エフサステクノロジーズ株式会社

本ページの製品は2024年4月1日より、エフサステクノロジーズ株式会社に統合となり、順次、切り替えを実施してまいります。一部、富士通表記が混在することがありますので、ご了承ください。

SANtricity 11 マニュアル (CA08872-010)

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ボリューム コピー処理のタイプ

オフラインとオンラインのどちらかのボリューム コピー処理を実行できます。オフライン処理では、ソース ボリュームからデータを読み取ってターゲット ボリュームにコピーします。オンライン処理では、Snapshotボリュームをソースとして使用して、そのデータをターゲット ボリュームにコピーします。

データの整合性を確保するために、どちらのタイプのボリューム コピー処理でも、ターゲット ボリュームに対するすべてのI/Oアクティビティが中断されます。手順が完了するまでターゲット ボリューム上のデータが整合性のない状態になるため、このような中断処理が行われます。

オフラインおよびオンラインのボリューム コピー処理について以下で説明します。

オフラインのボリューム コピー処理

オフラインのボリューム コピー関係は、ソース ボリュームとターゲット ボリューム間の関係です。オフライン コピーは、ソース ボリュームからデータを読み取り、そのデータをターゲット ボリュームにコピーします。コピーの実行中は、ソース ボリュームに対するすべての更新が一時停止されます。ソース ボリュームに対するすべての更新を一時停止するのは、時間の経過による不整合がターゲット ボリュームで発生しないようにするためです。

オフライン コピー処理に関する重要なポイント

読み取り要求と書き込み要求

  • ボリューム コピー処理のステータスが実行中または保留の場合、オフライン コピーに参加しているソース ボリュームは読み取り専用のI/Oアクティビティに使用できます。

  • 書き込み要求はオフライン コピーが完了したあとで許可されます。

  • 書き込み禁止のエラー メッセージが表示されないようにするために、ステータスが実行中のボリューム コピー処理に参加しているソース ボリュームにはアクセスしないでください。

ジャーナリング ファイルシステム

  • ソース ボリュームがジャーナリング ファイルシステムでフォーマットされている場合は、ソース ボリュームに対する読み取り要求を発行しようとすると、ストレージ システム コントローラーから拒否されてエラー メッセージが表示されることがあります。

  • ジャーナリング ファイルシステムのドライバーは、読み取り要求の発行を試行する前に書き込み要求を発行します。コントローラーは書き込み要求を拒否します。書き込み要求が拒否されたために、読み取り要求が発行されない可能性があります。この状況により、ソース ボリュームが書き込み禁止であることを示すエラー メッセージが表示される場合があります。

  • この問題が発生するのを回避するために、ボリューム コピー処理のステータスが実行中の場合、オフライン コピーに参加しているソース ボリュームにはアクセスしないでください。

オンラインのボリューム コピー処理

オンラインのボリューム コピー関係は、Snapshotボリュームとターゲット ボリューム間の関係です。ソース ボリュームがオンラインになっていて、データの書き込みに使用できる場合は、ボリューム コピー処理を開始できます。そのためには、ボリュームのSnapshotを作成し、そのSnapshotをコピーの実際のソース ボリュームとして使用します。

ソース ボリュームに対してボリューム コピー処理を開始すると、SANtricity System Managerはベース ボリュームのSnapshotイメージおよびそのイメージとターゲット ボリューム間のコピー関係を作成します。Snapshotイメージをソース ボリュームとして使用すると、ストレージ システムでは、コピーの実行中も引き続きソース ボリュームへの書き込みを行うことができます。

オンライン コピー処理中は、copy-on-write手順が原因でパフォーマンスが低下します。オンライン コピーが完了すると、ベース ボリュームのパフォーマンスが元に戻ります。

オンライン コピー処理に関する重要なポイント

どのような種類のボリュームを使用できますか?

  • ポイントインタイム イメージの作成対象となるボリュームはベース ボリュームとも呼ばれます。このボリュームには、ストレージ システム上の標準ボリュームまたはシン ボリュームを使用する必要があります。

  • ターゲット ボリュームは、ボリューム グループ内の標準ボリュームまたはプール内の標準ボリュームです。ターゲット ボリュームとして、シン ボリュームやSnapshotグループ内のベース ボリュームを使用することはできません。

  • オンラインのボリューム コピー機能を使用すると、シン ボリュームから同じストレージ システムにあるプール内の標準ボリュームにデータをコピーできます。ただし、ボリューム コピー機能を使用して、標準ボリュームからシン ボリュームにデータをコピーすることはできません。

ベース ボリュームのパフォーマンス

  • コピー元として使用するSnapshotボリュームがアクティブな場合は、copy-on-write処理が原因でベース ボリュームのパフォーマンスが低下します。コピーが完了すると、Snapshotは無効になり、ベース ボリュームのパフォーマンスが元に戻ります。Snapshotは無効ですが、リザーブ容量ボリュームとコピー関係はそのまま残ります。

作成されるボリュームのタイプ

  • Snapshotボリュームとリザーブ容量ボリュームは、オンライン コピー処理中に作成されます。

  • Snapshotボリュームはデータを格納する実際のボリュームではなく、特定の時間にボリュームに格納されたデータへの参照です。

  • 作成されるSnapshotごとに、そのSnapshotのデータを保持するためのリザーブ容量ボリュームが作成されます。リザーブ容量ボリュームは、Snapshotイメージの管理にのみ使用されます。

リザーブ容量ボリューム

  • ソース ボリューム上のデータ ブロックが変更される前に、変更対象のブロックの内容が保管用のリザーブ容量ボリュームにコピーされます。

  • リザーブ容量ボリュームにはそのデータ ブロック内の元のデータのコピーが格納されるため、データ ブロックに対する以降の変更はソース ボリュームにのみ書き込まれます。

  • リザーブ容量ボリュームに格納されるのはSnapshotの作成時刻以降に変更されたデータ ブロックだけであるため、オンライン コピー処理で使用されるドライブ スペースは完全な物理コピーよりも少なくなります。

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