エフサステクノロジーズ株式会社

本ページの製品は2024年4月1日より、エフサステクノロジーズ株式会社に統合となり、順次、切り替えを実施してまいります。一部、富士通表記が混在することがありますので、ご了承ください。

SANtricity 11.8 Commands ( CA08871-194 ~ 196 )

ボリューム グループの作成

create volumeGroup コマンドは、一連の未割り当てのドライブを入力したときに、空き容量のあるボリューム グループ、または1個のボリュームを含むボリューム グループを作成します。

対応シリーズ

このコマンドは、すべてのSMcliパッケージがインストールされていれば、HB2100/HB2200/HB2300、HB5100/HB5200、AB6100、AB3100を含むあらゆるストレージ システムに適用されます。

ロール

このコマンドをHB2100/HB2200/HB2300、HB5100/HB5200、AB6100、またはAB3100のストレージ システムに対して実行するには、Storage Adminロールが必要です。

構文

create volumeGroup
drives=(trayID1,[drawerID1,]slotID1 ... trayIDn,[drawerIDn,slotIDn)
raidLevel=(0 | 1 | 3 | 5 | 6)
userLabel="volumeGroupName"
[driveMediaType=(HDD | SSD | unknown | allMedia)]
[driveType=(SAS | NVMe4K)]
[trayLossProtect=(TRUE | FALSE)]
[drawerLossProtect=(TRUE | FALSE)]
[securityType=(none | capable | enabled )]
[dataAssurance=(none | enabled)]
[resourceProvisioningCapable=(TRUE | FALSE)]

パラメーター

パラメーター 説明

drives

作成するボリューム グループに割り当てるドライブ。大容量ドライブ トレイの場合は、ドライブのトレイIDの値、ドロワーIDの値、およびスロットIDの値を指定します。小容量ドライブ トレイの場合は、ドライブのトレイIDの値とスロットIDの値を指定します。トレイIDの値は、099 です。ドロワーIDの値は、15 です。

スロットIDの最大値はすべて24です。スロットIDの値は、トレイのモデルに応じて0または1で始まります。HB2100/HB2200/HB2300コントローラーおよびHB5100/HB5200コントローラーと互換性があるドライブ トレイのスロットID番号は0から始まります。

トレイIDの値、ドロワーIDの値、およびスロットIDの値は角かっこ([ ])で囲みます。

raidLevel

ボリュームが含まれているボリューム グループのRAIDレベル。有効な値は、0135、または 6 です。

userLabel

新しいボリューム グループに付ける名前。ボリューム グループ名は二重引用符(" ")で囲みます。

driveMediaType

ボリューム グループに使用するドライブ メディアのタイプ。

ストレージ システム内に複数のドライブ メディア タイプがある場合は、このパラメーターを使用する必要があります。

有効なドライブ メディアは、次のとおりです。

  • HDD – ドライブ トレイ内にハード ドライブがある場合は、このオプションを使用します。

  • SSD – ドライブ トレイ内にソリッド ステート ドライブがある場合は、このオプションを使用します。

  • unknown – ドライブ トレイ内のドライブ メディアのタイプが不明な場合は、このオプションを使用します。

  • allMedia – ドライブ トレイ内にあるすべてのタイプのドライブ メディアを使用する場合は、このオプションを使用します。

driveType

ボリューム グループで使用するドライブのタイプ。ドライブ タイプを混在させることはできません。

ストレージ システム内に複数のドライブ タイプがある場合は、このパラメーターを使用する必要があります。

有効なドライブ タイプは、次のとおりです。

  • SAS

  • NVMe4K

ドライブ タイプを指定しない場合、このコードは指定されたドライブがこのドライブ タイプであることを確認しません。

trayLossProtect

ボリューム グループを作成するときにトレイ損失の保護を有効にする設定。トレイ損失の保護を有効にする場合は、このパラメーターを TRUE に設定します。デフォルト値は FALSE です。

drawerLossProtect

ボリューム グループを作成するときにドロワー損失の保護を有効にする設定。ドロワー損失の保護を有効にする場合は、このパラメーターを TRUE に設定します。デフォルト値は FALSE です。

securityType

ボリューム グループおよび関連するすべてのボリュームの作成時にセキュリティ レベルを指定する設定。有効な値は、次のとおりです。

  • none – ボリューム グループとボリュームはセキュアーではありません。

  • capable – ボリューム グループとボリュームにはセキュリティを設定する機能がありますが、セキュリティが有効になっていません。

  • enabled – ボリューム グループとボリュームはセキュリティが有効になっています。

resourceProvisioningCapable

リソース プロビジョニング機能を有効にするかどうか。リソース プロビジョニングを無効にするには、このパラメーターを FALSE に設定します。デフォルト値は TRUE です。

ドライブとボリューム グループ

ボリューム グループは、ストレージ システムのコントローラーによって論理的にグループ化された一連のドライブです。ボリューム グループ内のドライブ数は、RAIDレベルとコントローラー ファームウェアによって制限されます。ボリューム グループを作成する場合は、次のガイドラインに従ってください。

  • あとから使用するために容量をリザーブできるように、空のボリューム グループを作成できます。

  • 1つのボリューム グループでドライブ タイプを混在させることはできません。

  • 1つのボリューム グループでHDDドライブとSSDドライブを混在させることはできません。

  • ボリューム グループのドライブの最大数は、次の条件によって異なります。

    • コントローラーのタイプ

    • RAIDレベル

  • RAIDレベルには、0、1、3、5、6があります。

    • RAIDレベル3、RAIDレベル5、またはRAIDレベル6のボリューム グループに配置できるドライブは最大30本です。

    • RAIDレベル6のボリューム グループには、少なくとも5本のドライブが必要です。

    • RAIDレベル1のボリューム グループに4本以上のドライブが配置されている場合、ストレージ管理ソフトウェアは、ボリューム グループをRAIDレベル10(RAIDレベル1 + RAIDレベル0)に自動的に変更します。

  • トレイ / ドロワー損失の保護を有効にする場合は、次の表の追加条件を参照してください。

レベル トレイ損失の保護の条件 必要なトレイの最小数

ディスク プール

ディスク プールに同じトレイのドライブが3本以上含まれない。

6

RAID 6

ボリューム グループに同じトレイのドライブが3本以上含まれない。

3

RAID 3 または RAID 5

ボリューム グループ内のドライブがすべて別々のトレイに配置されている。

3

RAID 1

RAID 1ペアのドライブがそれぞれ別のトレイに配置されている。

2

RAID 0

トレイ損失の保護は実現できない。

該当なし

レベル ドロワー損失の保護の条件 必要なドロワーの最小数

ディスク プール

プールに5つのドロワーすべてのドライブが含まれていて、各ドロワーに同じ数のドライブが配置されている。60ドライブのトレイでは、ディスク プールに含まれるドライブの数が15、20、25、30、35、40、45、50、55、または60のいずれかである場合にドロワー損失の保護を実現できます。

5

RAID 6

ボリューム グループに同じドロワーのドライブが3本以上含まれない。

3

RAID 3 または RAID 5

ボリューム グループ内のドライブがすべて別々のドロワーに配置されている。

3

RAID 1

ミラー ペアのドライブがそれぞれ別のドロワーに配置されている。

2

RAID 0

ドロワー損失の保護は実現できない。

該当なし

ホット スペア

ボリューム グループでは、データを保護するための重要な戦略は、ストレージ システム内の使用可能なドライブをホット スペア ドライブとして割り当てることです。ホット スペアは、データが格納されていないドライブで、RAID 1、RAID 3、RAID 5、RAID 6のいずれかのボリューム グループでドライブに障害が発生した場合に、ストレージ システムでスタンバイとして機能します。ホット スペアを使用すると、ストレージ システムの冗長性が向上します。

通常、ホット スペア ドライブには、保護対象のドライブの使用済み容量以上の容量が必要です。ホット スペア ドライブのメディア タイプ、インターフェイス タイプ、および容量は、保護対象のドライブと同じである必要があります。

ストレージ システムのドライブで障害が発生した場合、通常は障害が発生したドライブの代わりにホット スペアが自動的に使用されます。ドライブ障害の発生時にホット スペアが使用可能であれば、冗長性データ パリティを使用してホット スペアにデータが再構築されます。データ退避のサポートでは、障害が発生したドライブとしてマークされる前に、データをホット スペアにコピーすることもできます。

障害が発生したドライブを物理的に交換したあとで、次のいずれかのオプションを使用してデータをリストアできます。

障害が発生したドライブを交換した場合、ホット スペアのデータは、交換用のドライブにコピーされます。この操作をコピーバックと呼びます。

ホット スペア ドライブをボリューム グループの永続的メンバーとして指定している場合は、コピーバック処理は不要です。

ボリューム グループのトレイ損失の保護およびドロワー損失の保護が可能かどうかは、ボリューム グループを構成するドライブの場所によって異なります。ドライブの障害とホット スペア ドライブの場所によって、トレイ損失の保護とドロワー損失の保護が失われる場合があります。トレイ損失の保護とドロワー損失の保護が影響を受けないようにするには、障害が発生したドライブを交換してコピーバック処理を開始する必要があります。

ストレージ システムでは、Data Assurance(DA)が有効なボリュームのホット スペア対象範囲としてDA対応ドライブが自動的に選択されます。

DAが有効なボリュームのホット スペア対象範囲のストレージ システム内にDA対応ドライブがあることを確認してください。DA対応ドライブの詳細については、Data Assurance機能を参照してください。

セキュリティ対応(FIPSおよびFDE)ドライブは、セキュリティ対応とセキュリティ非対応の両方のドライブのホット スペアとして使用できます。セキュリティ非対応ドライブは、他のセキュリティ非対応ドライブに対して、また、ボリューム グループでセキュリティが有効になっていない場合はセキュリティ対応ドライブに対しても、対応可能です。FIPSボリューム グループは、FIPSドライブのみをホット スペアとして使用できます。ただし、FIPSホット スペアは、セキュリティ非対応、セキュリティ対応、およびセキュリティ有効のボリューム グループに対して使用可能です。

ホット スペアがない場合でも、ストレージ システムの動作中に、障害が発生したドライブを交換できます。RAID 1、RAID 3、RAID 5、RAID 6のいずれかのボリューム グループのドライブに障害が発生した場合、コントローラーは冗長性データ パリティを使用して、交換用ドライブにデータを自動的に再構築します。この操作を再構築と呼びます。

セグメント サイズ

コントローラーがボリューム内の1つのドライブに書き込めるデータ ブロックの数は、セグメントのサイズによって決まります。各データ ブロックには512バイトのデータが格納されます。データ ブロックはストレージの最小単位です。セグメントのサイズによって、格納されるデータ ブロックの数が決まります。たとえば、8KBのセグメントには16個のデータ ブロックが含まれます。64KBのセグメントには128個のデータ ブロックが含まれます。

セグメント サイズの値を入力すると、その値は、実行時にコントローラーで指定される、サポートされている値と照合されます。入力した値が有効でない場合、コントローラーは有効な値のリストを返します。1つの要求に対して1つのドライブを使用することで、同時に他のドライブでは他の要求に対応することができます。ボリュームが属している環境で、1人のユーザーが大量のデータ(マルチメディアなど)を転送している場合は、1つのデータ転送要求を1つのデータ ストライプで処理すると、パフォーマンスが最大化されます(データ ストライプはセグメント サイズで、これに、データ転送に使用されるボリューム グループ内のドライブ数が掛けられます)。この場合、同じ要求に複数のドライブが使用されますが、各ドライブへのアクセス回数は1回だけです。

マルチユーザー データベースまたはファイルシステムのストレージ環境で最適なパフォーマンスを実現するには、データ転送要求を満たすために必要なドライブ数が最小限になるように、セグメント サイズを設定します。

使用方法のヒント

cacheReadPrefetch パラメーターまたは segmentSize パラメーターに値を入力する必要はありません。値を入力しない場合、コントローラー ファームウェアは、fileSystem をデフォルト値として usageHint パラメーターを使用します。usageHint パラメーターの値と cacheReadPrefetch パラメーターの値または segmentSize パラメーターの値を入力しても、エラーは発生しません。cacheReadPrefetch パラメーターまたは segmentSize パラメーターに入力する値は、usageHint パラメーターの値より優先されます。各使用方法のヒントに対するセグメント サイズおよびキャッシュ読み取りプリフェッチの設定を、次の表に示します。

使用方法のヒント セグメント サイズの設定 動的キャッシュ読み取りプリフェッチの設定

ファイルシステム

128KB

有効

データベース

128KB

有効

マルチメディア

256KB

有効

キャッシュ読み取りプリフェッチ

キャッシュ読み取りプリフェッチを使用すると、コントローラーは、ホストによって要求されたデータ ブロックをドライブから読み取ってキャッシュにコピーすると同時に、追加のデータ ブロックをキャッシュにコピーできます。この操作により、将来のデータ要求がキャッシュから達成できる可能性が高くなります。キャッシュ読み取りプリフェッチは、シーケンシャル データ転送を使用するマルチメディア アプリケーションにとって重要です。cacheReadPrefetch パラメーターの有効な値は TRUE または FALSE です。デフォルトは TRUE です。

セキュリティ タイプ

securityType パラメーターを使用して、ストレージ システムのセキュリティ設定を指定します。

securityType パラメーターを enabled に設定する場合は、ストレージ システムのセキュリティ キーを作成する必要があります。create storageArray securityKey コマンドを使用して、ストレージ システムのセキュリティ キーを作成します。次のコマンドがセキュリティ キーに関連しています。

  • create storageArray securityKey

  • export storageArray securityKey

  • import storageArray securityKey

  • set storageArray securityKey

  • enable volumeGroup [volumeGroupName] security

  • enable diskPool [diskPoolName] security

セキュアー ドライブ

セキュリティ対応ドライブには、Full Disk Encryption(FDE)ドライブと連邦情報処理標準(FIPS)ドライブがあります。secureDrives パラメーターを使用して、使用するセキュアー ドライブのタイプを指定します。使用可能な値は fipsfde です。

Data Assurance(DA)の管理

Data Assurance(DA)機能を使用すると、ストレージ システム全体のデータの整合性が向上します。ホストとドライブの間でデータが移動されたときにストレージ システムがエラーの有無をチェックします。この機能を有効にすると、ボリューム内の各データ ブロックに巡回冗長検査(CRC)と呼ばれるエラー チェック用のコードが付加されます。データ ブロックが移動されると、このCRCコードを使用して、転送中にエラーが発生したかどうかが判断されます。破損している可能性があるデータはディスクに書き込まれず、ホストにも返されません。

DA機能を使用する場合は、最初にDAがサポートされているドライブのみを含むプールまたはボリューム グループを作成します。次に、DA対応ボリュームを作成します。最後に、DAに対応したI/Oインターフェイスを使用してDA対応ボリュームをホストにマッピングします。DAに対応したI/Oインターフェイスには、Fibre Channel、SAS、iSER over InfiniBand(iSCSI Extensions for RDMA/IB)などがあります。iSCSI over EthernetやSRP over InfiniBandではDAはサポートされていません。

すべてのドライブがDA対応の場合は、dataAssurance パラメーターを enabled に設定し、特定の処理でDAを使用できます。たとえば、DA対応ドライブが含まれるボリューム グループを作成し、そのボリューム グループにDA対応のボリュームを作成できます。DA対応のボリュームを使用する他の処理には、DA機能をサポートするオプションがあります。

dataAssurance パラメーターが enabled に設定されている場合は、DA対応のドライブのみがボリューム候補とみなされます。それ以外の場合は、DA対応、DA非対応の両方のドライブが候補とみなされます。DA対応ドライブのみが使用可能な場合、新しいボリューム グループは、有効なDA対応ドライブを使用して作成されます。

最小ファームウェア レベル

8.63で、resourceProvisioningCapable パラメーターが追加されました。

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