エフサステクノロジーズ株式会社

本ページの製品は2024年4月1日より、エフサステクノロジーズ株式会社に統合となり、順次、切り替えを実施してまいります。一部、富士通表記が混在することがありますので、ご了承ください。

ONTAP 9 マニュアル ( CA08871-402 )

to English version

SANホストのqueue depthの設定

ノードおよびFCポートのファンインあたりのITN数を最大にするために、ホストのqueue depthの変更が必要になる場合があります。

AIXホスト

AIXホストのqueue depthは、chdev コマンドを使用して変更できます。chdev コマンドを使用して変更した内容は、リブート後も維持されます。

例:

  • hdisk7デバイスのqueue depthを変更するには、次のコマンドを使用します。

    chdev -l hdisk7 -a queue_depth=32

  • fcs0 HBAのqueue depthを変更するには、次のコマンドを使用します。

    chdev -l fcs0 -a num_cmd_elems=128

    num_cmd_elems のデフォルト値は200です。最大値は2,048です。

    場合によっては、rmdev -l fcs0 -R コマンドと makdev -l fcs0 -P コマンドを使用して、HBAをオフラインにして num_cmd_elems を変更し、その後オンラインに戻す必要があります。

HP-UXホスト

HP-UXホストのLUNまたはデバイスのqueue depthは、カーネル パラメーター scsi_max_qdepth を使用して変更できます。HBAのqueue depthは、カーネル パラメーター max_fcp_reqs を使用して変更できます。

  • scsi_max_qdepth のデフォルト値は8です。最大値は255です。

    scsi_max_qdepth は、kmtune コマンドの -u オプションを使用して、稼働中のシステムで動的に変更できます。変更はシステムのすべてのデバイスに適用されます。たとえば、LUNのqueue depthを64に増やすには、次のコマンドを使用します。

    kmtune -u -s scsi_max_qdepth=64

    scsictl コマンドを使用すると、個々のデバイス ファイルのqueue depthを変更できます。scsictl コマンドで行った変更は、システムをリブートすると元に戻ります。特定のデバイス ファイルのqueue depthを表示して変更するには、次のコマンドを実行します。

    scsictl -a /dev/rdsk/c2t2d0

    scsictl -m queue_depth=16 /dev/rdsk/c2t2d0

  • max_fcp_reqs のデフォルト値は512です。最大値は1024です。

    max_fcp_reqs に対する変更を有効にするには、カーネルを再構築し、システムをリブートする必要があります。たとえば、HBAのqueue depthを256に変更するには、次のコマンドを使用します。

    kmtune -u -s max_fcp_reqs=256

Solarisホスト

SolarisホストのLUNおよびHBAのqueue depthを設定できます。

  • LUNのqueue depth:ホストで使用中のLUNの数にLUNあたりのスロットル(lun-queue-depth)をかけた値が、ホストのtgt-queue-depth値以下になる必要があります。

  • Sunスタックでのqueue depth:ネイティブ ドライバーでは、LUNまたはターゲット単位の max_throttle 値をHBAレベルで設定できません。ネイティブ ドライバーの max_throttle 値は、/kernel/drv/sd.conf ファイルと /kernel/drv/ssd.conf ファイルでデバイス タイプ単位(VID_PID)で設定することを推奨します。ホスト ユーティリティーでは、この値がMPxIO構成では64、Veritas DMP構成では8に設定されます。

手順
  1. # cd/kernel/drv

  2. # vi lpfc.conf

  3. /tft-queue (/tgt-queue) を探します。

    tgt-queue-depth=32

    デフォルト値はインストール時に32に設定されます。

  4. 環境の構成に基づいて必要な値を設定します。

  5. ファイルを保存します。

  6. sync; sync; sync; reboot -- -r コマンドを使用してホストをリブートします。

VMwareホスト(QLogic HBAの場合)

HBAのタイムアウト設定を変更するには、esxcfg-module コマンドを使用します。esx.conf ファイルを手動で更新することは推奨されません。

手順
  1. rootユーザーとしてサービス コンソールにログオンします。

  2. #vmkload_mod -l コマンドを使用して、現在ロードされているQlogic HBAモジュールを確認します。

  3. Qlogic HBAの単一のインスタンスが1つの場合は、次のコマンドを実行します。

    #esxcfg-module -s ql2xmaxqdepth=64 qla2300_707

    この例ではqla2300_707モジュールを使用しています。vmkload_mod -l の出力に基づいて、適切なモジュールを使用してください。

  4. 次のコマンドを使用して変更内容を保存します。

    #/usr/sbin/esxcfg-boot -b

  5. 次のコマンドを使用してサーバーをリブートします。

    #reboot

  6. 次のコマンドを使用して変更内容を確認します。

    1. #esxcfg-module -g qla2300_707

    2. qla2300_707 enabled = 1 options = 'ql2xmaxqdepth=64'

VMwareホスト(Emulex HBAの場合)

HBAのタイムアウト設定を変更するには、esxcfg-module コマンドを使用します。esx.conf ファイルを手動で更新することは推奨されません。

手順
  1. rootユーザーとしてサービス コンソールにログオンします。

  2. #vmkload_mod -l grep lpfc コマンドを使用して、現在ロードされているEmulex HBAを確認します。

  3. Emulex HBAのインスタンスが1つの場合は、次のコマンドを入力します。

    #esxcfg-module -s lpfc0_lun_queue_depth=16 lpfcdd_7xx

    最後の部分には、HBAのモジュールに応じてlpfcdd_7xxまたはlpfcdd_732を指定します。上記のコマンドではlpfcdd_7xxモジュールを指定しています。vmkload_mod -l の結果に基づいて、適切なモジュールを使用してください。

    このコマンドを実行すると、lpfc0で表されるHBAに対してLUNのqueue depthが16に設定されます。

  4. Emulex HBAのインスタンスが複数の場合は、次のコマンドを実行します。

    a esxcfg-module -s "lpfc0_lun_queue_depth=16 lpfc1_lun_queue_depth=16" lpfcdd_7xx

    lpfc0に対するLUNのqueue depthとlpfc1に対するLUNのqueue depthが16に設定されます。

  5. 次のコマンドを入力します。

    #esxcfg-boot -b

  6. #reboot を使用してリブートします。

Windowsホスト(Emulex HBAの場合)

Windowsホストでは、LPUTILNT ユーティリティーを使用してEmulex HBAのqueue depthを更新できます。

手順
  1. C:\WINNT\system32 ディレクトリーにある LPUTILNT ユーティリティーを実行します。

  2. 右側のメニューで [Drive Parameters] を選択します。

  3. 下にスクロールし、[QueueDepth] をダブルクリックします。

    [QueueDepth] を150よりも大きな値に設定する場合は、次のWindowsレジストリーの値も合わせて増やす必要があります。

    HKEY_LOCAL_MACHINE\System\CurrentControlSet\Services\lpxnds\Parameters\Device\NumberOfRequests

Windowsホスト(Qlogic HBAの場合)

Windowsホストでは、SANsurfer HBAマネージャ ユーティリティーを使用してQlogic HBAのqueue depthを更新できます。

手順
  1. SANsurfer HBAマネージャ ユーティリティーを実行します。

  2. [HBA port] > [設定] をクリックします。

  3. リスト ボックスで、[Advanced HBA port settings] をクリックします。

  4. Execution Throttle パラメーターを更新します。

Linuxホスト(Emulex HBAの場合)

LinuxホストではEmulex HBAのqueue depthを更新できます。この更新をリブート後も維持するには、新しいRAMドライブ イメージを作成してホストをリブートする必要があります。

手順
  1. 変更するqueue depthパラメーターを特定します。

    modinfo lpfc|grep queue_depth

    queue depthパラメーターとその説明が一覧表示されます。使用しているオペレーティング システムのバージョンに応じて、次のqueue depthパラメーターを1つ以上変更できます。

    • lpfc_lun_queue_depth:特定のLUNのキューに格納できるFCコマンドの最大数(uint)

    • lpfc_hba_queue_depth:HBAのキューに格納できるFCコマンドの最大数(uint)

    • lpfc_tgt_queue_depth:特定のターゲット ポートのキューに格納できるFCコマンドの最大数(uint)

      lpfc_tgt_queue_depth パラメーターは、Red Hat Enterprise Linux 7.xシステム、SUSE Linux Enterprise Server 11 SP4システム、および12.xシステムのみに適用されます。

  2. queue depthを更新するために、以下のファイルにqueue depthパラメーターを追加します。

    • Red Hat Enterprise Linux 5.xシステム:/etc/modprobe.conf ファイル

    • Red Hat Enterprise Linux 6.x / 7.xシステムまたはSUSE Linux Enterprise Server 11.x/ 12.xシステム: /etc/modprobe.d/scsi.conf ファイル

      使用しているオペレーティング システムのバージョンに応じて、次のコマンドを1つ以上追加できます。

    • options lpfc lpfc_hba_queue_depth=new_queue_depth

    • options lpfc lpfc_lun_queue_depth=new_queue_depth

    • options lpfc_tgt_queue_depth=new_queue_depth

  3. この更新をリブート後も維持するために、新しいRAMドライブ イメージを作成し、その後ホストをリブートします。

    詳細については、使用するLinuxオペレーティング システムのバージョンに対応したクラスタ管理を参照してください。

  4. 変更したqueue depthパラメーターの値が更新されていることを確認します。

    cat /sys/class/scsi_host/host_number/lpfc_lun_queue_depthcat /sys/class/scsi_host/host_number/lpfc_tgt_queue_depthcat /sys/class/scsi_host/host_number/lpfc_hba_queue_depth

    root@localhost ~]#cat /sys/class/scsi_host/host5/lpfc_lun_queue_depth
          30

    queue depthの現在の値が表示されます。

Linuxホスト(QLogic HBAの場合)

LinuxホストではQLogicドライバーのデバイス queue depthを更新できます。この更新をリブート後も維持するには、新しいRAMドライブ イメージを作成してホストをリブートする必要があります。QLogic HBAのqueue depthを変更するには、QLogic HBAの管理GUIまたはコマンドライン インターフェイス(CLI)を使用します。

ここでは、QLogic HBAのCLIを使用してQLogic HBAのqueue depthを変更する方法を示します

手順
  1. 変更するデバイス queue depthパラメーターを特定します。

    modinfo qla2xxx | grep ql2xmaxqdepth

    変更できるqueue depthパラメーターは ql2xmaxqdepth だけです。このパラメーターには、LUNごとに設定できる最大queue depthを指定します。RHEL 7.5以降のデフォルト値は64です。RHEL 7.4以前のデフォルト値は32です。

    root@localhost ~]# modinfo qla2xxx|grep ql2xmaxqdepth
    parm:       ql2xmaxqdepth:Maximum queue depth to set for each LUN. Default is 64. (int)
  2. デバイス queue depthの値を更新します。

    • 永続的に変更する場合は、次の手順を実行します。

      1. queue depthを更新するために、以下のファイルにqueue depthパラメーター(options qla2xxx ql2xmaxqdepth=new_queue_depth)を追加します。

        • Red Hat Enterprise Linux 5.xシステムの場合:/etc/modprobe.conf ファイル

        • Red Hat Enterprise Linux 6.x / 7.xシステムまたはSUSE Linux Enterprise Server 11.x / 12.xシステムの場合:/etc/modprobe.d/scsi.conf ファイル

      2. この更新をリブート後も維持するために、新しいRAMドライブ イメージを作成し、その後ホストをリブートします。

        詳細については、使用するLinuxオペレーティング システムのバージョンに対応したクラスタ管理を参照してください。

    • 現在のセッションだけでパラメーターを変更する場合は、次のコマンドを実行します。

      echo new_queue_depth > /sys/module/qla2xxx/parameters/ql2xmaxqdepth

      次の例では、queue depthを128に設定します。

      echo 128 > /sys/module/qla2xxx/parameters/ql2xmaxqdepth
  3. queue depthの値が更新されたことを確認します。

    cat /sys/module/qla2xxx/parameters/ql2xmaxqdepth

    queue depthの現在の値が表示されます。

  4. QLogic HBA BIOSからファームウェア パラメーター Execution Throttle を更新して、QLogic HBAのqueue depthを変更します。

    1. QLogic HBAの管理CLIにログインします。

      /opt/QLogic_Corporation/QConvergeConsoleCLI/qaucli

    2. メインメニューから[Adapter Configuration]オプションを選択します。

      [root@localhost ~]# /opt/QLogic_Corporation/QConvergeConsoleCLI/qaucli
      Using config file: /opt/QLogic_Corporation/QConvergeConsoleCLI/qaucli.cfg
      Installation directory: /opt/QLogic_Corporation/QConvergeConsoleCLI
      Working dir: /root
      
      QConvergeConsole
      
              CLI - Version 2.2.0 (Build 15)
      
          Main Menu
      
          1:  Adapter Information
          **2:  Adapter Configuration**
          3:  Adapter Updates
          4:  Adapter Diagnostics
          5:  Monitoring
          6:  FabricCache CLI
          7:  Refresh
          8:  Help
          9:  Exit
      
      
              Please Enter Selection: 2
    3. アダプター設定パラメーターのリストから[HBA Parameters]オプションを選択します。

      1:  Adapter Alias
          2:  Adapter Port Alias
          **3:  HBA Parameters**
          4:  Persistent Names (udev)
          5:  Boot Devices Configuration
          6:  Virtual Ports (NPIV)
          7:  Target Link Speed (iiDMA)
          8:  Export (Save) Configuration
          9:  Generate Reports
         10:  Personality
         11:  FEC
      (p or 0: Previous Menu; m or 98: Main Menu; ex or 99: Quit)
              Please Enter Selection: 3
    4. HBAポートのリストから必要なHBAポートを選択します。

      Fibre Channel Adapter Configuration
      
          HBA Model QLE2562 SN: BFD1524C78510
            1: Port   1: WWPN: 21-00-00-24-FF-8D-98-E0 Online
            2: Port   2: WWPN: 21-00-00-24-FF-8D-98-E1 Online
          HBA Model QLE2672 SN: RFE1241G81915
            3: Port   1: WWPN: 21-00-00-0E-1E-09-B7-62 Online
            4: Port   2: WWPN: 21-00-00-0E-1E-09-B7-63 Online
      
      
              (p or 0: Previous Menu; m or 98: Main Menu; ex or 99: Quit)
              Please Enter Selection: 1

      HBAポートの詳細が表示されます。

    5. [HBA Parameters]メニューから[Display HBA Parameters]オプションを選択して、[Execution Throttle]オプションの現在の値を表示します。

      [Execution Throttle]オプションのデフォルト値は、65535です。

      HBA Parameters Menu
      
      =======================================================
      HBA           : 2 Port: 1
      SN            : BFD1524C78510
      HBA Model     : QLE2562
      HBA Desc.     : QLE2562 PCI Express to 8Gb FC Dual Channel
      FW Version    : 8.01.02
      WWPN          : 21-00-00-24-FF-8D-98-E0
      WWNN          : 20-00-00-24-FF-8D-98-E0
      Link          : Online
      =======================================================
      
          1:  Display HBA Parameters
          2:  Configure HBA Parameters
          3:  Restore Defaults
      
      
              (p or 0: Previous Menu; m or 98: Main Menu; x or 99: Quit)
              Please Enter Selection: 1
      --------------------------------------------------------------------------------
      HBA Instance 2: QLE2562 Port 1 WWPN 21-00-00-24-FF-8D-98-E0 PortID 03-07-00
      Link: Online
      --------------------------------------------------------------------------------
      Connection Options             : 2 - Loop Preferred, Otherwise Point-to-Point
      Data Rate                      : Auto
      Frame Size                     : 2048
      Hard Loop ID                   : 0
      Loop Reset Delay (seconds)     : 5
      Enable Host HBA BIOS           : Enabled
      Enable Hard Loop ID            : Disabled
      Enable FC Tape Support         : Enabled
      Operation Mode                 : 0 - Interrupt for every I/O completion
      Interrupt Delay Timer (100us)  : 0
      **Execution Throttle             : 65535**
      Login Retry Count              : 8
      Port Down Retry Count          : 30
      Enable LIP Full Login          : Enabled
      Link Down Timeout (seconds)    : 30
      Enable Target Reset            : Enabled
      LUNs Per Target                : 128
      Out Of Order Frame Assembly    : Disabled
      Enable LR Ext. Credits         : Disabled
      Enable Fabric Assigned WWN     : N/A
      
      Press <Enter> to continue:
    6. Enter キーを押して続行します。

    7. [HBA Parameters]メニューから[Configure HBA Parameters]オプションを選択して、HBAパラメーターを変更します。

    8. [Configure Parameters]メニューから[Execute Throttle]オプションを選択し、このパラメーターの値を更新します。

      Configure Parameters Menu
      
      =======================================================
      HBA           : 2 Port: 1
      SN            : BFD1524C78510
      HBA Model     : QLE2562
      HBA Desc.     : QLE2562 PCI Express to 8Gb FC Dual Channel
      FW Version    : 8.01.02
      WWPN          : 21-00-00-24-FF-8D-98-E0
      WWNN          : 20-00-00-24-FF-8D-98-E0
      Link          : Online
      =======================================================
      
          1:  Connection Options
          2:  Data Rate
          3:  Frame Size
          4:  Enable HBA Hard Loop ID
          5:  Hard Loop ID
          6:  Loop Reset Delay (seconds)
          7:  Enable BIOS
          8:  Enable Fibre Channel Tape Support
          9:  Operation Mode
         10:  Interrupt Delay Timer (100 microseconds)
         11:  Execution Throttle
         12:  Login Retry Count
         13:  Port Down Retry Count
         14:  Enable LIP Full Login
         15:  Link Down Timeout (seconds)
         16:  Enable Target Reset
         17:  LUNs per Target
         18:  Enable Receive Out Of Order Frame
         19:  Enable LR Ext. Credits
         20:  Commit Changes
         21:  Abort Changes
      
      
              (p or 0: Previous Menu; m or 98: Main Menu; x or 99: Quit)
              Please Enter Selection: 11
      Enter Execution Throttle [1-65535] [65535]: 65500
    9. Enter キーを押して続行します。

    10. [Configure Parameters]メニューから[Commit Changes]オプションを選択して変更を保存します。

    11. このメニューを終了します。

Top of Page