ONTAP 9.13

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ONTAPのアップグレードのためのSnapMirror関係の準備

SnapMirrorを実行しているクラスタでONTAPをアップグレードする前に、デスティネーション ボリュームを含む各ノードのSnapMirror処理を休止し、ピア関係にある各SVMにはクラスタ間で一意の名前を付ける必要があります。SVMごとに一意のFully Qualified Domain Name(FQDN;完全修飾ドメイン名)を使用することを推奨します(例:「dataVerser.HQ」、「mirrorVserver.Offsite」)。

DP SnapMirror関係のクラスタをアップグレードする場合は、ソースノードをアップグレードする前にデスティネーションノードをアップグレードする必要があります。

ONTAPのアップグレード前にSnapMirror処理を休止する

SnapMirror転送が失敗しないようにするには、SnapMirror処理を休止する必要があります。または、ソースノードをアップグレードする前に特定のデスティネーションボリュームでSnapMirror転送を休止し、所有権を持つデスティネーション ノードをアップグレードして、他のすべてのデスティネーション ボリュームでSnapMirror転送を続行することもできます。次の表に、 SnapMirror処理を一時停止するための2つのオプションを示します。

オプション 説明 ソースノードよりも先にデスティネーション ノードをアップグレードする必要がある

NDU(無停止アップグレード)の実行時にSnapMirror処理を一時停止する

SnapMirror環境でアップグレードを行うときは、すべてのSnapMirror処理を一時停止してアップグレードを実行し、完了後にSnapMirror処理を再開する方法が最も簡単です。ただし、この方法では、NDUを実行している間はSnapMirror転送が行われません。相互にボリュームをミラーリングしているノードがクラスタにある場合は、この方法を使用する必要があります。

いいえ。任意の順序でノードをアップグレードできます。

一度に1つのデスティネーション ボリュームでSnapMirror処理を一時停止する

特定のデスティネーション ボリュームのSnapMirror転送を一時停止し、デスティネーション ボリュームを含むノード(またはHAペア)、ソースボリュームを含むノード(またはHAペア)の順にアップグレードして、完了後にデスティネーション ボリュームのSnapMirror転送を再開できます。この方法を使用すると、デスティネーション ボリュームを含むノードとソース ボリュームを含むノードをアップグレードしている間、他のすべてのデスティネーション ボリュームのSnapMirror転送を続行できます。

はい。

手順
  1. 各SnapMirror関係のデスティネーション パスを確認します。

    snapmirror show
  2. それぞれのデスティネーション ボリュームについて、以降のSnapMirror転送を一時停止します。

    snapmirror quiesce -destination-path destination

    SnapMirror関係に実行中の転送がなければ、関係のステータスが「Quiesced」に設定されます。関係に実行中の転送がある場合は、転送が完了するまでステータスが「Quiescing」に設定され、完了した時点で「Quiesced」になります。

    次の例は、「SVMvs0.example.com」からデスティネーション ボリューム「vol1」への転送を休止します。

    cluster1::> snapmirror quiesce -destination-path vs0.example.com:vol1
  3. すべてのSnapMirror関係が休止状態になっていることを確認します。

    snapmirror show -status !Quiesced

    このコマンドは、休止状態でないSnapMirror関係を表示します。

    次の例では、すべてのSnapMirror関係が休止状態になっています。

    cluster1::> snapmirror show -status !Quiesced
    There are no entries matching your query.
  4. 転送中のSnapMirror関係がある場合は、次のいずれかを実行します。

    オプション 説明

    転送が完了してからONTAPのアップグレードを実行します。

    転送が完了すると、関係のステータスが「Quiesced」に変わります。

    転送を中止します。

    snapmirror abort -destination-path destination -h

    注:負荷共有ミラーの転送を中止する場合は、-foreground trueパラメーターを使用する必要があります。

    このコマンドは、SnapMirror転送を中止して、正常に転送された最新のSnapshotコピーにデスティネーション ボリュームをリストアします。関係のステータスは「Quiesced」になります。

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