ONTAP 9.13

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グローバル ファイル ロックの有効化

ONTAP 9.10.1以降では、グローバル ファイル ロックを適用して、関連するすべてのキャッシュ ファイルの読み取りを防止できます。

タスク概要

FlexCacheボリュームでは、デフォルトでは整合性よりも可用性が優先されます。グローバル ファイル ロックを使用しない場合、元のボリュームに対する変更はFlexCacheボリュームに反映されますが、同時に更新されるとはかぎりません。グローバル ファイル ロックを使用すると、可用性よりもボリューム間の整合性が優先されます。グローバル ファイル ロックが有効な場合、すべてのFlexCacheボリュームがオンラインになるまで元のボリュームに対する変更は保留になります。

FlexCacheボリュームがオフラインの場合は変更が保留になってタイムアウトする可能性があるため、グローバル ファイル ロックを有効にするのは、キャッシュと元のボリュームの間の接続の信頼性が確立されている場合だけにしてください。

グローバル ファイル ロックを使用するには、元のボリュームとすべての関連するキャッシュを含むクラスタでONTAP 9.9.1以降が実行されている必要があります。グローバル ファイル ロックは、新規または既存のFlexCacheボリュームに対して有効にできます。いずれかのボリュームでコマンドを実行すると、関連付けられているすべてのボリュームに適用されます。

グローバル ファイル ロックを有効にするにはadvanced権限レベルが必要です。

グローバル ファイル ロックを有効にするプロセスは、元のボリュームに既存のキャッシュがあるかどうかによって異なります。

新しいFlexCacheボリュームに対するグローバル ファイル ロックの有効化

手順
  1. -is-global-file-locking をtrueに設定してFlexCacheボリュームを作成します。

    volume flexcache create volume volume_name -is-global-file-locking-enabled true

    -is-global-file-locking のデフォルト値は「false」です。以降に実行するすべての volume flexcache create コマンドで、-is-global-file-locking enabled を「true」に設定する必要があります。

既存のFlexCacheボリュームに対するグローバル ファイル ロックの有効化

手順
  1. グローバル ファイル ロックは元のボリュームから設定する必要があります。

  2. 元のボリュームに他の既存の関係(SnapMirrorなど)があってはなりません。既存の関係がある場合は関連付けを解除する必要があります。コマンドの実行時に、すべてのキャッシュとボリュームが接続されている必要があります。接続ステータスを確認するには、次のコマンドを実行します。

    volume flexcache connection-status show

    すべてのボリュームのステータスが「connected.」と表示されていることを確認します。詳細については、FlexCache関係の接続ステータスの確認または元のボリュームからのFlexCacheボリュームのプロパティの同期を参照してください。

  3. キャッシュに対してグローバル ファイル ロックを有効にします。

    volume flexcache origin config show/modify -volume volume_name -is-global-file-locking-enabled true

ONTAPを9.9.1よりも前のバージョンにリバートする場合は、リバートト前に元のボリュームおよび関連するキャッシュでグローバル ファイル ロックを無効にする必要があります。そのためには、次のコマンドを実行します。

volume flexcache prepare-to-downgrade -disable-feature-set 9.10.0

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