エフサステクノロジーズ株式会社

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SnapCenter Software 5 マニュアル ( CA08871-403 )

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Oracleデータベース バックアップのクローニング

SnapCenterを使用すると、データベースのバックアップ機能でOracleデータベースをクローニングできます。

開始する前に

root以外のユーザーとしてプラグインをインストールした場合は、実行権限をプリスクリプト ディレクトリーとポストスクリプト ディレクトリーに手動で割り当てる必要があります。

タスク概要

  • クローニング処理では、データベースのデータ ファイルのコピーが作成され、新しいオンラインRedoログ ファイルと制御ファイルが作成されます。データベースは、指定したリカバリー オプションに基づいて、指定した時間にリカバリーすることもできます。

    Linuxホストで作成されたバックアップをAIXホストにクローニングしようとすると、クローニングは失敗します。逆の場合も同様です。

    SnapCenterでは、Oracle RACデータベース バックアップからクローニングすると、スタンドアロン データベースが作成されます。SnapCenterでは、Data Guardスタンバイ データベースおよびActive Data Guardスタンバイ データベースのバックアップからのクローンの作成がサポートされています。

    クローニング中、SnapCenterでは、リカバリー処理のSCNまたは日時に基づいて、最適な数のログ バックアップがマウントされます。リカバリーが完了すると、ログ バックアップはアンマウントされます。このようなクローンはすべて、/var/opt/snapcenter/scu/clones/の下にマウントされます。NFS環境でASMを使用する場合は、asm_diskstringパラメーターで定義されている既存のパスに/var/opt/snapcenter/scu/clones/*/*を追加する必要があります。

    SAN環境でASMデータベースのバックアップをクローニングする場合、クローニングされたホスト デバイスのudevルールは/etc/udev/rules.d/999-scu-fujitsu.rulesに作成されます。クローニングされるホスト デバイスに関連付けられたudevルールは、クローンを削除すると削除されます。

    Flex ASMセットアップでは、カーディナリティがRACクラスタ内のノード数より少ない場合、リーフ ノードではクローニング処理を実行できません。
  • SnapLockが有効なポリシーの場合、ONTAP 9.12.1以前のバージョンでは、Snapshotコピーのロック期間を指定すると、リストアの一環として改ざん防止Snapshotコピーから作成されたクローンにSnapLockの有効期限が継承されます。SnapLockの有効期限が過ぎたあと、ストレージ管理者がクローンを手動でクリーンアップする必要があります。

手順

  1. 左側のナビゲーション ペインで、[リソース]をクリックし、リストから適切なプラグインを選択します。

  2. [リソース]ページで、[表示]リストから[データベース]または[リソースグループ]を選択します。

  3. データベースの詳細ビューまたはリソース グループの詳細ビューでデータベースを選択します。

    データベース トポロジーのページが表示されます。

  4. [コピーを管理]ビューで、ローカル コピー(プライマリー)、ミラー コピー(セカンダリー)、バックアップ コピー(セカンダリー)のいずれかのバックアップを選択します。

  5. 表からデータ バックアップを選択し、clone iconをクリックします。

  6. [Name]ページで、次のいずれかを実行します。

    状況 手順

    データベースのクローニング(CDBまたは非CDB)

    1. クローンのSIDを指定します。

      クローンSIDはデフォルトでは使用できず、SIDの最大長は8文字です。

      クローンが作成されるホストに、同じSIDのデータベースが存在しないことを確認してください。

    プラガブル データベース(PDB)のクローニング

    1. [PDB Clone]を選択します。

    2. クローニングするPDBを指定します。

    3. クローニングされたPDBの名前を指定します。 PDBをクローニングする詳細な手順については、「プラガブル データベースのクローニング」を参照してください。

    ミラー データまたはバックアップ データを選択する場合、以下のようになります。

    • ミラーまたはバックアップにログ バックアップが存在しない場合は、何も選択されず、ロケータは空になります。

    • ミラーまたはバックアップにログ バックアップが存在する場合は、最新のログ バックアップが選択され、対応するロケータが表示されます。

      選択したログ バックアップがミラーとバックアップの両方の場所に存在する場合は、両方のロケータが表示されます。
  7. [Locations]ページで、次の操作を実行します。

    フィールド 操作

    ホストをクローニングする

    ソース データベース ホストがデフォルトで入力されています。

    代替ホストにクローンを作成する場合は、ソース データベース ホストと同じバージョンのOracleおよびOSがインストールされているホストを選択します。

    データファイルの場所

    データ ファイルの場所がデフォルトで入力されています。

    SANファイルシステムまたはNFSファイルシステムのSnapCenterのデフォルトの命名規則は、FileSystemNameofsourcedatabase_CLONESIDです。

    SnapCenterで設定されているASMドライブ グループのデフォルトの命名規則は、SC_HASHCODEofDISKGROUP_CLONESIDです。HASHCODEofDISKGROUPは、自動生成される2~10桁の数値で、各ASMドライブ グループに固有です。

    ASMドライブ グループ名をカスタマイズする場合は、名前の長さがOracleでサポートされる最大長に準拠していることを確認してください。

    別のパスを指定する場合は、クローン データベースのデータファイル マウント ポイントまたはASMドライブ グループ名を入力する必要があります。データ ファイル パスをカスタマイズする場合は、制御ファイルおよびRedoログ ファイルのASMドライブ グループ名またはファイルシステムも、データ ファイルに使用されているのと同じ名前か、既存のASMドライブ グループまたはファイルシステムに変更する必要があります。

    制御ファイル

    制御ファイルのパスがデフォルトで入力されています。

    制御ファイルは、データ ファイルと同じASMドライブ グループまたはファイルシステムに配置されます。制御ファイルのパスは、別の制御ファイルのパスを指定して上書きできます。

    ファイルシステムまたはASMドライブ グループがホストに存在している必要があります。

    デフォルトでは、制御ファイルの数はソース データベースの数と同じです。制御ファイルの数は変更できますが、データベースをクローニングするには少なくとも1つの制御ファイルが必要です。

    制御ファイルのパスは、ソース データベースで設定したものとは別のファイルシステム(既存のファイルシステム)にカスタマイズできます。

    REDO ログ

    redoログ ファイル グループ、パス、およびサイズがデフォルトで入力されています。

    Redoログは、クローン データベースのデータ ファイルと同じASMドライブ グループまたはファイルシステムに配置されます。Redoログ ファイルのパスを上書きする場合は、Redoログ ファイルのパスをソース データベースで設定したものとは別のファイルシステムにカスタマイズできます。

    新しいファイルシステムまたはASMドライブ グループがホストに存在している必要があります。

    デフォルトでは、Redoログ グループとRedoログ ファイルの数とサイズはソース データベースと同じです。次のパラメーターを変更できます。

    • Redoログ グループの数

    データベースをクローニングするには、少なくとも2つのRedoログ グループが必要です。
    • 各グループのRedoログ ファイルとそのパス

      Redoログ ファイルのパスは、ソース データベースで設定したものとは別のファイルシステム(既存のファイルシステム)にカスタマイズできます。

    データベースをクローニングするには、Redoログ グループに少なくとも1つのRedoログ ファイルが必要です。
    • Redoログ ファイルのサイズ

  8. [クレデンシャル]ページで、次の操作を実行します。

    フィールド 操作

    sys ユーザーのクレデンシャル名

    クローン データベースの sys ユーザー パスワードの定義に使用するクレデンシャルを選択します。

    ターゲット ホストのsqlnet.oraファイルでSQLNET.AUTHENTICATION_SERVICESが[NONE]に設定されている場合は、SnapCenter GUIのクレデンシャルに[None]を選択しないでください。

    ASM インスタンス資格情報名

    OS認証によるクローン ホスト上のASMインスタンスへの接続が有効になっている場合は、[None]を選択します。

    有効でない場合は、「sys」ユーザー、またはクローン ホストに適用される「sysasm」権限を持つユーザーが設定されたOracle ASMクレデンシャルを選択します。

    Oracleホーム、ユーザー名、およびグループの詳細が、ソース データベースから自動的に入力されます。値は、クローンが作成されるホストのOracle環境に基づいて変更できます。

  9. [PreOps]ページで、次の手順を実行します。

    1. クローニング処理の前に実行するプリスクリプトのパスと引数を入力します。

      プリスクリプトは、/var/opt/snapcenter/spl/scriptsまたはこのパス内の任意のフォルダーに保存する必要があります。デフォルトでは、/var/opt/snapcenter/spl/scriptsがパスとして入力されています。スクリプトをこのパス内の任意のフォルダーに配置した場合は、スクリプトの配置先となるフォルダーまでの完全なパスを指定する必要があります。

      SnapCenterでは、プリスクリプトとポストスクリプトを実行する際に、事前定義された環境変数を使用できます。詳細については、こちらを参照してください。

    2. [Database Parameter settings]セクションで、データベースの初期化に使用される事前入力されたデータベース パラメーターの値を変更します。

      add policy from resourcegroupをクリックすることで、パラメーターを追加できます。

      Oracle Standard Editionを使用しており、データベースがアーカイブ ログ モードで実行されている場合、またはアーカイブRedoログからデータベースをリストアする場合は、パラメーターを追加してパスを指定します。

      • LOG_ARCHIVE_DEST

      • LOG_ARCHIVE_DUPLEX_DEST

        入力済みのデータベース パラメーターでは、高速リカバリー領域(FRA)は定義されていません。FRAを設定するには、関連パラメーターを追加します。
        log_archive_dest_1のデフォルト値は$ORACLE_HOME/clone_sidで、この場所にクローン データベースのアーカイブ ログが作成されます。log_archive_dest_1パラメーターを削除した場合は、Oracleによってアーカイブ ログの場所が決定されます。Log_archive_dest_1を編集することでアーカイブ ログの新しい場所を定義できますが、その際はファイルシステムまたはディスク グループが存在し、ホスト上で使用可能になっていることを確認してください。
    3. [Reset]をクリックして、デフォルトのデータベース パラメーター設定を取得します。

  10. [PostOps]ページでは、クローン データベースのリカバリーを実行するために[Recover database][Until Cancel]がデフォルトで選択されます。

    SnapCenterは、クローニング対象として選択されたデータ バックアップのあとに、破損していない一連のアーカイブ ログを含む最新のログ バックアップをマウントすることでリカバリーを実行します。プライマリー ストレージでクローニングを実行するには、ログとデータのバックアップをプライマリー ストレージに配置し、セカンダリー ストレージでクローニングを実行するには、ログとデータのバックアップをセカンダリー ストレージに配置する必要があります。

    SnapCenterが適切なログ バックアップを見つけられなかった場合は、[Recover database]オプションと[Until Cancel]オプションは選択されません。[Specify external archive log locations]でログ バックアップを使用できない場合は、外部アーカイブ ログの場所を指定できます。ログの場所は複数指定できます。

    フラッシュ リカバリー領域(FRA)とOracle Managed Files(OMF)をサポートするように設定されているソース データベースをクローニングする場合は、リカバリーのログ デスティネーションもOMFディレクトリー構造に従っている必要があります。

    ソース データベースがData Guardスタンバイ データベースまたはActive Data Guardスタンバイ データベースの場合、[PostOps]ページは表示されません。Data Guardスタンバイ データベースまたはActive Data Guardスタンバイ データベースの場合、SnapCenterにはSnapCenter GUIでリカバリー タイプを選択するオプションはありませんが、ログを適用せずに[Cancel]リカバリー タイプを使用してデータベースをリカバリーします。

    フィールド名 説明

    キャンセルするまで

    SnapCenterは、クローニング対象として選択されたデータ バックアップのあとに、破損していない一連のアーカイブ ログを含む最新のログ バックアップをマウントすることでリカバリーを実行します。クローン データベースは、欠落または破損したログ ファイルまでリカバリーされます。

    日付と時刻

    SnapCenterは、指定された日時までデータベースをリカバリーします。有効な形式はmm/dd/yyyy hh:mm:ssです。

    時刻は24時間形式で指定できます。

    Until SCN (システム変更番号)

    SnapCenterは、指定されたシステム変更番号(SCN)までデータベースをリカバリーします。

    外部アーカイブログの場所を指定する

    データベースがARCHIVELOGモードで実行されている場合、SnapCenterは指定したSCNまたは選択した日時に基づいて、最適な数のログ バックアップを識別してマウントします。

    外部アーカイブ ログの場所を指定することもできます。

    [Until Cancel]を選択した場合、SnapCenterがログ バックアップを自動的に識別してマウントすることはありません。

    新しい DBID を作成する

    ソース データベースとクローン データベースを区別するための一意の番号(DBID)を生成するために、デフォルトで[Create new DBID]チェック ボックスが選択されています。

    ソース データベースのDBIDをクローン データベースに割り当てる場合は、このチェック ボックスをオフにします。このシナリオでは、ソース データベースがすでに登録されている外部のRMANカタログにクローン データベースを登録すると、処理は失敗します。

    一時表領域用の tempfile を作成する

    クローン データベースのデフォルトの一時表領域用の一時ファイルを作成する場合は、このチェック ボックスを選択します。

    このチェック ボックスをオフにすると、一時ファイルなしでデータベース クローンが作成されます。

    クローン作成時に適用する SQL エントリを入力する

    クローンの作成時に適用するSQLエントリを追加します。

    クローニング処理のあとに実行するスクリプトを入力する

    クローニング処理のあとに実行するポストスクリプトのパスと引数を指定します。

    ポストスクリプトは、/var/opt/snapcenter/spl/scriptsまたはこのパス内の任意のフォルダーに保存する必要があります。デフォルトでは、/var/opt/snapcenter/spl/scriptsがパスとして入力されています。

    スクリプトをこのパス内の任意のフォルダーに配置した場合は、スクリプトの配置先となるフォルダーまでの完全なパスを指定する必要があります。

    クローニング処理が失敗した場合、ポストスクリプトは実行されず、クリーンアップ アクティビティが直接トリガーされます。
  11. [Notification]ページで、[Email preference]ドロップダウン リストからEメールを送信するシナリオを選択します。

    また、送信者と受信者のEメール アドレス、およびEメールの件名を指定する必要があります。実行されたクローン処理のレポートを添付する場合は、[Attach Job Report]を選択します。

    Eメール通知を利用する場合は、GUIまたはPowerShellのSet-SmSmtpServerコマンドを使用して、SMTPサーバーの詳細を指定しておく必要があります。
  12. 概要を確認し、[完了]をクリックします。

    クローニング処理の一環としてリカバリーを実行する場合は、リカバリーが失敗してもクローンが作成され、警告が表示されます。このクローンに対して手動リカバリーを実行することで、クローン データベースの整合性を確保できます。
  13. [モニタ] > [ジョブ]をクリックし、処理の進捗状況を監視します。

結果

データベースをクローニングしたあとにリソース ページを更新すると、クローン データベースが、バックアップ対象のリソースの1つとしてリストに追加されます。クローニングされたデータベースは、標準のバックアップ ワークフローを使用して他のデータベースと同様に保護することも、リソース グループ(新規または既存)に含めることもできます。クローニングされたデータベースは、さらにクローニングすることができます(クローンのクローン)。

クローニング後は、クローン データベースの名前を変更しないでください。

クローニング中にリカバリーを実行しなかった場合は、不適切なリカバリーが原因でクローン データベースのバックアップが失敗して、手動でのリカバリーが必要になることがあります。また、アーカイブ ログ用に設定されていたデフォルトの場所が他社のETERNUS AX/AC/HX seriesにある場合や、ストレージ システムでSnapCenterが設定されていない場合も、ログのバックアップは失敗することがあります。

AIXのセットアップでは、lkdevコマンドを使用して、クローン データベースが配置されているディスクをロックし、rendevコマンドを使用してディスク名を変更することができます。

デバイスをロックまたは名前変更しても、クローンの削除処理には影響しません。SANデバイス上に構築されたAIX LVMレイアウトでは、クローニングされたSANデバイスのデバイス名の変更はサポートされません。

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