(PBM;ポリシーベース管理)ロールも設定します。ストレージ ポリシーを使用してストレージを管理できます。このロールを使用するには、「Discovery」ロールも設定する必要があります。

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