SANtricity 11 マニュアル (CA08872-010)
プールとボリューム グループのどちらを使用するか
ボリュームはプールまたはボリューム グループを使用して作成できます。どちらが適しているかは、主に、予想されるI/Oワークロードなどの主要なストレージ要件、パフォーマンス要件、およびデータ保護要件によって異なります。
プール / ボリューム グループの選択基準
プールを使用する
-
迅速なドライブのリビルドやストレージ管理の簡易化が必要な場合、シン ボリュームが必要な場合、大量のランダム ワークロードを処理する場合。
-
各ボリュームのデータをプールを構成する一連のドライブにランダムに分散する場合。
プールまたはプールに含まれるボリュームのRAIDレベルは設定または変更できません。プールではRAID 6を使用します。
ボリューム グループを使用する
-
システムの帯域幅を最大限に使用する場合、ストレージの設定を調整する必要がある場合、大量のシーケンシャル ワークロードを処理する場合。
-
データをRAIDレベルに基づいてドライブに分散する場合。ボリューム グループは作成時にRAIDレベルを指定できます。
-
各ボリュームのデータをボリューム グループを構成する一連のドライブにシーケンシャルに書き込む場合。
プールとボリューム グループは共存可能で、ストレージ システムにプールとボリューム グループの両方を含めることができます。 |
プールとボリューム グループの機能の違い
次の表に、プールとボリューム グループの機能の違いを示します。
用途 | プール | ボリューム グループ |
---|---|---|
ランダム ワークロード |
より良い |
良い |
シーケンシャル ワークロード |
良い |
より良い |
ドライブ リビルド時間 |
速い |
遅い |
パフォーマンス(最適モード) |
良い:小さなブロックのランダム ワークロードに最適 |
良い:大きなブロックのシーケンシャル ワークロードに最適 |
パフォーマンス(ドライブ リビルド モード) |
より良い:通常はRAID 6より良い |
劣る:パフォーマンスが最大40%低下 |
複数のドライブ障害 |
データ保護機能に優れる:リビルドを優先し、高速に処理 |
データ保護機能が劣る:リビルドが遅く、データ損失のリスクが大きい |
ドライブの追加 |
速い:オンザフライでプールに追加 |
遅い:Dynamic Capacity Expansion処理が必要 |
シン ボリュームのサポート |
○(SMcliからのみ) |
× |
ソリッド ステート ドライブ(SSD)のサポート |
○ |
○ |
シンプルな管理 |
はい:ホット スペアやRAID設定の構成作業なし |
いいえ:ホット スペアを割り当ててRAIDを管理 |
パフォーマンス調整 |
× |
○ |
プールとボリューム グループの機能比較
プールとボリューム グループの機能と目的は同じです。どちらのオブジェクトも、ストレージ システム内で論理的にグループ化されている一連のドライブであり、ホストがアクセスできるボリュームを作成するために使用されます。
次の表は、プールとボリューム グループのどちらがストレージ ニーズに適しているかを判断する際に役立ちます。
機能 | プール | ボリューム グループ |
---|---|---|
異なるRAIDレベルのサポート |
×(SANtricity System ManagerではRAID 6のみ) |
○(RAID 0、1、10、5、および6を使用可能) |
シン ボリュームのサポート |
○(SMcliからのみ) |
× |
Full Disk Encryption(FDE)のサポート |
○ |
○ |
Data Assurance(DA)のサポート |
○ |
○ |
シェルフ損失の保護のサポート |
○ |
○ |
ドロワー損失の保護のサポート |
○ |
○ |
ドライブ速度混在のサポート |
同じ容量が推奨されるが、必須ではない。一番低速のドライブにすべてのドライブの速度が合わせられます。 |
同じ容量が推奨されるが、必須ではない。一番低速のドライブにすべてのドライブの速度が合わせられます。 |
ドライブ容量混在のサポート |
同じ容量が推奨されるが、必須ではない。一番容量の少ないドライブにすべてのドライブの容量が合わせられます。 |
同じ容量が推奨されるが、必須ではない。一番容量の少ないドライブにすべてのドライブの容量が合わせられます。 |
最小ドライブ数 |
11 |
RAIDレベルによって異なる。RAID 0には1本必要。RAID 1または10には2本(偶数)必要。RAID 5の最小数は3本。RAID 6の最小数は5本。 |
最大ドライブ数 |
ストレージ システムの上限まで |
RAID 1および10はストレージ システムの上限、RAID 5、6は30本 |
ボリューム作成時に個々のドライブを選択可能 |
× |
○ |
ボリューム作成時にセグメント サイズを指定可能 |
○(128Kをサポート) |
○ |
ボリューム作成時にI/O特性を指定可能 |
× |
○(ファイルシステム、データベース、マルチメディア、カスタムをサポート) |
ドライブ障害保護 |
プール内の各ドライブの予約済み容量を使用し、再構築にかかる時間を短縮。 |
ホット スペア ドライブを使用。再構築はドライブのIOPによって制限されます。 |
容量制限に到達したときの警告 |
○(使用済み容量が最大容量の一定の割合に達したときにアラートを設定できる) |
× |
別のストレージ システムへの移行のサポート |
×(まずボリューム グループに移行する必要がある) |
○ |
動的セグメント サイズ(DSS) |
× |
○ |
RAIDレベルを変更可能 |
× |
○ |
ボリュームの拡張(容量の拡大) |
○ |
○ |
容量の拡張(容量の追加) |
○ |
○ |
容量の縮小 |
○ |
× |
ドライブ タイプ(HDD、SSD)の混在は、プールでもボリューム グループでもサポートされていません。 |