SnapCenter Software 5 マニュアル ( CA08871-403 )
ストレージ システムの機器更改
ストレージの機器更改が行われると、データが新しいストレージに移行され、アプリケーション ホストが新しいストレージにマウントされます。SnapCenterのバックアップ ワークフローで新しいストレージが特定され、新しいストレージがSnapCenterに登録されている場合はSnapshotが作成されます。
ストレージ更改後に作成された新しいバックアップでは、リストア、マウント、およびクローニングを実行できます。ただし、バックアップには古いストレージの詳細が含まれているため、ストレージ更改前に作成されたバックアップに対してこれらの処理を実行すると失敗します。ストレージ機器更改のAPIまたはコマンドレットを実行して、SnapCenterの古いバックアップを新しいストレージの詳細で更新する必要があります。
機器更改は次のSnapCenterプラグインでサポートされています。
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SnapCenter Plug-in for Microsoft SQL Server
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SnapCenter Plug-in for Windows
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SnapCenter Plug-in for Oracle Database
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SnapCenter Plug-in for SAP HANA Database
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SnapCenter Plug-in for Microsoft Exchange Server
サポートされているユースケースは次のとおりです。
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プライマリー ストレージの更改
ストレージ機器更改では、プライマリー ストレージを新しいストレージに置き換えることができます。既存のセカンダリー ストレージをプライマリー ストレージに変換することはできません。
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セカンダリー ストレージの更改
サポートされているその他のシナリオは次のとおりです。
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SVM名の変更
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ボリューム名の変更
プライマリー ストレージのバックアップの更新
ストレージの機器更改が完了したら、ストレージ機器更改のAPIまたはコマンドレットを実行して、SnapCenterの古いバックアップを新しいストレージの詳細で更新する必要があります。
このワークフローではSnapCenterリポジトリのデータが変更されるため、SnapCenterリポジトリをバックアップすることを推奨します。データに問題が発生した場合は、バックアップを使用してSnapCenterリポジトリを以前の状態に戻すことができます。
詳細については、「SnapCenterリポジトリをバックアップします」を参照してください。
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古いストレージから新しいストレージにデータを移行します。
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ホストをメンテナンス モードにします。
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新しいストレージをそれぞれのホストでマウントし、データベースを起動します。
新しいストレージは、以前と同じ方法でホストに接続する必要があります。たとえば、SANとして接続されていた場合は、SANとして接続する必要があります。
新しいストレージは、古いストレージと同じドライブまたはパスにマウントする必要があります。
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すべてのリソースが動作していることを確認します。
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SnapCenterで新しいストレージを追加します。
SnapCenterのクラスタ間でSVM名が一意であることを確認します。新しいストレージで同じSVM名を使用しており、ストレージ更改の実行前にSVMのすべてのボリュームを移行できる場合は、古いクラスタのSVMを削除したあとSnapCenterで古いクラスタを再検出してSVMをキャッシュから削除することを推奨します。
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ホストを本番モードにします。
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SnapCenterで、ストレージを移行するリソースのバックアップを作成します。SnapCenterで最新のストレージ フットプリントを特定するには、新しいバックアップが必要です。このバックアップは、既存の古いバックアップのメタデータを更新するために使用されます。
ホストに新しいLUNを接続すると、新しいシリアル番号が割り当てられます。Windowsファイルシステムの検出中、SnapCenterは一意のシリアル番号すべてを新しいリソースとして扱います。ストレージ機器更改時に、新しいストレージのLUNが同じドライブレターまたはパスでホストに接続される場合、SnapCenterでWindowsファイルシステムを検出すると、同じドライブレターまたはパスでマウントされていても、既存のリソースが削除済みとしてマークされ、新しいLUNが新しいリソースとして表示されます。リソースが削除済みとマークされていると、そのリソースはSnapCenterでストレージ機器更改の対象とはみなされません。そのため、古いリソースのバックアップはすべて失われます。Windowsファイルシステム リソースの場合、ストレージ更改を行う際は、ストレージの更改APIまたはコマンドレットを実行する前にリソースの検出を実行しないでください。 -
ストレージ更改API
/5.0/techrefresh/primarystorage
またはコマンドレットInvoke-SmTechRefreshPrimaryStorageのいずれかを実行します。レプリケーションが有効なポリシーがリソースに設定されている場合は、ストレージ更改後の最新のバックアップにセカンダリー ストレージの詳細が含まれます。 -
SQLフェイルオーバー クラスタ インスタンス(FCI)セットアップを使用している場合、バックアップはクラスタ レベルで保持されます。ストレージ機器更改のために、クラスタ名を入力として指定する必要があります。
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SQL可用性グループ(AG)セットアップを使用している場合、バックアップはノード レベルで保持されます。ストレージ機器更改のために、ノード名を入力として指定する必要があります。
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Oracle Real Application Cluster(RAC)セットアップを使用している場合は、任意のノードでストレージ機器更改を実行できます。
IsDryRun属性は、デフォルトでTrueに設定されています。これで、ストレージが更改されているリソースが特定されます。リソースおよび変更されたストレージの詳細を表示するには、API 5.0/jobs/{jobid}またはコマンドレットGet-SmJobSummaryReportのいずれかを実行します。
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ストレージの詳細を確認したら、IsDryRun属性をFalseに設定し、ストレージ更改API
/5.0/techrefresh/primarystorage
またはコマンドレットInvoke-SmTechRefreshPrimaryStorageのいずれかを実行します。これで、古いバックアップのストレージの詳細が更新されます。
同じホストでAPIまたはコマンドレットを複数回実行できます。古いバックアップのストレージの詳細はストレージが更改された場合にのみ更新されます。
ONTAPでクローン階層を移行することはできません。移行対象のストレージのクローン メタデータがSnapCenter内にある場合、クローニングされたリソースは独立したリソースとしてマークされます。クローン メタデータのクローンは再帰的に削除されます。 -
(オプション)すべてのSnapshotを古いプライマリー ストレージから新しいプライマリー ストレージに移動しない場合は、次のAPI
/5.0/hosts/primarybackupsexistencecheck
またはコマンドレットInvoke-SmPrimaryBackupsExistenceCheckを実行します。これにより、新しいプライマリー ストレージでSnapshotの有無のチェックが行われ、対応するバックアップがSnapCenterでの処理に使用できないとマークされます。
セカンダリー ストレージのバックアップの更新
ストレージの機器更改が完了したら、ストレージ機器更改のAPIまたはコマンドレットを実行して、SnapCenterの古いバックアップを新しいストレージの詳細で更新する必要があります。
このワークフローではSnapCenterリポジトリのデータが変更されるため、SnapCenterリポジトリをバックアップすることを推奨します。データに問題が発生した場合は、バックアップを使用してSnapCenterリポジトリを以前の状態に戻すことができます。
詳細については、「SnapCenterリポジトリをバックアップします」を参照してください。
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古いストレージから新しいストレージにデータを移行します。
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プライマリー ストレージと新しいセカンダリー ストレージの間にSnapMirror関係を確立し、関係が正常な状態であることを確認します。
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SnapCenterで、ストレージを移行するリソースのバックアップを作成します。
SnapCenterで最新のストレージ フットプリントを特定するには、新しいバックアップが必要です。このバックアップは、既存の古いバックアップのメタデータを更新するために使用されます。
この処理が完了するまで待つ必要があります。完了前に次の手順に進むと、SnapCenterで古いセカンダリーSnapshotメタデータが完全に失われます。 -
ホスト内のすべてのリソースのバックアップが正常に作成されたら、セカンダリー ストレージ更改API
/5.0/techrefresh/secondarystorage
またはコマンドレットInvoke-SmTechRefreshSecondaryStorageのいずれかを実行します。これで、指定したホスト内の古いバックアップのセカンダリー ストレージの詳細が更新されます。
この処理をリソース レベルで実行する場合は、各リソースの[Refresh]をクリックしてセカンダリー ストレージのメタデータを更新します。
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古いバックアップが正常に更新されたら、プライマリーとの古いセカンダリー ストレージ関係を解除できます。