ONTAP 9.13

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NVMeの概要

SAN環境では、Non-Volatile Memory express(NVMe)プロトコルを使用してストレージを提供できます。 NVMeプロトコルは、ソリッドステート ストレージのパフォーマンスを最大化するように最適化されています。

NVMeでは、ストレージ ターゲットをネームスペースと呼びます。 NVMeネームスペースは、論理ブロックにフォーマット可能な不揮発性ストレージの容量で、ホストには標準のブロック デバイスとして表示されます。 FCやiSCSIでLUNをプロビジョニングしてigroupにマッピングするのと同じように、ネームスペースとサブシステムを作成して、ネームスペースをサブシステムにマッピングします。

NVMeターゲットは、標準のFCインフラ(FCスイッチを使用)またはTCPインフラ(イーサネット スイッチとホスト側アダプターを使用)を介してネットワークに接続されます。

NVMeのサポートは、ONTAPのバージョンによって異なります。 詳細については、「NVMeのサポートと制限」を参照してください。

NVMeとは

NonVolatile Memory express(NVMe)プロトコルは、不揮発性ストレージ メディアへのアクセスに使用される転送プロトコルです。

NVMe over Fabrics(NVMeoF)は仕様で定義されたNVMeの拡張機能であり、PCIe以外の接続経由によるNVMeベースの通信を実現します。このインターフェイスを使用すると、外部のストレージ エンクロージャをサーバーに接続できます。

NVMeは、不揮発性メモリー(フラッシュ テクノロジ、高パフォーマンスの永続的メモリー テクノロジなど)を搭載したストレージ デバイスへの効率的なアクセスを提供するように設計されています。そのため、ハード ドライブ ドライブ向けに設計されたストレージ プロトコルのような制限はありません。フラッシュ デバイスとソリッド ステート デバイス(SSD)は、不揮発性メモリー(NVM)の一種です。NVMでは停電時にもデータが失われません。NVMeはこのメモリーにアクセスするための手段です。

NVMeのメリットとしては、データ転送速度、生産性、スループット、容量の向上が挙げられます。NVMeの特徴は次のとおりです。

  • 最大64,000個のキューを使用できるように設計されています。

    各キューには最大64,000個のコマンドを保持できます。

  • NVMeは、複数のハードウェアおよびソフトウェア ベンダーでサポートされています。

  • フラッシュ テクノロジを使用するとNVMeの生産性がさらに向上し、応答時間が短縮されます。

  • SSDに送信される「要求」ごとに複数のデータ要求を含めることができます。

    1つの「要求」のデコードにかかる時間が短く、マルチスレッド プログラムにおけるスレッド ロックは必要ありません。

  • CPUレベルでのボトルネックを防止する機能をサポートし、システムの拡張に応じて並外れた拡張性を実現します。

NVMeネームスペースについて

NVMeネームスペースは、論理ブロックにフォーマット可能な不揮発性メモリー(NVM)の容量です。ネームスペースは、Storage Virtual MachineでNVMeプロトコルが設定されている場合に使用され、FCおよびiSCSIプロトコルのLUNに相当します。

NVMeホストには、1つ以上のネームスペースがプロビジョニングされて接続されます。各ネームスペースがさまざまなブロック サイズをサポートできます。

NVMeプロトコルは、複数のコントローラー経由でネームスペースへのアクセスを提供します。ほとんどのオペレーティング システムでサポートされているNVMeドライバーを使用すると、Solid State Drive(SSD;ソリッド ステート ドライブ)ネームスペースは標準ブロック デバイスとして表示され、そのままでファイルシステムとアプリケーションを導入できます。

ネームスペースID(NSID)は、コントローラーがネームスペースへのアクセスを提供するために使用する識別子です。ホストまたはホスト グループに対してNSIDを設定する場合は、ホストからボリュームへのアクセスも設定します。論理ブロックは、一度に1つのホスト グループにのみマッピングできます。同じホスト グループに複数のNSIDが割り当てられることはありません。

NVMeサブシステムについて

NVMeサブシステムには、1つ以上のNVMeコントローラー、ネームスペース、NVMサブシステム ポート、NVMストレージ メディア、およびコントローラーとNVMストレージ メディア間のインターフェイスが含まれます。作成したNVMeネームスペースは、デフォルトではサブシステムにマッピングされません。オプションで、新規または既存のサブシステムにマッピングできます。

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