エフサステクノロジーズ株式会社

本ページの製品は2024年4月1日より、エフサステクノロジーズ株式会社に統合となり、順次、切り替えを実施してまいります。一部、富士通表記が混在することがありますので、ご了承ください。

SANtricity 11 マニュアル (CA08872-010)

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SSDキャッシュの仕組み

SSDキャッシュ機能は、アクセス頻度が特に高いデータ(「ホット」データ)を低レイテンシのソリッド ステート ドライブ(SSD)にキャッシュすることでシステムのパフォーマンスを動的に向上させるコントローラーベースのソリューションです。SSDキャッシュは、ホスト読み取りにのみ使用されます。

SSDキャッシュ機能は、SANtricity 11.80以降、SAS拡張機能付きHDDを使用するETERNUS AB3100およびETERNUS AB6100のコントローラーでサポートされています。NVMe SSDまたはSAS SSDのどちらでもSSD Readキャッシュとして使用可能です。ただし混在はできません。

SSDキャッシュとプライマリー キャッシュ

SSDキャッシュはセカンダリー キャッシュであり、コントローラーの動的ランダム アクセス メモリー(DRAM)にあるプライマリー キャッシュと組み合わせて使用されます。

SSDキャッシュとプライマリー キャッシュは動作が異なります。

  • プライマリー キャッシュの場合、I/O処理ごとにキャッシュ経由でデータをステージングする必要があります。

    プライマリー キャッシュでは、データはホスト読み取り後にDRAMに格納されます。

  • SSDキャッシュは、データをキャッシュに配置するとシステムの全体的なパフォーマンスを向上できる場合にのみ使用されます。

    SSDキャッシュでは、データはボリュームからコピーされて2つの内部RAIDボリューム(コントローラーごとに1つ)に格納されます。RAIDボリュームはSSDキャッシュの作成時に自動的に作成されます。

内部RAIDボリュームは、内部的なキャッシュ処理に使用されます。ユーザーがアクセスすることはできず、ユーザー インターフェイスにも表示されません。ただし、ストレージ システムで許可されるボリュームの総数には、これら2つのボリュームも含まれます。

SSDキャッシュの使用方法

インテリジェント キャッシングでは、低レイテンシのドライブにデータが配置されるため、以降そのデータに対して要求があった場合の応答速度が大幅に向上します。キャッシュ内にあるデータをプログラムが要求した場合(「キャッシュ ヒット」)、低レイテンシのドライブがそのトランザクションに対応できます。それ以外の場合は、「キャッシュ ミス」が発生し、元の低速ドライブからデータにアクセスする必要があります。キャッシュ ヒット数が増加するほど、全体的なパフォーマンスが向上します。

ホスト プログラムがストレージ システムのドライブにアクセスすると、データがSSDキャッシュに格納されます。ホスト プログラムが再度同じデータにアクセスすると、データはHDDではなくSSDキャッシュから読み取られます。よくアクセスされるデータはSSDキャッシュに保存されます。HDDは、SSDキャッシュからデータを読み取ることができない場合にのみアクセスされます。

SSDキャッシュは、データをキャッシュに配置するとシステムの全体的なパフォーマンスを向上できる場合にのみ使用されます。

読み取ったデータを処理する必要がある場合、CPUは次の手順を実行します。

  1. DRAMキャッシュをチェックします。

  2. DRAMキャッシュで検出されない場合は、SSDキャッシュをチェックします。

  3. SSDキャッシュで検出されない場合は、HDDから取得します。データをキャッシュする価値があると判断された場合は、SSDキャッシュにコピーします。

パフォーマンスの向上

最もアクセスされるデータ(ホット スポット)をSSDキャッシュにコピーすると、ドライブの処理効率が向上し、レイテンシが低減され、読み取りと書き込みの速度が向上します。ハイパフォーマンスのSSDを使用してHDDボリュームのデータをキャッシュすることで、I/Oパフォーマンスと応答時間が向上します。

SSDキャッシュとの間のデータの移動には、単純なボリュームI/Oのメカニズムが使用されます。データがキャッシュされてSSDに格納されると、そのデータの以降の読み取りはSSDキャッシュに対して行われるため、HDDボリュームにアクセスする必要はありません。

SSDキャッシュとドライブ セキュリティ機能

ドライブ セキュリティを使用している(セキュリティ有効)ボリュームでSSDキャッシュを使用する場合は、そのボリュームとSSDキャッシュのドライブ セキュリティ機能が同じである必要があります。同じでない場合、ボリュームはセキュリティ有効になりません。

SSDキャッシュの実装

SSDキャッシュを実装するには、次の処理を実行します。

  1. SSDキャッシュを作成します。

  2. SSDの読み取りキャッシュを実装するボリュームにSSDキャッシュを関連付けます。

コントローラーのSSDキャッシュを使用するように割り当てられたボリュームは、自動ロード バランシングによる転送の対象外となります。

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