ONTAP 9.13

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アダプティブQoSポリシー グループの使用

アダプティブQoSポリシー グループを使用すると、ボリューム サイズの変更に合わせてスループットの上限や下限を自動的に調整し、TBまたはGBあたりのIOPSを一定に保つことができます。これは、何百何千という数のボリュームを管理する大規模な環境では大きなメリットです。

開始する前に
  • ONTAP 9.7以降が実行されている必要があります。アダプティブQoSポリシー グループはONTAP 9.7以降で使用できます。

  • ポリシー グループを作成するには、クラスタ管理者である必要があります。

タスク概要

ストレージ オブジェクトは、アダプティブまたは非アダプティブどちらかのポリシー グループのメンバーにすることができますが、両方のメンバーにすることはできません。SVMはストレージ オブジェクトとポリシーで同じである必要があります。ストレージ オブジェクトはオンラインである必要があります。

アダプティブQoSポリシー グループは常に非共有です。定義されているスループットの上限または下限は、各メンバー ワークロードに個別に適用されます。

ストレージ オブジェクト サイズに対するスループット制限の比率は、以下に示すフィールドの組み合わせによって決まります。

  • expected-iopsは、割り当てスペース(TB / GB)あたりのIOPSの最小想定値です。

    expected-iopsはETERNUS AXシリーズでのみ保証されます。FabricPoolについては、階層化ポリシーが「none」に設定され、ブロックがクラウドにない場合にのみexpected-iopsが保証されます。expected-iopsは、SnapMirror Synchronous関係にないボリュームで保証されます。

  • peak-iopsは、割り当てスペース(TB / GB)あたりのIOPSの最大許容値です。

  • expected-iops-allocationは、expected-iopsに割り当てスペース(デフォルト)と使用スペースのどちらを使用するかを示します。

    expected-iops-allocationはONTAP 9.7以降で使用できます。

  • peak-iops-allocationは、peak-iopsに割り当てスペースと使用スペース(デフォルト)のどちらを使用するかを示します。

  • absolute-min-iopsは、絶対最小IOPSです。このフィールドは非常に小さいストレージ オブジェクトで使用します。absolute-min-iopsexpected-iopsの計算値より大きい場合は、peak-iopsexpected-iopsよりも優先されます。

    たとえば、expected-iopsを1,000 IOPS/TBに設定すると、ボリューム サイズが1GB未満の場合はexpected-iopsの計算値がかなり小さくなります。,000peak-iopsの計算値はさらに小さくなります。absolute-min-iopsを現実的な値に設定することでこのようなケースに対処できます。

  • block-sizeは、アプリケーションのI/Oブロック サイズを示します。デフォルトは32Kです。有効な値は、8K、16K、32K、64K、ANYです。ANYは、ブロック サイズが適用されないことを意味します。

次の表に示す3種類のアダプティブQoSポリシー グループがデフォルトで用意されています。これらのポリシー グループはボリュームにそのまま適用することができます。

デフォルト ポリシー グループ

想定IOPS/TB

ピークIOPS/TB

絶対最小IOPS

extreme

6,144

12,288

1000

performance

2,048

4,096

500

value

128

512

75

あるストレージ オブジェクトの親または子オブジェクトがポリシー グループに属している場合、そのオブジェクトをポリシー グループに割り当てることはできません。次の表に、詳しく記載します。

ポリシー グループに所属しているオブジェクト ポリシー グループに割り当てできないオブジェクト

SVM

SVMに含まれているストレージ オブジェクト

ボリューム

ボリュームの親SVMまたはすべての子LUN

LUN

LUNの親ボリューム / SVM

ファイル

ファイルの親ボリューム / SVM

手順
  1. アダプティブQoSポリシー グループを作成します。

    qos adaptive-policy-group create -policy group policy_group -vserver SVM -expected-iops number_of_iops/TB|GB -peak-iops number_of_iops/TB|GB -expected-iops-allocation-space|used-space -peak-iops-allocation allocated-space|used-space -absolute-min-iops number_of_iops -block-size 8K|16K|32K|64K|ANY

    コマンド構文全体については、マニュアル ページを参照してください。

    -expected-iops-allocationおよび-block-sizeは、ONTAP 9.7以降で使用できます。

    次のコマンドは、adpg-app1というアダプティブQoSポリシー グループを作成し、-expected-iopsを300 IOPS/TB、-peak-iopsを1,000 IOPS/TB、-peak-iops-allocationused-space-absolute-min-iopsを50 IOPSに設定します。,000

    cluster1::> qos adaptive-policy-group create -policy group adpg-app1 -vserver vs2 -expected-iops 300iops/tb -peak-iops 1000iops/TB -peak-iops-allocation used-space -absolute-min-iops 50iops
  2. アダプティブQoSポリシー グループをボリュームに適用します。

    volume create -vserver SVM -volume volume -aggregate aggregate -size number_of TB|GB -qos-adaptive-policy-group policy_group

    コマンド構文全体については、マニュアル ページを参照してください。

    次のコマンドは、アダプティブQoSポリシー グループadpg-app1をボリュームapp1に適用します。

    cluster1::> volume create -vserver vs1 -volume app1 -aggregate aggr1 -size 2TB -qos-adaptive-policy-group adpg-app1

    次のコマンドは、デフォルトのアダプティブQoSポリシー グループextremeを新しいボリュームapp4と既存のボリュームapp5に適用します。ポリシー グループに対して定義されたスループットの上限は、ボリュームapp4およびapp5に個別に適用されます。

    cluster1::> volume create -vserver vs4 -volume app4 -aggregate aggr4 -size 2TB -qos-adaptive-policy-group extreme
    cluster1::> volume modify -vserver vs5 -volume app5 -qos-adaptive-policy-group extreme
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