SnapCenter Software 6 マニュアル ( CA08871-404 )
SnapCenterの概要
SnapCenterソフトウェアは、一元化されたシンプルで拡張性の高いプラットフォームです。ハイブリッド クラウド内にあるONTAPシステムで実行されるアプリケーション、データベース、ホスト ファイルシステム、VMで、アプリケーションと整合性のあるデータ保護を実現できます。
SnapCenterは、Snapshot、SnapRestore、FlexClone、SnapMirror、SnapVaultのテクノロジを利用して、以下を実現します。
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高速でスペース効率に優れ、アプリケーションと整合性のあるディスクベースのバックアップ
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迅速できめ細かなリストアと、アプリケーションと整合性のあるリカバリー
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スペース効率に優れた迅速なクローニング
SnapCenterには、SnapCenter Serverと軽量な個別のプラグインの両方が含まれます。リモート アプリケーション ホストへのプラグインの導入を自動化したり、バックアップ、検証、クローン処理のスケジュールを設定したり、すべてのデータ保護処理を監視したりできます。
SnapCenterの導入方法は次のとおりです。
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オンプレミスで導入(以下のデータを保護):
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ETERNUS AX/AC/HX seriesのプライマリー システム上にあり、ETERNUS AX/AC/HX seriesのセカンダリー システムにレプリケートされるデータ
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ハイブリッド クラウドにオンプレミスで導入(以下のデータを保護):
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ETERNUS AX/AC/HX seriesのプライマリー システム上にあり、Cloud Volumes ONTAPにレプリケートされているデータ
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パブリック クラウドに導入(以下のデータを保護):
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Cloud Volumes ONTAPプライマリー システム上のデータ
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プライマリーAzure NetApp Files(Oracle、Microsoft SQL、SAP HANA)上のデータ
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SnapCenterの主要な機能には、次のものがあります。
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アプリケーションと整合性のある一元化されたデータ保護
データ保護機能は、Microsoft Exchange Server、Microsoft SQL Server、LinuxまたはAIX上のOracleデータベース、SAP HANAデータベース、IBM Db2、ONTAPシステムで稼働するWindowsホスト ファイルシステムでサポートされています。
ユーザー定義のSnapCenterプラグインを作成するためのフレームワークを提供することで、他の標準またはカスタムのアプリケーションやデータベースでもデータ保護がサポートされます。これにより、同じ単一のコンソールから他のアプリケーションやデータベースのデータ保護が可能になります。このフレームワークを活用することで、MongoDB、MySQL、PostgreSQL、Storage、MaxDB、Sybase ASE、ORASCPM、MongoDB、DPGlue用のSnapCenterプラグインをリリースしました。
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ポリシーベースのバックアップ
ポリシーベースのバックアップでは、Snapshotテクノロジを利用して、高速でスペース効率に優れ、アプリケーションと整合性のあるディスクベースのバックアップを作成します。必要に応じて、既存の保護関係を更新して、セカンダリー ストレージへのバックアップの保護を自動化することもできます。
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複数のリソースのバックアップ
SnapCenterリソース グループを使用すると、同じタイプの複数のリソース(アプリケーション、データベース、またはホスト ファイルシステム)を同時にバックアップできます。
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リストアとリカバリー
SnapCenterは、バックアップの迅速できめ細かなリストアと、アプリケーションと整合性のある時間ベースのリカバリーを実現します。リストアは、ハイブリッド クラウド内の任意のデスティネーションから実行できます。
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クローニング
SnapCenterは、高速でスペース効率に優れ、アプリケーションと整合性のあるクローニングを実現し、ソフトウェア開発を高速化します。クローニングは、ハイブリッド クラウド内の任意のデスティネーションで実行できます。
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単一のユーザー管理グラフィカル ユーザー インターフェイス(GUI)
SnapCenterのGUIを使用すると、ハイブリッド クラウド内の任意のデスティネーションにあるリソースのバックアップとクローンを一元的に管理できます。
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REST API、Windowsコマンドレット、UNIXコマンド
SnapCenterには、任意のオーケストレーション ソフトウェアとの統合に関するほとんどの機能のREST APIが含まれています。また、Windows PowerShellコマンドレットやコマンドライン インターフェイスも使用できます。
REST APIの詳細については、「REST APIの概要」を参照してください。
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一元的なデータ保護ダッシュボードとレポート作成
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ロールベース アクセス制御(RBAC)のセキュリティと委任
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高可用性を備えたリポジトリ データベース
SnapCenterは、すべてのバックアップ メタデータを格納するために、高可用性を備えた組み込みのリポジトリ データベースを提供します。
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プラグインのプッシュ インストールの自動化
SnapCenter Serverホストからアプリケーション ホストへのSnapCenterプラグインのリモート プッシュを自動化できます。
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高可用性
SnapCenterの高可用性は、外部のロード バランサ(F5)を使用して設定します。同じデータセンター内でサポートされるノードは最大2つです。
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ディザスタ リカバリー(DR)
リソースの破損やサーバーのクラッシュなどの災害が発生した場合に、SnapCenter Serverをリカバリーできます。
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SnapLock
SnapLockは、規制やガバナンスに準拠するためにWrite Once, Read Many(WORM)ストレージを使用して変更不可能な状態でファイルを保管する組織向けの、ハイパフォーマンスなコンプライアンス ソリューションです。
SnapLockの詳細については、「SnapLockとは」を参照してください。
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SnapMirror active sync(当初はSnapMirror Business Continuity[SM-BC]としてリリース)
SnapMirror active syncを使用すると、サイト全体の障害が発生した場合でもビジネス サービスの運用を継続でき、アプリケーションがセカンダリー コピーを使用して透過的にフェイルオーバーできるようになります。SnapMirror active syncでフェイルオーバーをトリガーするために、手動操作や追加のスクリプト作成は必要ありません。
この機能でサポートされるプラグインは、SnapCenter Plug-in for SQL Server、SnapCenter Plug-in for Windows、SnapCenter Plug-in for Oracleデータベース、SnapCenter Plug-in for SAP HANAデータベース、SnapCenter Plug-in for Microsoft Exchange Server、SnapCenter Plug-in for UNIXです。
SnapCenterでホストイニシエータとの近接性をサポートするには、この値(sourceまたはdestination)をONTAPで設定する必要があります。 SnapCenterでサポートされていないSnapMirror active sync機能:
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SnapMirror active sync関係のポリシーをONTAPでautomatedfailoverからautomatedfailoverduplexに変更して、既存の非対称のSnapMirror active syncワークロードを対称に変換しても、SnapCenterでは同じ処理がサポートされません。
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リソースグループ(SnapCenterですでに保護済み)のバックアップがある場合に、SnapMirror active sync関係のストレージ ポリシーがONTAPでautomatedfailoverからautomatedfailoverduplexに変更されても、SnapCenterでは同じ処理がサポートされません。
SnapMirror active syncの詳細については、「SnapMirror active syncの概要」を参照してください。
SnapMirror active syncを使用するために、ハードウェア、ソフトウェア、およびシステムのさまざまな設定要件を満たしていることを確認します。詳細については、「前提条件」を参照してください。
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同期ミラーリング
同期ミラーリング機能は、遠距離にあるストレージ アレイ間のオンラインのリアルタイム データ レプリケーションを提供します。
同期ミラーリングの詳細については、「同期ミラーリングの概要」を参照してください。
SnapCenterのアーキテクチャー
SnapCenterプラットフォームは、一元化された管理サーバー(SnapCenter Server)とSnapCenterプラグイン ホストを含む多層型のアーキテクチャーに基づいています。
SnapCenterはマルチサイト データセンターをサポートしています。SnapCenter Serverとプラグイン ホストは、それぞれ地理的に異なる場所に配置できます。
SnapCenterのコンポーネント
SnapCenterは、SnapCenter ServerとSnapCenterプラグインで構成されます。インストールするプラグインは、保護するデータに適したものだけにしてください。
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SnapCenter Server
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SnapCenter Plug-ins Package for Windows。次のプラグインが含まれています。
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SnapCenter Plug-in for Microsoft SQL Server
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SnapCenter Plug-in for Microsoft Windows
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SnapCenter Plug-in for Microsoft Exchange Server
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SnapCenter Plug-in for SAP HANA Database
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SnapCenter Plug-in for IBM Db2
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SnapCenter Plug-in for PostgreSQL
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SnapCenter Plug-in for MySQL
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SnapCenter Plug-ins Package for Linux。次のプラグインが含まれています。
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SnapCenter Plug-in for Oracle Database
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SnapCenter Plug-in for SAP HANA Database
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SnapCenter Plug-in for UNIX File Systems
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SnapCenter Plug-in for IBM Db2
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SnapCenter Plug-in for PostgreSQL
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SnapCenter Plug-in for MySQL
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SnapCenter Plug-ins Package for AIX。次のプラグインが含まれています。
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SnapCenter Plug-in for Oracle Database
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SnapCenter Plug-in for UNIX File Systems
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弊社がサポートしているSnapCenterプラグイン
SnapCenter Plug-in for VMware vSphereは、仮想化されたデータベースおよびファイルシステムに対するSnapCenterのデータ保護処理をサポートするスタンドアロンの仮想アプライアンスです。
SnapCenter Server
SnapCenter Serverには、Webサーバー、一元化されたHTML5ベースのユーザー インターフェイス、PowerShellコマンドレット、REST API、およびSnapCenterリポジトリが含まれています。
SnapCenter Serverは、Microsoft WindowsとLinux(RHEL 8.x、RHEL 9.x、SLES 15 SP5)の両方をサポートしています。
SnapCenter Plug-ins Package for LinuxまたはSnapCenter Plug-ins Package for AIXを使用する場合、スケジュールはQuartzスケジューラを使用して一元的に実行されます。
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SnapCenter Plug-in for Oracle Databaseの場合、SnapCenter Serverホストで実行されているホスト エージェントは、LinuxホストまたはAIXホストで実行されているSnapCenter Plug-in Loader(SPL)と通信して、さまざまなデータ保護処理を実行します。
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SnapCenter Plug-in for SAP HANA DatabaseおよびSnapCenterカスタム プラグインの場合、SnapCenter Serverはホストで実行されているSCCoreエージェントを通じてプラグインと通信します。
SnapCenter Serverおよびプラグインとホスト エージェントとの通信には、httpsが使用されます。SnapCenterの処理に関する情報は、SnapCenterリポジトリに格納されます。
SnapCenterは、Windowsホスト向けに不整合な名前空間をサポートしています。 |
Linuxホストで実行されているSnapCenterコンポーネントのステータスを確認するには、次のコマンドを実行する必要があります。
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systemctl status snapmanagerweb
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systemctl status scheduler
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systemctl status smcore
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systemctl status nginx
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systemctl status rabbitmq-server
SnapCenterプラグイン
各SnapCenterプラグインは、特定の環境、データベース、アプリケーションをサポートします。
プラグイン名 | インストール パッケージ | 他に必要なプラグイン | インストール先のホスト | サポートされているプラットフォーム |
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Plug-in for SQL Server |
Plug-ins Package for Windows |
Plug-in for Windows |
SQL Serverホスト |
Windows |
Plug-in for Windows |
Plug-ins Package for Windows |
Windowsホスト |
Windows |
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Plug-in for Exchange |
Plug-ins Package for Windows |
Plug-in for Windows |
Exchange Serverホスト |
Windows |
Plug-in for Oracle Database |
Plug-ins Package for LinuxおよびPlug-ins Package for AIX |
Plug-in for UNIX |
Oracleホスト |
LinuxまたはAIX |
Plug-in for SAP HANA Database |
Plug-ins Package for LinuxおよびPlug-ins Package for Windows |
Plug-in for UNIXまたはPlug-in for Windows |
HDBSQLクライアント ホスト |
LinuxまたはWindows |
Plug-in for IBM Db2 |
Plug-ins Package for LinuxおよびPlug-ins Package for Windows |
Plug-in for UNIXまたはPlug-in for Windows |
Db2ホスト |
LinuxまたはWindows |
Plug-in for PostgreSQL |
Plug-ins Package for LinuxおよびPlug-ins Package for Windows |
Plug-in for UNIXまたはPlug-in for Windows |
PostgreSQLホスト |
LinuxまたはWindows |
Plug-in for MySQL |
Plug-ins Package for LinuxおよびPlug-ins Package for Windows |
Plug-in for UNIXまたはPlug-in for Windows |
Db2MySQLホスト |
LinuxまたはWindows |
SnapCenter Plug-in for VMware vSphereは、仮想マシン(VM)、データストア、および仮想マシン ドライブ(VMDK)に対するクラッシュ整合性およびVM整合性のあるバックアップおよびリストア処理をサポートします。また、仮想データベースおよびファイルシステムに対するアプリケーションと整合性のあるバックアップおよびリストア処理を保護するために、SnapCenterアプリケーション固有のプラグインをサポートします。 |
SnapCenter Plug-in for VMware vSphereのドキュメントには、SnapCenter 4.3以降のユーザー向けに、LinuxベースのSnapCenter Plug-in for VMware vSphere仮想アプライアンス(オープン仮想アプライアンス形式)を使用した仮想データベースとファイルシステムの保護に関する情報が記載されています。
SnapCenter Plug-in for Microsoft SQL Serverの特長
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SnapCenter環境のMicrosoft SQL Serverデータベースに対するアプリケーション対応のバックアップ、リストア、クローニングの各処理が自動化されます。
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SnapCenter Plug-in for VMware vSphereを導入してSnapCenterに登録した場合、VMDKおよびrawデバイス マッピング(RDM)LUN上のMicrosoft SQL Serverデータベースがサポートされます。
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SMB共有のプロビジョニングのみがサポートされます。SMB共有でのSQL Serverデータベースのバックアップはサポートされません。
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SnapManager for Microsoft SQL ServerからSnapCenterへのバックアップのインポートがサポートされます。
SnapCenter Plug-in for Microsoft Windowsの特長
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SnapCenter環境のWindowsホストで実行されている他のプラグインに対してアプリケーション対応のデータ保護が有効になります。
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SnapCenter環境のMicrosoftファイルシステムに対するアプリケーション対応のバックアップ、リストア、クローニングの各処理が自動化されます。
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Windowsホストのストレージ プロビジョニング、整合性のあるSnapshotの作成、およびスペース再生がサポートされます。
Plug-in for Windowsでは、物理LUNとRDM LUNでSMB共有およびWindowsファイルシステムをプロビジョニングできますが、SMB共有でのWindowsファイルシステムのバックアップ処理はサポートされません。
SnapCenter Plug-in for Microsoft Exchange Serverの特長
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SnapCenter環境のMicrosoft Exchange Serverデータベースとデータベース可用性グループ(DAG)に対するアプリケーション対応のバックアップとリストアの各処理が自動化されます。
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SnapCenter Plug-in for VMware vSphereを導入してSnapCenterに登録した場合、RDM LUN上の仮想化されたExchange Serverがサポートされます。
SnapCenter Plug-in for Oracle Databaseの特長
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SnapCenter環境のOracleデータベースに対するアプリケーション対応のバックアップ、リストア、リカバリー、検証、マウント、アンマウント、クローニングの各処理が自動化されます。
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SAP用のOracleデータベースはサポートされますが、SAP BR*Toolsとの統合はサポートされません。
SnapCenter Plug-in for UNIXの特長
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LinuxまたはAIXシステム上の基盤となるホスト ストレージ スタックを処理することで、Plug-in for Oracle Databaseにより、Oracleデータベースに対してデータ保護処理を実行できるようになります。
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ONTAPを実行するストレージ システムで、Network File System(NFS)プロトコルとストレージ エリア ネットワーク(SAN)プロトコルがサポートされます。
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Linuxシステムでは、SnapCenter Plug-in for VMware vSphereを導入してSnapCenterに登録した場合、VMDKおよびRDM LUN上のOracleデータベースがサポートされます。
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SANファイルシステムおよびLVMレイアウトでAIXのマウント ガードがサポートされます。
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AIXシステムの場合のみ、Enhanced Journaled File System(JFS2)およびSANファイルシステムとLVMレイアウトでのインライン ロギングがサポートされます。
SANデバイス上に構築されたSANネイティブ デバイス、ファイルシステム、LVMレイアウトがサポートされます。
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SnapCenter環境のUNIXファイルシステムに対するアプリケーション対応のバックアップ、リストア、クローニングの各処理が自動化されます。
SnapCenter Plug-in for SAP HANA Databaseの特長
SnapCenter環境のSAP HANAデータベースに対するアプリケーション対応のバックアップ、リストア、クローニングが自動化されます。
SnapCenter Plug-in for IBM Db2
SnapCenter環境のIBM Db2データベースに対するアプリケーション対応のバックアップ、リストア、クローニングが自動化されます。
SnapCenter Plug-in for PostgreSQL
SnapCenter環境のPostgreSQLインスタンスに対するアプリケーション対応のバックアップ、リストア、クローニングが自動化されます。
SnapCenter Plug-in for MySQL
SnapCenter環境のMySQLインスタンスに対するアプリケーション対応のバックアップ、リストア、クローニングが自動化されます。
SnapCenterリポジトリ
SnapCenterリポジトリ(NSMデータベースとも呼ばれる)には、SnapCenterのすべての処理についての情報とメタデータが保存されます。
MySQL Serverリポジトリ データベースは、SnapCenter Serverのインストール時にデフォルトでインストールされます。MySQL ServerがすでにインストールされているマシンにSnapCenter Serverを新規にインストールする場合は、MySQL Serverをアンインストールする必要があります。
SnapCenterでは、SnapCenterリポジトリ データベースとしてMySQL Server 8.0.37以降がサポートされます。以前のリリースのSnapCenterで以前のバージョンのMySQL Serverを使用していた場合は、SnapCenterのアップグレード時にMySQL Serverが8.0.37以降にアップグレードされます。
SnapCenterリポジトリには、次の情報とメタデータが保存されます。
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バックアップ、クローン、リストア、検証のメタデータ
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レポート作成、ジョブ、イベントの情報
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ホストおよびプラグインの情報
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ロール、ユーザー、アクセス許可の詳細
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ストレージ システムの接続情報